【顎関節】咀嚼筋の神経支配と筋膜のつながり

咀嚼筋は、主に下顎骨の動きを制御し、食べ物を噛み砕くための重要な筋群です。以下、咀嚼筋の神経支配、「アナトミー・トレイン(Anatomy Trains)」での筋膜のつながりについて述べていきます。

1. 咀嚼筋の神経支配

咀嚼筋は、全て三叉神経(第V脳神経)の一部である下顎神経(V3)によって支配されています。

具体的な咀嚼筋とその神経支配は以下の通りです。

①咬筋
下顎神経の咬筋枝が支配し、下顎を挙上(閉口)させる強力な筋肉です。

②側頭筋
側頭筋も下顎神経によって支配され、前部繊維が下顎を挙上、後部繊維が下顎を後退させる役割を持ちます。

③内側翼突筋
下顎神経の内側翼突筋枝に支配され、下顎を挙上させる作用を持つと同時に、下顎を前方および左右に動かす働きもあります。

④外側翼突筋
下顎神経の外側翼突筋枝に支配され、下顎を前方へ引き出し(開口)、側方運動を助ける筋です。

2. 筋膜の連結

筋膜は各筋肉を包み込み、隣接する筋肉や構造を結合させ、機能的なつながりを形成しています。咀嚼筋も例外ではなく、周囲の筋膜との連結によって多くの機能的な関連があります。


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