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どうすれば笑って昨日を歌っていけるのか

最近、『イエスタデイをうたって』というアニメがお気に入りです。

ちなみに原作の漫画は読んだことがありません。

そのアニメの第6話まで観終わったいま、感じたことをnoteに書いてみようと思いました。


予備知識なしに『イエスタデイをうたって』と聞くと、もしかしたらザ・ビートルズの、あの名曲を連想するかもしれませんね。

わたしの場合は、悶々とする日々から新たな一歩を踏み出そうとする物語なのかな、という印象を持ちました。


実際、物語はそんな印象どおりのような気がします。原作を読んだことがないですしアニメも6話までしか観ていませんけど、主人公をはじめ、いろんな登場人物たちの《明日への一歩》が描かれているのでしょう。


昨日までのことを歌える、ということは、明日へ踏み出している証拠。

わたしにもそんな似たような経験があります。


わたしは40歳を迎え、会社員を辞めたころ、とても悶々とした日々を過ごしていました。

せっかく独立してフリーランスになったものの、来る日も来る日もWi-Fiの使えるカフェで孤独を感じながら働いていたものです。

カフェでは隣席と気軽におしゃべりできるわけでもなく、そんな働き方を続けていたらアイデアも枯渇していき、仕事が行き詰まっていきました。

そんなときにたまたまTwitterで見つけた《コワーキング》という文字。止まっていた時計の針が動き始めました。

その後いろいろあって全国のコワーキングスペースをめぐる旅が始まり、各地での出会いと共感と展開から、働き方だけでなく生き方も変わり...。

いまでは「ギルドハウス十日町」という名前の住まいを設立して、そこで《ソーシャルな隠居》という生き方に挑戦中です。


いまでは“昨日”のような過去の日々を、こうしてnoteで歌うようにつづっていけるようになりました。


─── どうすれば昨日を歌っていけるのか。


それはたぶん、一歩を踏み出すかどうかなのでしょう。

コミュニケーション能力やら人脈やらお金やら、いろいろあれこれ必要だから事前に準備しないと踏み出せないなんて...わたしから言わせれば40歳のとき何もありませんでしたよ。必要なものというのは、一歩を踏み出してからそのつど試行錯誤をして、あとから必然的に備わっていきました。


じゃあ、どうすれば一歩を踏み出せるのか。

不安とともに、何もない時間を、しばらく過ごしてみたらどうでしょうか。

ギルドハウス十日町は、そういう時間を提供できる場所です。


ところで、『イエスタデイをうたって』というアニメは、そもそも原作者がそういう作風みたいですけど、デッサン風の作画になっていますね。それがまるで昨日までのいろいろあった日々を歌のように美しく際立たさせているようです。

あと、原作者は『冬目景』(とうめ けい)さん。

悶々としていた過去の日々は、もちろん春・夏・秋・冬いずれも経験していたはずなのに、いつもどこかに“冬”を感じさせるところがありました。

それと劇中の登場人物たちの“目”から感じとれる気持ち...ふと飛び込んでくる情“景”。いずれも印象的で、勝手ながら原作者のお名前からそんなことを思いました。


ちなみに、ヒロインのひとりがわたしと同じ「ハル」という名前なのが余計に親近感を覚えますね。

アニメの登場人物たちは、それぞれの悶々とした日々からどんな明日へ踏み出していくのか。エンディングの曲も毎回いい余韻を味わわせてくれます。

...原作も読んでみたいな。


というわけで。

死ぬときに、それまでの昨日がよかったと笑って歌えるよう、これからもソーシャルな隠居を、ながく楽しくゆるやかにやっていきます。

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西村 治久《ソーシャルな隠居》
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