その2:自分でコントロールできることに注力する
SNSで友人がSNS映えをする投稿をアップロードしているのに気付いたり、銀行通帳の残高を見て焦ったりすることがあった。
障害者雇用という法律で守られる雇用形態で働いていても、給与は高くないし、非正規雇用だから、将来の青写真を描くのが難しい。
心がかき乱された時に私はどうしたか。
私は自分でコントロールできないことを考えないようにしていた。また趣味に没頭をして、コントロールできないことに注意が行かないようにしていた。
考えないというのは、単に「見て見ぬふりをする」ということだけではない。あたかもその問題がないかのようにふるまっていたのだ。
習っていた武道の稽古に行き、夏休みにはバックパックで海外旅行をす
る。仮に手元不如意であってもだ(さすがに借金はしなかったが)。
あたかもボーナス支給もある同年代の人のようにふるまうようにしていた。
そうこうしているうちに、障害者雇用で転職した企業の在職年数が約3年になった。
一般的にその企業に3年間在職すれば、転職が可能になるといわれている。
この企業にいても貯金がたまらない。あたかも問題がないかのようにふるまうことも徐々にできなくなる。
転職の機は熟し、またこの企業に継続して在籍したくない。
私はコントロールできないと思っていた、「給与が低い/将来の青写真が描けない」という問題が、コントロールできるステータスになったことを感じつつあった。
そのように潮流が変わり始めたことを感じた直後の夏季休暇に、バルセロナにバックパック旅行に行った。
バルセロナ名物のサクラダファミリアの内部でステンドグラスを見ていた時、転職を決意することができた。あたかも神の啓示のごとしだった。
バルセロナから帰国後、障害者雇用専門の転職エージェントに相談をし、いくつかの企業を紹介してもらい、その中の米国系製薬企業からオファーを貰った。
給与も200万円以上上がった。
つまり、コントロールできることをひたむきにクリアしていったら、いつの間にかコントロールできる範囲が広がり、当初はコントロールできないと思っていた問題もクリアができたのだ。
コントロールできることだけに注力し、決して目をそらさない。
これがライフハックなのかはわからない。
その当時を振り返れば、もっと肩の力が抜けたような感じだったような気がもする。
ただ、コントロールできることだけを見ていて対応していれば、コントロールできないと思っていた問題がコントロールできるようになる。
人間は成長する生き物であるから、コントロールできることをひたむきに取り組んでいれば道は拓けると信じてよいのではないかと思う。
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