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ある時僕は目を閉じると物凄い光景が浮かんで来た時の話し

恐らく2年くらい前のこと。
母が急に入院し、家に帰って夕食をとった後
スマホでネットを見ていたんだ。

「これからは風の時代。」

この大きな見出しに目を奪われ、吸い寄せられる様に指を動かしていた。
これから、時代が変わる。
何でもなれる時代。物質的思考から精神的思考へと移り変わり、今までの常識すべてが変わっていくといった内容だった。
僕は以前から、何となく道行く人々に対して少し違和感を感じ始めていた。
何処となく地に足がをつかない様な、ふわふわとしたような雰囲気。そして何かに思い詰め、何かに心が救われない様な雰囲気を強く感じていたんだ。
それは何者なのか?その実態すらも掴めなく
ただその闇に囚われているような。

何か物事が変わる瞬間は身体が重くなっていくのを感じる。
丁度冬から春へと変わる時期のように
身体がイマイチそれに適応しておらず、徐々に身体を馴染ませようとするので、何処か気だるいそんな変な感覚に近い感じがする。

僕は風の時代。という文章を読んで

「これからどうなって行くのだろうか?」

と目を軽く閉じてイメージしてみた。
ふと目の前に大空が現れた。
そして僕は自然とポジティブな物をイメージする

「きっと物事が良くなり、楽しいことが増えて」
「どんな事でも出来る、素晴らしい時代がやってくるのだ。」

そう考え始めると、その大空に丁度大人一人が深く入れる様なバスタブが現れた。
そしてその中には水が注がれ、綺麗な花びらがプカプカと浮き始めた。

「なんだこの光景は?」

僕は突然の事に驚いたが、それと同時に

「ただいいことばかりではない」
「時代が変わったら起きる問題も増えていくだろう。」

そうイメージした瞬間。
今までの青空が嘘の様に、銀色の雲に覆われ
空は暗闇に包まれてしまった。
そして何よりも驚いたのは、バスタブの中には大量の人間の臓器がいっぱいになり、大量の血で溢れ出し沸騰し始めたんだ。

僕はゾッとしポジティブな考えに変えようとした時、また先程の綺麗な青空に戻り、バスタブの中には綺麗な水と花びらが浮かんでいた。

夢ではない。しっかりと意識はあった
目もしっかりと冴えていた。
ただあの時僕の瞼の裏に見えた景色はハッキリと鮮明に覚えている。
それこそ1mも満たない距離ではっきりと見たものを忘れるわけがない。
それと何よりも凄いのが(これから少し気持ち悪い話しをします)それを見ている間、頭の脳細胞がピクピクといきなり脈打ち始め、脳が凄まじく活性している感じがした。
それが次第に大きくなり頭の中がくすぐったいそんな感じ。おかしな物を見て、おかしな状況になってみて

その時に、はっとした。

そうだ世の中は自分の考え方次第でどうにもなる
この世の中には自分にとって悪いことはないのだと実感した。
物事は作られているのではなく、自分という創造主が作り出している。
正しく考え方次第では善にも悪にも簡単に変わるということなんだと腑に落ちた。
基本的には前向きだがそれと同時に後ろ向きにもなる僕。
そんなアンバランスな性格ゆえ、良いことも悪いことも経験してきた。

ただ1つ言えることと言えば
今までの常識は壊され
腕っぷしの強さだけではこれから渡り歩いていけなくなる時代。
それはなにか、小さい者であっても強くなれる時代。
大きな何物になれなくても、目に見えて大きな成果を成し遂げなくても、何かにとって貢献できる
自分の考え方次第で時代をも変えていける、そんなパワーがこれからの時代にはあるのだと思った

それこそ風のように、ふわ~っと吹き付ける風の様にどこから流れて、気がつけば抜けていく
そんな人間になれる時代がやって来るんだ。

僕はあの時の経験を何故か今思い出して
丁度憂鬱な僕の心を支えてくれたのかもしれない

「風の時代」

きっとこれからの世代
面白いことが沢山起こるはずだ
どこゆく風、どこへ向かう風
ただそこに立ち、僕はその風を全身で感じていたいんだ。

ただそれだけでいいと思える。

何も考えない
何も囚われない

答えは全て風が運んでくれる

僕たちはその風の音に耳を傾けていよう
それだけで十分なんだ…


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