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ただそのまま言葉を受け取ること

宮沢賢治の小説集を読んで、朝から泣いていました。

どうして同じ日本語なのに、こんなにも繊細でやさしいのでしょう。

それでいて、まっすぐ私の胸を突き刺してくるのです。

彼の言葉は、私を素直な気持ちにさせてくれます。



「言われた言葉をそのまま受け取っていいんですよ」

これまで病院の先生に何度か言われてきましたが、深読みしてしまうのが私の悪い癖です。

深く考えることは悪くないと思うのですが、深読みして悪い方悪い方にいくといいことはないので「そのまま受け取る」ようにしています。

「聴く」よりも「聞く」のほうが難しい。
心の奥底に触れるよりも、懸命に訴えられていることをそのまま受けとるほうがずっと難しい。

東畑開人(2022)『聞く技術 聞いてもらう技術』


相手の言葉をそのまま受け取ること、自分の言葉をそのまま受け取ってもらうことは、今の私には簡単なことではありません。

それでも、咽喉につかえるような言葉であっても、できるだけ飲み込んで消化したいと思っています。
言いたいことを、まっすぐ伝えられる人になりたいと思います。


それでいうと、宮沢賢治の物語は「そのまま受け取らせる」言葉でつくられているなと感じます。

彼の物語には比喩や独自の表現も含まれています。それでも、言葉一つひとつがゆっくりと確実に入ってくるのです。

「さあ、切符をしっかり持っておいで。おまえはもう夢の鉄道の中でなしに、ほんとうの世界の火やはげしい波の中を大股にまっすぐに歩いて行かなければいけない。天の川のなかでたった一つのほんとうのその切符を決しておまえはなくしてはいけない。」

宮沢賢治(1979)『銀河鉄道の夜』新潮社

今の私に刺さる台詞です。

午後から、ほんとうの世界の火の中を歩いていきます。
(就活をします)





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