ジャニーズ事務所からデビューした男性アイドルグループ「少年隊」の影響について
『少年隊』は、1985年にジャニーズ事務所からデビューした3人組の男性アイドルグループ。当初は4人組で結成されたが、デビューする前にメンバーが1人脱退したため、3人組体制となった。1980年代後半に日本のみならず、韓国・台湾・香港などのアジアでも人気を博した。また少年隊が発表した楽曲はカラオケの定番曲として現在でも人気がある。
グループ名である「少年隊」は、当時まだ20〜30人しか居なかったジャニーズ事務所の研修生であるジャニーズJr.に対する総称だった。その研修生の中でAチームとBチームに分かれており、錦織一清、植草克秀、東山紀之の3人はBチームと呼ばれ活動していた。ちなみにAチームの方は布川敏和、本木雅弘、薬丸裕英の3人で後にシブがき隊としてデビューするメンバーであった。そしてそのBチームがジャニーズ少年隊という名前になり、最終的にジャニーズ少年隊を短縮して少年隊と名付けられた。そんな彼らは次世代のアイドルにも大きな影響を与えた。
まず韓国歌謡界では1980年代後半に演歌事務所(主にトロット歌手を育成していた芸能会社)から初のアイドルグループとして「消防車」が登場した。当時、ハンバッ企画でトロット歌手であるテ・ジナのマネージャーを担当しながら専務理事として働いていたイ・ホヨンが少年隊の「3人組で歌って踊れる若いポップス歌手」というコンセプトをベンチマークして消防車をヒットさせた。以後、韓国ではヒョン・ジニョンとワワ、ソテジワアイドゥル、R.efなど3人組で歌って踊れる歌手がたくさんデビューした。そして同時期には台湾でも3人組の男性アイドルグループ「小虎隊」が結成され、実際に少年隊の楽曲「What’s your name?」のカバー曲でデビューし、一世を風靡する。またその他にも韓国では「世代交代」や「第3世代」、香港でも「草蜢」といったアイドルが活躍していたが、こちらはたまたま3人組で活動していただけで少年隊から直接的な影響を受けたグループではない。
一方で日本側では少年隊と同じジャニーズ事務所に所属する後輩グループだけでなく、他の芸能事務所からデビューした男性アイドルにも僅かな影響を与えた。ジャニーズ事務所では田原俊彦が32枚目のシングル「抱きしめてTONIGHT」でバックダンサーと共に3人体制で歌って踊るパフォーマンスを披露。そして光GENJI、忍者、V6、A.B.C-Zなどもアクロバットで激しい振り付けを踊り、人気を得るなど少年隊の路線を受け継いだ面が見られる。ライジングプロダクションからデビューしたw-inds. は、「歌って踊れる3人組&少年コンセプトの男性アイドルグループ」・「優れた歌とダンスを武器に活躍する実力派アイドルグループ」として少年隊に近いポジションだと見ることも出来る。クイズバラエティ番組「クイズ!ヘキサゴンII」から誕生した3人組の男性アイドルユニットである羞恥心は、番組の司会者だった島田紳助がプロデュースを担当し、少年隊をイメージして羞恥心を作ったという。