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幻獣戦争 2章 2-4 英雄の役割⑤
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幻獣戦争 英雄の役割⑤
俺達は隠岐の島那久市街地から山沿いに飛行。霞の咄嗟の判断と朱雀の射撃で学習したのか、黒いオーガ型幻獣は、光線による長距離射撃を止めこちらに進撃を開始。俺達に対応するためか、新たな幻獣が黒い幻獣の周りに出現。数分後には、大隊規模に増殖したオーガ型幻獣集団は、主力部隊が居た市街地から真っすぐ俺達に向け侵攻を開始する。
「接敵は旧亀の原水鳥公園のなりそうですね」
編隊飛行維持しながら一樹が無線上で問いかけてきた。コックピットモニターに映る戦域図を確認すると、今の飛行速度を維持すると、丁度その近辺で接敵することになるみたいだな……
「のようだな――二手に別れよう。俺はこのまま迂回して黒い幻獣に接近する」
俺はそう答え無線上で4人に指示する。
「了解。こちらは取り巻きを殲滅しながら接敵します」
普段なら一樹が答えそうな言葉を霞が無線上で応じる。
「はっはっは。真那さん、貴方が言ったんですからね」
セリフを奪われた一樹は、笑いながら遠回しに咎めるように無線上で真那に言う。
「えっ? これ私が謝らないとだめなの?」
唐突にそう言われ真那は無線上で戸惑いを隠せないでいた。
「霞、しばらく頼むぞ」
俺は無線越しに述べ、高度を落として4機と別れ機体速度を引き上げる。
4機もこちらとの距離をとり、朱雀の荷電粒子砲を皮切りに接近する幻獣集団へ邀撃を開始。
黒いオーガ型幻獣の取り巻きが即応。黒いオーガ型幻獣から離れ4機へ群がっていく。取り巻きとの間に距離ができ、俺はそのまま真っすぐ黒い幻獣に突撃する。黒いオーガ型幻獣もそれに気づきこちらに向かってきた。やがて、コックピットモニター越しに視認できる距離まで接近すると、黒いオーガ型幻獣は飛行している俺に向かって口を空ける――すかさず俺は電磁加速砲を黒い幻獣に見舞う。弾は黒い幻獣の口に直撃、炸裂する。
機体を着地させ、電磁加速砲を構えたまま相手の出方を待つ。戦域図では依然相手の反応は消えていない。別れた4機は取り巻き達をとてつもない勢いで撃破しているようで、幻獣反応がみるみる消失している。博士の兵装はやはりすごいな……と、俺が見せた隙を埋めるように黒いオーガ型幻獣は、巻き上がっている土煙の中から生体ミサイルを放ってきた!
俺は楯を構え、横に回避しながらミサイルを電磁加速砲で迎撃する。ミサイルが爆散し再び衝撃波と土煙が舞う。それを見越してか、さらに土煙の中から黒いオーガ型幻獣は肩部のランチャーを射撃する。
俺は楯でランチャーの砲弾を防ぎつつ視界が晴れるのを待つ。しかし、その間もなく黒いオーガ型幻獣は土煙の中から一足で間合いを詰め、自慢の斧を振りかざしてきた!
――不味い!
俺は咄嗟に黒いオーガ型幻獣に突撃して振りかぶっている腕を楯で抑え込む。
黒いオーガ型幻獣と肉薄する……長刀を抜くタイミングがない。
黒いオーガ型幻獣の膂力が凄まじく、徐々に楯が押し込まれ始め、俺が動けないと思ったのか黒いオーガ型幻獣は口を空ける。
光線を放つ気だ! 俺は咄嗟に電磁加速砲を口に向け射撃する。口に充填されていたエネルギーに弾が反応して至近で爆発が起こる。
俺は衝撃に身を任せ後方に距離をとりつつ機体のステータスを確認する。至近での爆発だ。多少ダメージはあるだろう。そう思ったが意外にも機体にダメージはなく電磁加速砲が壊れただけだった。
俺は壊れた電磁加速砲を投げ捨て長刀を抜き構える。
黒いオーガ型幻獣は一振りで土煙を払い、何事もなかったように悠然と斧を構える。
――隙がない。
おまけに驚異的な防御力だ。長刀で切り伏せられるか? 俺は楯も捨て両手で長刀を右斜め上段に構え直す。どういうわけか、黒いオーガ型幻獣も応じるように斧を振りかぶり上段に構える。外見にはコアらしき部分が見当たらない。恐らく、内蔵して隠しているのだろう。
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次回に続く
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