1年間、毎日15分のデザインアウトプットを続けてきたデザイナーがいま思う事
こんにちは、ジャガーです。
年の瀬ですねえ。
毎年言ってる気がしますが、1年が早すぎる!
今年も例外ではなく、あっという間の1年だった気がしますが、実は今年の1月1日にとある抱負をたてておりました。
それは、
「毎日15分、何かしらデザインアウトプットをする。」
ということ。
今年のはじめに投稿した↑の記事で詳しく書いているのですが、簡潔に言いますと、1.01の法則と0.99の法則に基づいて、1日の1%である「15分」で、気になるデザインや手法を試してみたりマネしてみたりしよう という活動を「15 minutes design」というInstagramアカウントにて年初から始めたのです。
その昔、母親がぼくに口酸っぱく言っていた「継続は力なり」を信じて、とりあえず1年間続けてきまして、投稿が365件を超えたので、このあたりで自分なりの総括をしてみようかなと。
1年間で作ったもの
まずは1年間で作ったもの、365枚をまとめてみました。
色々作ったなあ〜としみじみ。
作った時のこと全部鮮明に覚えてる不思議。
自分で言うのもなんですが、よく頑張ったのではないでしょうか。
なんだか気分が乗らない日や、仕事が忙しすぎて余裕がない日、風邪で熱っぽい日や、遅くまで飲んじゃってフラフラの日もありましたが、それでもなんとか毎日コツコツ続けてきました。(急性腸炎のときだけ1日休んだ)
イラストを描いてみたり、グラフィックっぽいことをしてみたり、3Dをイジイジしてみたり、AIを使ってみたり などなど、色んなことにチャレンジしてきたつもりではあります。
はたから見ればなんのこっちゃわからないかもしれないですが。
そんなよくわからないものを作り続けて、少なからず思ったこと・感じたことがあったので、まとめていきたいと思います。
続けて良かったこと
【インプットの量が増えた】
15分間手を動かす前に、30分ほどPinterestや書籍などを見てなんとなーく気になったデザインやアートからヒントを得ることを心がけていたので、インプットは、過去のデザイナー人生を振り返っても今年が一番多かったと思います。
アウトプット以上に大切な経験だったかもしれません。
【声をかけてくれる人が増えた】
ありがたいことに
「15 minutes design見てます!」
「私も毎日作る活動はじめました!」
というお言葉をいろんな場所でいただきました。
中にはDMをくださる方もいて、新たな出会いの場にもなったり。
こういうのは正直とても嬉しくて続けるモチベーションになっています。
【完璧主義が軽減した】
誰も求めていないのに高い目標を掲げて勝手に挫折したり、他人の評価を気にして作ったものを出せなかったり みたいなタイプだったんですが、
「15分で作る・作ったものは途中だろうが出す」
を唯一のルールとしたことで、だんだん(勝手な)脅迫めいた意識はなくなってきました。
「だって15分で作ってるんだもの!」
を心に置くことで、一歩を踏み出しやすくなった気がしています。
個人的にこの”いいわけ”はオススメです。
【継続することができた】
自分で決めたことを1年、それも休まず毎日続けたことがかつて経験としてなかったので、「継続できた」という経験自体が自分にとってはとても有益でした。
冒頭でも書いたように、昔からなかなか継続ができない人間でして。
今考えると、前述した「完璧主義」的な思考が継続を阻害していたのかなと思うのですが、考え方やコンセプトを「自分の性格に添わせる」ことで、ぼくのような人間でも継続できるという事が立証できたのではないかなと。
まとめてみると「技術的な向上」というよりも「精神的な向上」が自分の中で大きかったみたいです。
続けることで見えてきた課題・反省点
【技術的成長はそこまで】
毎日継続してきましたが、目を見張るような技術的成長があったかというとそこまでだったかな と。
・ある程度の経験があるがゆえに手クセでやりがち。
・新しい表現を模索するには15分は短い。
あたりが問題なのかもしれません。
もしかすると、もっと若くてスポンジのようなデザイナーさんであれば結果は違ったかもしれませんが、僕としては思っていたほどの技術的成長は得られなかったかなと思ってます。
【質より量にはなる】
15分というルールの性質上、継続には向いていても「質」を高めることには向いていないです。
たまーに良いアイデアを閃いたりすることもありましたがそれも稀でした。
もちろん、継続することで蓄積されるアイデアや技術・スピードが将来的に「質」になることを信じて作ってはいるのですが。
【時間の確保が難しい】
15分とはいえ、事前のインプット時間を含めるとそれなりに時間がかかることが多く。日々の業務の中でその時間を確保することはそれなりに難しかったです。
時間に余裕があるときは
「15分で何かを作る」
というマインドで臨めるのですが、時間の余裕がなくなってくると
「15分で作れる何か」
になってきてしまい、その落差に葛藤したこともありました。
まとめてみると「15分」という制約があまり良いように作用していない側面もあったように思います。
15分というのは継続にとっては不可欠な要素だと思いつつ、万能ではないのだなと。
間違った努力 でもいい気がする
続けてきたことで見えてきたこと、感じてきたことについて、ざっくりまとめてみると
「精神的向上には大きな効果があったが、技術的向上は今のところあまり感じられなかった。」
というところでしょうか。
本当のところ、この活動をはじめたころは
「1年経った頃にはなんかすごい手が早くなってて、知識もたくさんついてて、普段のデザインなんかにもバシバシフィードバックがあって、一つ上のデザイナーになってるかも!」
という淡い期待がなくもなかったのですが、残念ながらそんなに甘いものではなかったです。
そもそも、1年×15分=91.25時間くらいで驚くような成長 なんて悪徳セールスのキャッチコピーみたいなことに期待していたぼくが浅はかではあるんですが。。
じゃあどれだけ続ければ、技術的にも向上してる!という実感がでてくるんだろう?
2年?3年?もしかすると、どれだけやっても15分というルールの上では技術的向上はあまり見込めない?
なんていう不安に、実はここ数ヶ月悩んできました。
最近よく耳にするようになった「正しい努力」という言葉を聞くたびに、たぶん自分がやってるのは違うよなあ。間違った努力なのかもしれないなあ〜 と思ったり。
最近誰かがSNSにポストしていたヘルムート・シュミットというタイポグラファーの言葉。
最近読んだ糸井重里さんの本にあった言葉。
うーん。
なんだか自分の事を言われているような気になってくる。。。
たぶん僕にとっての正しい努力は
「自分のウィークポイントを見直して、それを克服するためのデザインの勉強をする」
とか
「自分のオリジナリティを追求して、考え抜いた何かを作り続ける」
とかであって、なんだかよくわからないものを毎日作り続けることではないと思います。
そういう意味でいうと、この一年「間違った努力」をしていたのかもしれません。
41歳にしてなお、とても大きな回り道をしているのかもしれません。
でも、そのおかげで少なくとも
「毎日15分は何かしら作らないとなんだか落ち着かない人」
にはなれた気がします。
そんな人を目指していたのかと聞かれると全くもってそんなわけではないのですが。
それでいい気もするのです。
しらんけど。
まとめ
1年という区切りのいいタイミングになったところで、続けるのかやめるのかを考えないとなと思っていました。
今のところ、デザイナーとしての僕に特に大きなフィードバックはないですし、やめるための理由はいくらでも思いついてしまう。。
でも、
もし間違った努力だったとしても「たかが15分」
もし何かしら結果が実ったとしたら「されど15分」
どちらに転んでも「まあ良かったかな」と思える気がしてきたので、15 minutes designは引き続き、できるところまで続けてみようかなと思っています!
最後に。
デザインだけでなく、自分の行動にいろいろ理由をつけて「こうあらねば!」と思ってしまいがちな生真面目な人にこそオススメの方法かもしれないので、もし少しでも興味が湧いたら「1日15分だけ」でも何かに向き合ってみるのもいいかもしれませんね。
ジャガーでした。