【ネタバレ感想】「スオミの話をしよう」結局記憶に残っているのはあのフレーズ
三谷幸喜作品には、肌に合うときと合わないときがある。
一番好きな映画作品は「ラヂオの時間」。
何度観ても、同じところで笑ってしまう。
そんなこんなで先日公開された「スオミの話をしよう」を観てきました。
相変わらずのネタバレ感想です。
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頭に残っているのは「ヘルシンキ」の音程
登場人物が豪華で、誰が印象に残るかな~と思いながら観ましたが、観たあと1週間経っても覚えているのは「ヘ~ルシンキ ヘルシンキ~♪」というあの音程だけ。
じゃあ面白くなかったのか?というと、そうでもなく。
長澤まさみの多重人格?演技が圧巻
スオミが行方不明になり、すわ誘拐事件かと5人(元夫4人と現夫)の男(+数名)が駆けずり回る中で、実は自作自演だったとことが発覚。その事情聴取?の際のスオミ=長澤まさみが圧巻でした。
ちょっとMっ気がある1番目の夫・遠藤憲一と話すときは気も口調も強い女性を、型にハメたかるような、ちょっと潔癖なところがある4番目の夫・西島秀俊と話すときは、何もできない、声の小さな女性…といった感じで、男性それぞれに合わせてコロコロとキャラクターを変えている(しかもそのスピードが速い)様子はどこかコミカルで、でもそうでしか生きられなかった悲哀もちょっと感じられたりして、「な、長澤まさみってすげ~」と語彙力なく感心したのでした。
大注目俳優「戸塚純貴」が面白い
最近、ドラマに出ずっぱりの戸塚純貴。「虎に翼」の轟役とか、話題になっていたのを横目に、実際に演技を目の当たりにするのは初めてでしたが、とっても面白かった!エンディングで「5.5人目」とあったのがとっても可哀想だったけど、逆にそれもまたゲラゲラ笑える要素でした。これからもっとちゃんと追いかけようと思った次第です。
宮澤エマが最高すぎた
長澤まさみも良かったのですが、「鎌倉殿の13人」のときにファンになった宮澤エマもこれまた最高でした。胡散臭いキャラクターを、あれだけ胡散臭く、けれどもくどくなく演じられるのは、今の若手俳優の中でも群を抜いているのでは(私が知らないだけかもですが)。
最終的に明かされた肩書も、「本当~?」と怪しく思ってしまいましたが、これからもきっとスオミを表から裏からサポートするのでしょう。そして、最終的に老後に一緒に暮らすのは、彼女なんじゃないかなと思いました。
そういう友達、いいですよね。
ストーリーは賛否両論?
SNSなどを見ていると、「面白かった」「つまらなかった」の両極端の意見で分かれていました。後者の意見がちょっと目立っていたかも…。
私も、「鎌倉殿の13人」からの本作だったので、明るめエンターテインメント、しかも最後は謎のミュージカルで、種明かしされない謎の「ヘルシンキ」。くだらなさを感じる人もそりゃ多いだろうな…と思いますが、でもエンタメ作品としては良い作品だったんじゃないかな?というのが私見です。
それぞれの夫のキャラクターが面白くて、怪しいYouTuberも松坂桃李なんて、なんでこんな人と結婚したん!?となったけど、実は一番スオミが素でいられたのかな?と思ったり、スオミのことに思いを馳せると、単なる笑いだけでは済まされなくなってくる感じがするし、「ヘルシンキ」もこれだけ頭に残らせたら成功だろうな、と。
つまらなかった、という意見も参考になりました。人によって異なる受け取り方は、勉強になります(私が単純すぎるので)。
三谷幸喜作品だからってすべてが面白いとは限らない。当たり前です。
古畑任三郎も、たまには「?」という回もありました。
(私が好きなのは古物商のときの回です。)
これからも作品を追いかけながら、好きな三谷作品を見つけていきたいと思います。
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