食肉工場で働いた経験

「ヴィーガン」「ベジタリアン」最近よく耳にする言葉ですし、最近の若い人たちのちょっとしたブームになっていますね。※この投稿ではヴィーガンやベジタリアンについての説明は割愛させていただいています。


私はオーストラリアに住んでいますが、オーストラリアでは

・スーパーマーケットに代替え肉(大豆で作ったお肉)や豆腐などお肉を食べない人向けの商品が売られている

・レストランやカフェに行くと、メニュー表にアレルギー成分だけでなくグルテンフリー、ヴィーガン、ベジタリアン、ハラールなど食の多様化に伴い食べ物も選べる

・ヴィーガン向けの食事しかないカフェもある

といったように、移民大国であるオーストラリアは個人が食べ物を容易に選択できる社会となっています。


日本を出て3年近く経ちましたが、日本ではどうなんでしょうか?日本食って意外と動物性食品を使用していることが多いのではないかなと思います。

ラーメンはスープに魚介・豚を使用しているし、お味噌汁の出汁はカツオ、天ぷらは海老天をメインにしていたり。


シドニーにいた時、ヴィーガンの友達とご飯を食べたときのこと。

ラーメン屋さんに来たのですが、彼女は肉うどん肉なしを頼んでいて、「ラーメン屋さんだけど、ラーメンは好きじゃないの?」とうっかり聞いたら

「私宗教の関係もあってヴィーガンなの。だからスープに動物性由来のものが入っていたら食べられないんだよね。うどんは出汁とっているけど、少しくらいならいいの。肉うどんっていうメニューしかないのは嫌だけどね。うどんだけにして欲しい。」

と答え、その時職に関する知識のなかった私はびっくりしました。


他にもインドネシア出身の子は豚とアルコールが禁止だったし、知り合いの中にもベジタリアンという子もいました。ベジタリアンやヴィーガンの子たちは食に関しての知識が豊富でよくTVで報道されている過激なものとは全く違う考え方でした。

日本では身近な人にヴィーガンやベジタリアンがいなかったので関心がなく調べもしませんでしたが、世界には食に関していろいろな意見・興味のある人がいるんだと知らされました。


そして私はオーストラリアで農業をし、その後食肉工場で働くこととなりました。

工場で働こうと思ったきっかけは単に「給料がいい」「時給だから給料も休みも安定している」と思って働き始めたのですが、食に関して色々考えるようになりました。

そして工場勤務を辞めた後、私は食肉工場について発信してみたい!と思いTwitterにこのような漫画を載せました。

結局は人間の良いようにしかされていないんじゃない?と思うかも知れませんが、私たちが生きていられるのは食物連鎖があるからでもあり、生き物・自然そしてたくさんの人がいるからこそ成り立っているのではないかと思います。


ヴィーガン・ベジタリアンの動物愛護・環境・健康を考える思想はとても理にかなっており、個人的に好きです。一人一人が意識をすることで人間にも動物にも自然にも優しい環境づくりができるのです。

私は健康の側面から、食肉ってあまり良くないのではと感じ始めました。

肉やスナックを食べなかった次の日は疲れが取れていたり、お腹の調子も良かったりします。

ただ、お肉ってすごく美味しい。。。

急に辞めると言っても、生半可な気持ちじゃ辞められません。日本人にとってお魚を食べないというのも中々難しいもの。

さらに食肉工場で働いていた私にとって、せっかくスタッフが手の痛い中綺麗にスライスして、顧客に喜んでもらおうと頑張った証。それを無下にはできないと思うんです。

だから私は食事をいただくとき、こういう風にしようと決めました。

・食事をするときは、ありがたくいただく。お肉、お魚だけでなく野菜・果物も生産者の方が丹精込めて作っていることを忘れずに。

・余分な分の食品は購入しない。廃棄食品が多いというのもまた問題。

・健康に関しては、お肉を食べる時に必ず野菜もつける。


ヴィーガンやベジタリアンになりたいけど、お肉を我慢できない人へ。

あなたがどのようなヴィーガン・ベジタリアンを目指しているのかにもよると思いますが、無理してストイックに目指すのではなく、少しずつからでも良いんだよと言いたいです。

例えば、お肉やお魚を食べる頻度を減らす(週に1回にする)、ありがたくゆっくり食べる、野菜を多めに摂る、代替え肉や豆腐・蒟蒻などお肉に似たようなものを工夫して食べるなど。

食べる頻度を減らしていき、それでお肉がなくても大丈夫なんだと思ったら辞めていけば良いだろうし、友達と一緒に食事をしている時だけお肉をOKにするなど独自のルールを作ってもOKだと思います。

誰かが作ったルールに乗っかっても良いし、独自でルールを作っても良い。

根底にある自分の意見を持ち合わせていれば良いんじゃないかと思います。


いかがでしたでしょうか?

この投稿では食肉工場で働いてみて、食に対する思いがどの様になったのかを書きました。今後もありがたく食事をいただきます。すべての人に感謝して。

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