気付いたらマジョリティだった
私はそれほど普通な人生を送ってきたわけではない…、と思っている。
私立の進学校から、大学は芸術系に進み、そのまま20代はほとんど留学に費やした。
恋愛観や家族観は、留学先の国の影響を強く受けている。
正直、一生会社員なんてやること無いと思っていたし、結婚だって、自分の価値観に従うのみで、伝統など気にするものか!と思っていた。
留学中に、とあるベンチャー企業から熱烈なオファーを受けて、日本に戻ってきた。こうして、なる事は無いだろうと思っていた会社員になった。
とあるイベントで、今の妻に一目で恋に落ち、告白してOKをもらった。
それまで、パートナーの人数も国籍も性別もわからなかったが、一人の日本人女性だった。
結婚という形を選び、妻の事情を考えて姓を私のものにし、同棲して妻は扶養に入った。
妊娠がわかって、大喜びしながら家族に報告して、家を買ったりした。
妻が私にこう漏らしたことがある。
「夫の姓にしたことを知人に伝えたら、やっぱりそうするんだね!って言われた。私はこれほど迷った上での決断だったのに」
この気持ちはよくわかる。
私自身、自分で考えて努力して、たくさんの迷いを経て、決断の末に今の人生になっていると思っている。
蓋を開けると、ほとんど平均、多数派。
人からは、世間に迎合した無難な選択をしたんだね、と言われる。
その言葉自体はムカつくけれど、それにムカつくから自分の考えと違う方を選ぶということはしない。ダサいと思う。
自分の人生を、勝手に評価されることはあるが、勝手に評価させておき、あくまでも自身で選んで誇りを持って生きる。
他人の人生も、勝手に評価せずに、リスペクトしよう。
そもそも平均になることの難しさは私自身がよく知っているし、平均から外れたときの苦労や努力も少しは知っているつもりだ。
今は、誇りを持ってマジョリティとして生きる。