優しさの奥にある厳しさが人の心を整える
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【軟水のたそがれ】
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このnoteは筆者のツイートを深堀りするエッセイです。
※毎週日曜日の夜に更新!
新たな1週間が始まる前に、何か大切なことに気がつくキッカケになれば嬉しいなと思っています(*^^*)
川の流れのように、世の中の動きに流されるのではなく「主体的に流れること」を大切にしたい。
そんなおもいを込めています。
本日取り上げるツイートは⇓こちら!
・・・さっそく深堀りしていきましょー!
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先日は、かつて住んでいた東京に3日ほど滞在。
当時から歩いていた道と同じ道を辿り、過去の自分を思い起こし今の自分と照らし合わせるという、そんな贅沢な時間を過ごしてみた。
ということで今回は、過去の自分から『変わらずそこにあるもの』を探してみたい。
昔から僕は「優しい人でありたい」と強く思っている。
それはずっと変わることがない。
優しい人をもっと具体的に表現するならそれは、「初心者に厳しい人にはなりたくない」ということなのかもしれない。
車の運転に例えるならば…
初心者マークをつけた新人ドライバーに対して車間距離を詰めたり。
ウィンカーも出さずに進路を変更したり。
こういった、自身の経験値にあぐらをかいたり、自分勝手なルール変更で周りに恐怖を与えてしまう人にはなりたくないと、そう思っているんだ。
・・・僕は東京で学生をしていた頃から居酒屋の接客スタッフを長年勤めて、いわゆるバイトリーダー的な立場であることが多かった。
これまでたくさんの新人さんと接してきたけれど、先程の例に挙げたような先輩にならないよう、自分なりに意識して気を配ってきたつもりだ。
経験値が高いと、職場内では当たり前に通じる言葉を新人さんに対しても使って、「そんなことも知らないの?」と無意識にマウンティングをしてしまうこともある。
「新人なら自分からもっと努力して仕事のことを勉強しろよ!」と、こちらが忙しい時ほど、そう思ってしまったりするものだ。
店員の忙しさがお客さんには関係がないように、先輩スタッフの忙しさは新人さんには関係がないと、僕は思う。
お店の一体感や仲間感を大切にして忙しさを共有したいのなら、まずは新人さんが抱える忙しさを、先輩がひたすら受け止めることが筋でしょう…と。
相手に厳しくなってしまう時というのは、往々にして自分が厳しい状況におかれている時で、その『うわべだけの厳しさ』って本当に必要なの?と、ずっと疑問に思っていた。
「厳しさがないと、新人を甘やかしてしまうから!」というような理由を後付けして、自分がなぜ今こんな厳しい状況におかれているのか?というフィードバックをしない人が多いから。
「厳しさに耐えられない人はいらない!」という態度を示しておいて、信頼を向けず、自分の仕事を振ったり頼ったりできる仲間を自ら減らしておいて…
わざわざ自分を厳しい状況に追い込んでしまっているよね?と思うわけです。
面接の段階で「厳しさに耐えられない人は採用しない」と足切りしているのなら、ある種それは優しいのだけれど・・・
アルバイトを採用している職場の多くは、「誰でも歓迎!」とウェルカムしておいて、いざ現場に立ったら「この環境に耐えられない人はダメだ!」という姿勢。
表面だけの優しさだけを取り繕いがちだよね、と。
・・・だけどさ?
例えば小学校の算数で三角形の面積を求める時に、「底辺×高さ÷2」の公式を教わらなかったとしたら、はたして面積を求められる人はどれほどいるだろうか?
「円周率π」の存在を教わらなかったとしたら、円の面積を求められる人はどれほどいるだろうか?
そういった『基本を教える』ということは、厳しさや甘えとは無縁のはずなのに、基本を忘れてマイルールに走る人ほど、新人さんに対して「基本がなってない!」という厳しさを発動する。
僕はそういったマウンティングが大嫌いだったので、自分がそうならないよう、自分の中の当たり前を疑う努力はしてきたつもりだ。
・・・ただし、新人さんに対してずっと手取り足取りついて教えているかというと、それも違う。
それがいわゆる「甘やかす」ということだから。
新人の自分が頑張らなくても先輩がやってくれる…となると、自分に甘くなり、次なる「初心者に厳しい人」を育ててしまう。
いざ新人さんが先輩になって厳しさと向き合わなければならなくなった時に、自分自身と向き合うのではなく、周りの自分よりできない人を正す方へと意識が向いてしまうから。
初心者には「自分で自分に厳しくなれる環境」が必要で、先輩はその環境を用意したり、自分に甘くなってしまわない環境を整えることが大切だと、僕は思う。
それは周りが厳しくする環境ではなく、自分で自分に厳しい姿勢を取れる環境だ。
・・・東京で学生をしていた頃からこういったことを考え続けて、厳しさと優しさの哲学を深めていったように思う。
他者を教育し、指導することに、厳しさは必ずしも必要ではない。
けれど、自分自身を整え高めていくための厳しさは必要だ。
だからこそ、初心に帰る意味で自分自身に改めて厳しさを用意して、己を整え直すことが大切だなと思います。
その際、人材育成論で有名な『山本五十六』の名言に学ぶことはあまりにも大きい。
⇓山本五十六の言葉
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ
ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し
任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って
信頼せねば、人は実らず。
「人を動かすため」に、最初の2行を実践している人は多いはず。
だけれど、実はもっともっと大切なのは、その後に続く『人は育たず』『人は実らず』の部分だ。
人を育てる上で「仕事を与え、認め、褒める」よりさらに重要なことは「信任と信託」だと、僕は思う。
※山本五十六は新潟県長岡市出身の偉人で、連合艦隊司令総監を務めた人物
・・・そして今現在の僕は、複数のオンラインコミュニティに所属していて、自分でもいくつか運営をしている。
そこでの繋がりは一朝一夕で生まれたものではなく、長い時間をかけて育み、深まっていったものだ。
noteやTwitterなどの、各SNSで日々リアクションをくれる皆さんとの繋がりも、そうして育まれてきたもの。
見えにくいけれど、そうした繋がりや信頼は、必ずそこにあるんよね。
いつも有り難うございます(*^^*)
2019年も終わりに向かっているこの時期に、改めて初心を大切にしていきたい。
そう感じた東京の日々でした。
厳しさの奥にあるのはきっと、優しさではなく甘えだ。
優しさの奥にある厳しさで、心を整えていく。
・・・読んでいただきありがとうございます!!
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