僕が人間として産まれて良かったと思うことは色に出会えた事
色って凄くいい。世界中には僕が知らない色が沢山ある。そしてその色をふんだんに使った絵画はもっと好き。
昔は如何に本物の様に模写するか、まるで写真の様な絵に惹かれた時があった。よりリアルに、よりスムーズな配色で、誰が見ても美しいとされる絵こそが、最高傑作だと思っていた。
だけど今は、素敵な配色だったり、調色の仕方だったり、まさかここにこの色を入れるの!?っていう絵に惹かれてしまう。
それはもう上手いとか下手とか関係なしに、色の綺麗さに先ず感動してしまうんだ。
僕も一枚の絵を描くときに、兎に角沢山の色を使う。びっくりするほど絵を取り出して、沢山調色して、影の表現や光の表現を、敢えてこの色で描いたら面白いのではないか?と考えている時が幸せなのだ。
特に下地の色に先ず濃い影の色を塗っておいて、薄い色を重ねていくと、下地のある部分と、ない部分で微妙に色が違っている。奥行きが出来たり、凹凸が出来たり、たったそれだけでも、絵の表現力が大きく変わる。
僕はあまり触れてないけど、水彩画等では良く使われるテクニックで、顔の影や、建物の肌の表現等、よーく作品を眺めていると、細かな下地の表現のお陰で絵が際立っている事に気がつく。
その技法に気がついてから、兎に角僕は一枚の絵を眺める事が多くなった。そしてその一枚の絵から、沢山の情報が隠されていて、その度に僕は感動してしまうのだ。
それは絵画の世界だけじゃなくても、現実世界、外の景色等を見ていてもそう。無数の色が目の前広がって、それらが全て役割を果たして、食べ物を美味しそうだと感じたり、綺麗な景色だと感じられる。
多くの作品を眺めて、触れていく中で、僕は色の素晴らしさに気がつき、そしてその美しさを再確認出来た。そしてこの世界に沢山の色がある様に、この地球上に存在する多くの生き物達等を見ても、そのどれもが地球にとって大事な色であると。
個々では一つの色であっても、重なり合えば大きな色に変わる。時に違う色同士が交われば、新たな色が産まれる。それらは時に人々の固定概念を壊していくこともある。だけどその一つの新たな色が、新しい世界を彩る色になるのならば、それほど美しい物はないと言えるだろう。
そして改めて僕は思う。僕は人間としてこの世に生を受けた最大のメリット。
無数の美しい色たちに出会えた事。
僕はそれが何よりも、心地が良くて、僕の心を動かしている。
そしてこれからも、沢山の色に触れて、一つ一つの色に感動していきたい。
明日はどんな色が見えるだろうか?どんな色に出会えるだろうか…。
僕はそれが楽しみで仕方がない…
P.S 最近特に好きなのは、水彩絵の具の分離色。水を増やして塗ると、元の色が分離していく。どう分離するかは、その時の水の量によって変わる。
誰もどうなるか予想できないから難しいけれど、それが奥深くて美しい!
この絵の具を使って描かれた絵画が最近特にお気に入りです!
ああ僕もこういう絵の具で素敵な一枚を描ける様になれたら良いのになぁー!
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