書くことの目的とはー整理と浄化
あんなに調べたり読んだり書いたりすることが好きだったのに、博士課程在学中にすっかり嫌いになって苦痛になるようになった。原因は祖母の介護が始まってうつ病になったこともあるけれど、それ以外にもある。多分それは、教授に取り敢えず今あるものをまとめて送るように言われて、それまでに調べたことなどをまとめて全部何度も送ったけれど、なんの返事もなく、いろいろ追加で送り続けた挙句、最終的に意味がわからないから読んでいないと言われたことが致命的だったと思う。
パイロットの予定でやった実験なのに学会に論文を提出するように言われて、パイロットだったので実験結果が思うように出てなくて、実験をやり直したいと何度も相談し続けて2年くらい経った。実験で思うような結果が出ないのは、実験結果で望むような結果をひねり出せない私のせいだといつも責められていた。実験のための学習要項を作り、その学習要項に沿って、デスクトップのアプリを作り実験をしたけれど、どうも学習効果が出るような実験の結果が出なかった。
その方法では、実験の結果が出ないので質問の内容を考えたり、結果的に効果があったと言う論拠が出るようにうまく調査の方法や質問の内容などを変えないと一向に結果は出ないと思っていた。
仕方がなく担当でもあった副担当の教授に相談したら、主任の先生にこっぴどく叱られた上に、相談した先生にも断られると言うことまであった。結局一人でなんとかしようと思ったけれど時間がなくて、あきらめるように告げられた。そしてかけられた言葉が「ご苦労様でした」とだった。
最悪だったのは、諦めるように言われたその場で「僕も何もしてなかったわけじゃなくて、実験結果が出るかどうかいろいろ試してみたんですけど、出なかったです。でも、研究自体はとてもいいものでこれがうまくいけば役に立つから、続けた方がいいと思います。」とのことだった。大学院生としての籍はどこにもない上に、今まで放っておかれた担当の教授が協力してくれるともまったく思えず、考えてみますと返事をしてそれから一切連絡を取っていない。
もともとアメリカで学部と修士を出た私に向かって、「アメリカの大学のレベルなんて低いのに、なんで日本でやろうなんて思ったの?」みたいなことを平気で言う先生だったし、何しろ入学したときになんで私を取ったのかという事務員さんからの質問に「いい人そうだったから」と答える先生で、在学中は事務員さんから優秀ではないいい人なだけの学生と扱われていたのも事実だ。
それから突然父が亡くなり数年後に祖母が亡くなり、とりあえずいなくなろうと思ってカナダに来て学校に行きうつ病が悪化したりなんなりしながら、コロナになりずっと一人で家にいて今年の夏、10年ぶりに毎日朝起きて夜まで起きて活動している夏を迎えている。帰国しようと思っていたけれど、日本のコロナの状態がとんでもないのでどうしようかと思っている途中に、そういえば私は書くのが楽しかったんだわとなんとなく思い出して、前ほどではないけれどなんとなく思い出したことなどを書いている。
そう言えば昔は思ったことをノートにたくさん書くことで自分の中のいろいろなことを整理して浄化して前に進んでいたなと言うことも思い出した。