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「SO WAS RED」
ー映画『ショーシャンクの空に』
noteのトレンドハッシュタグに「ショーシャンクの空に」を見つけ、喜び勇んで映画『ショーシャンクの空に』について書く。この作品は、これまで見た映画の中で、五指に入るほど強く印象に残っている。記憶に焼き付いている劇中の言葉に「SO WAS RED」がある。
若気の至り
この言葉。刑務所内で、主人公アンディ(ティム・ロビンス)と親しくなったレッド(モーガン・フリーマン)が、出所後、自らが生きていた証として、泊まったホテルの部屋の梁にナイフで刻んだものだ。
インターネットによると、シャバになかなか馴染めず、自殺も考えていたレッドが、これまでの自分と決別し、先に脱獄したアンディの元で、再出発する決意表明とも受け取れるとの見方がある。実に腑に落ちる解釈。
この作品をDVDで見て以来、この言葉がとても格好良く見えて。当時、バックパッカーだったこともあり、インドやタイの安宿の壁や柱に小さく自分の名前をマジックで書いて回って満足感に浸った。若気の至り。
そんな事情もあり、この作品、この言葉はずっと覚えている。
異なるニュアンス
レッドが「SO WAS RED」と梁に刻んだホテルの部屋。実は、レッドの先に出所した顔なじみの囚人・ブルックス(ジェームズ・ホイットモア)が自ら命を絶った場所でもある。刑務所外の世界に適応できなかったのが原因だ。
レッドは偶然、梁に彫られた「BROOKS WAS HERE」という言葉を見つける。そして、ブルックスが残した言葉のそばに、まるで寄り添うように「SO WAS RED」と刻んだ。
自分の存在を示すブルックスとレッドの言葉。主語が変わっただけで、ほぼ同じだ。ただ、この二つはまったくニュアンスが違う。インターネットで、次のような解釈を見つけた:
「刑務所の外では誰にも相手にされず必要とされなかったブルックスは、名前を梁に刻むことで『ただでは死なない。名無しでは死なない』という意地を示した。レッドはその思いを分かって共感もしたが、『私もここにいた。そしてここでは終わらない、新しい人生に向かって生きる』という決意を表明したと思う」
ブルックスは絶望からの意地、レッドは希望ゆえの再出発という意味が込められているわけか。なるほど納得できるし、実に面白い。あらためて、この作品を見たくなってきた。
お得に見られる方法を探したい。
(写真:『りすの独り言』トップ画像=フリー素材などを基にりす作成)
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