雨の日と抹茶スコーン
外は雨。私は午後休。予定はリスケ。どうしようかな、何しようかな、と考える。在宅勤務なので、家にいても休みモードにならなくて。「休日感」を欲する体になってしまった。
ちょっと外に出たら、リネンパンツの裾が一瞬で雨に染まった。どうやら今は、雨足のピークらしい。(最近、雨雲レーダーをチェックするという技を身につけた)
部屋の電気を暖色系に切り替えて、ちょっとでも落ち着いた雰囲気を演出してみる。横になってうとうとしたり、起き上がってパソコン作業をしたりして時間を過ごす。
ふと窓を見ると、雨粒が張り付いている。地面に目をやると、水たまりに落ちる粒の勢いが弱まっているような気がする。いまだ!と、すかさず家を出る。リネンパンツの裾は、じわじわと雨に染まっているけど、なんとか耐えられそう。
歩いて、まだ行ったことのないカフェに来てみた。雨の日は遠出をするのに躊躇するから、実は近くに目を向けるいい機会だったりする。
窓際の席に座ってみる。窓に張り付く雨粒越しに外を眺める。晴れの日には見ることができないフィルターがかかっているよう。
悩みに悩んで、季節のスコーンを注文。「季節の」とか「期間限定」があると思わず頼んでしまう日本人の性。いや、人間の性?
この性のおかげで、美味しい抹茶スコーンに出会えた。
外は、相変わらず雨。でも、気分はノット雨模様。この天気だからか、平日だからか、他にお客さんはいない。静かな店で雨音をBGMに美味しいものを食べる。この上ない贅沢をひとり占めした気分。
本を読んだり景色を見たりして過ごしていたら、お店の閉店時間が近づいていた。お店で売っていたはちみつを買うか5分ほど悩んで、一旦保留に。美味しかったと店員さんに感謝を伝えて外に出ると、雨は弱まっていた。
「ラッキー」と自分の運を持ち上げながら、歩き始める。
カメラを構えるのって、晴れの日が多い。だから、雨の日の写真って貴重な感じがして好き。雨だからこの写真撮れたんだなあ、って思えるのも良い。
梅雨が戻ってきたような天気に、紫陽花もなんだか嬉しそうに見える。
雨の日、普段見落としがちな近くの良さに気づける良い機会かもしれない。灯台下暗しってやつ。
雨だからこその楽しみ、意外とまだ近くにあるかもしれない。