previous color 1. ゲーム配信②
前話
「かっしー」
スマートフォンのロック画面には、その人物からメッセージが来たことの通知があった。
見なかったことにしたいが、そうしたところでろくなことにはならない。深いため息をついて、桜は通知をタップしてチャットアプリを開いた。
『今日の午後、うちに来れるー?ゲーム配信をしたいんだけど出てくんない?』
そのメッセージを見た途端、心臓がばくばくと言い出した。桜は、その数奇な運命からすると善良で、真面目と言ってもいい女性だった。人に諦念を抱いている部分はあるが