葛飾北斎を動かしてみた 【Who We Are?】モーションデザイナー 松本
Weメンバーの人となりやクリエイティブの原点を聞くことで、よりWeのことを深く知ってもらう【Who We Are?】。第二回はモーションデザイナー 松本に「葛飾北斎」の「富嶽三十六景」を動かすモーショングラフィックスのシリーズについて話を聞きました。動かしすぎないモーションとは?逆リファレンスとは?分をわきまえた演出とは?
ーWeに入ったきっかけは?
もともとはMVなどをつくっている映像制作会社にいたんですが、インスタのストーリーズで募集広告を見て、当時そういう会社はほぼなかったので、『おもしろいことやってるな〜』と興味を持ったのがきっかけでした。
うごく日本画
ーモーショングラフィックスと聞くと、たくさんの字や図が、なめらかに、めまぐるしく動くようなイメージがありますが、これはとても絵画的というか、さりげない動きですね
まさにそこを狙いました。絵画のように眺めていたくなる作品にしたくて。例えばニューヨークの高級和食レストランとか、そういう場所で掲示されることを想定して、海外でも人気の北斎の絵を動かしてみようと。
ーあくまで絵が主役で、元の絵にピークが来るように、時間軸を表現しているのが興味深いです
もともと「赤富士」は、太陽に照らされて赤く染まった富士山の美しさを表現したもの。その絵がいちばんよく見えるようなモーションを考えた時に、暗い夜から、朝の光がだんだん見えてくる「夜明け」を時間軸で描くことにしました。
ーここまでさりげない表現にしようと思った理由は?
あくまで主役は絵なので、分をわきまえた表現といいますか(笑)原作へのリスペクトがある上で、時間軸を拡張することで、より豊かに作品を鑑賞できるといいなと考えて。ぼーっと眺めていたくなるものを目指しました。
ー参考にした作品やリファレンスはありますか?
逆に、今ある表現をたくさん見て、そこにかぶらないものを追求しました。そうすると今のような、とても静かな動きのものになりましたね。
スマホから目を離す豊かさ
ーこちらも、抑制の聞いた表現ですね
最初は背景の富士山を動かしたりもしていたんですが、いろいろと検証して、この形に落ち着きました。波の速度や動かし方が自然に見えるように、ある程度のランダムさを出したりと「工夫の過程」がなるべく見えないようにしています。
ー引き算の美学というか、贅沢なものを感じます
今の時代、映像への接し方はどんどん変化していて、情報を効率的に摂取するため倍速で視聴したりと、忙しい視聴態度・環境になっています。そんな中で、スマホから一時でも目を離して、ループする絵画を眺めてもらえたら、とても豊かな時間になるのでは、と思いました。
無駄を楽しむ表現をつくりたい
ー次につくりたいものは?
もちろん、このシリーズの続きもつくりたいです。そのほかにも、無駄を楽しむような、効率的でないもの、寄り道を楽しめるもの、そんな、豊かさを感じられる表現をしていきたいと思っています。
ー発表の場について理想の形はありますか?
もともとは、NFTアートとしての販売を考えていたのですが、今はそれよりも、レストランや、公共の場など、多くの人の目にとまり、忙しさを忘れて眺めてもらえるような、そういう場所での発表がいいですね。
ーこの文章を読んだレストランの方、街づくり担当の方、ご連絡をお待ちしています(笑)本日はありがとうございました!
ありがとうございました!
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