親はなくとも子は育つ
ー"アゲハの季節"
ベランダにあるグレープフルーツの植木で生まれたナミアゲハの幼虫がすくすく育っている。最も大きい幼虫は、12日時点で体長が1cmに満たなかったところが、現時点ですでに2cm近くある。数値以上に大きくなった感も。「親は無くとも子は育つ」とは、まったく上手く言ったものだ。まもなく脱皮の時期を迎えそう。現在の鳥のフンに似せた黒っぽい姿から、鮮やかな緑に"衣替え"する日はそう遠くない。
まもなく正念場
チョウの幼虫は、それぞれ成長ステージに応じ、さまざまな形や色に変化する。生まれて間もない「初令」から「3令」までは、鳥のフンに似た色だ。それが、続く「4令」「5令」では脱皮を経て、体色が葉っぱと同じになる。この姿が「青虫」としてお馴染みの姿だ。
その後、蛹になるとき、再び周りの環境に似せた色に変わる。緑だったり茶色だったりする。こうした変化は、いずれも外敵から身を守るためにDNAに刻まれた"記憶"による変化だ。ベランダで最も大きい幼虫は「2令」から「3令」の間といったところか。脱皮の時期が近づいている。
チョウの幼虫は、青虫になってからが生きるか死ぬかの正念場と言える。体長が大きくなり、どうしても外敵に見つかりやすくなる。鳥のほか、体内に卵を産みつけるハチやハエが狙っている。産みつけられた場合、体内で孵化したハチやハエの幼虫が体を食い破って出てくるらしい。
方針に変わりなく
ベランダにいるチョウの幼虫は数も増えたようだ。奥さんによると、当初2匹だったところが、新たな幼虫が相次いで見つかり、現時点で4匹いるという。ただ、「自然界は弱肉強食が掟」という奥さんの方針に変わりなく、屋内で保護するつもりは微塵もない。
1匹でも多くチョウになって巣立っていくよう祈るばかりだ。
(写真〈トップ画像〉:ベランダですくすく育つチョウの幼虫。現在の成長ステージは「2令」から「3令」の間といったところか=りす)
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