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【教育をめぐるかおるの旅おわり】

2023年度、大学院を休学し日本のいろんなところを渡り歩いた。
海外へも飛び出し、とにかく教育を追い求めた。

そんな1年間が無事に終わりました。
たくさんの応援してくださった方々、旅先で出会ってくれた方々、本当にありがとうございました。「もう終わりなの!?」という声も聞こえてきていますが、私の目的は旅をすることではなく、教育をもっと知ることだったので、自分の目標はひとまず達成できたように感じています。

日本一周と謳いながら、日本全ての都道府県を回ることはしませんでしたが、それでも多くの方に出会い、いろんな教育を見ることができました。そして、この旅は細く長く自分の人生に沿うように続いていくものだと感じています。

ここでは一年の振り返りを。
気持ちや考えの変化を振り返りながら、今は何を考えているのか、次にどこに向かって進んでいくのかを書き記していこうと思います。


2023年度をざっと振り返ってみる

April🌸

大きなバックパックを持って旅をスタートしました。これまでやってきた活動や取り組みを一度手放し、一人暮らしの家を手放し、バイトやボランティアを辞めて、身軽になった4月でした。

屋久島から始まり、福岡へと移動したおぼつかない旅の始まり。

May🎏

5月の最初にかけて、自分の夢を否定されていると感じる出会いがいくつも重なり、ひとりぼっち自分の夢を語ることを恐れていた自分がいました。

思いだけが一丁前にあり、でも経験も実績も何もない自分。
「何者でもない自分」が教育を語ることが初めて怖くなった5月の最初でした。

その後は、国づくりフェスに参加しました。
どんな夢も盛大の拍手で受け止めてくれる仲間の存在に励まされ、
「自分の夢をちゃんと言葉にし続ける」ことを決めました。

国づくりフェスのあとは、広島をゆっくりと巡り、広島だけで5箇所ほどの学校を見学させていただきました。

そして人生初めてのヒッチハイク。怖さと不安に溢れていた私に待っていたのは、乗せてくれた方々の温かさでした。

「人とのつながりの中で生きる」を体現したい。
何にも属していない「一人の自分」が身軽なまま、裸のまま、人とのつながりに支えられて生きるとは、どんな景色なんだろう。と思っていた私の心にその答えが見つかり始めるきっかけでもありました。

そして、徳島へ。
徳島でもいろんなタイミングや奇跡が重なり、この旅のキーパーソンともなる「らんぼうさん」に出会いました。

「自分にしかできないことをしたい!新しくて最高に面白いものを作りたい!」という思いが、初めて安心した心からポロリと出てきた。

弱気になり、自分の小ささを感じすぎていた私の思いが再び前を向き、ワクワクにあふれた1日でした。

と、思ったのも束の間。

山道を転げ落ち、足首の靭帯を3本負傷。膝から下は全部真っ青。痛すぎて全く身動きが取れない。最悪だ、、どうしよう。

と思う暇もなく「松葉杖作ろう!!!!」

何だそれ最高に面白くて楽しい!

と、一緒に山に登っていた、ものづくりの師匠たち二人と一緒に松葉杖を作り、二日後には徳島を脱出。

愛媛に移動して、道後温泉の近くのゲストハウスに2週間泊まりながら、温泉に入ったり、外国からくるたくさんのゲストと友達になったり、地域のみんなでバーベキューをしたり。いろんな人にお出かけに連れて行ってもらって、とにかく楽しい2週間でした。

愛媛は第2の故郷だと思っています。早く、また、帰りたいなぁ。

そんなこんなで怒涛の5月が終了。

June🌂

6月は愛媛のフリースクールを周り、その後は香川へと進んだ。

広島に引き続き、香川で2度目の田植え。
紫に腫れた足で泥の中に入り、手植えで苗を植えたのは本当に楽しかった。

そうか、本質は「暮らし」なんだな。を心の芯で感じた日でした。

高松でもヒッチハイクに始まり、すごい出会いがあったな。
高松で出会った大人たちは、ただひたすらカッコよかった。
特に何かが優れているとか、すごいことをしているとかではなく、なんか生き様に粘り強さと汗臭さとひたむきさがあって。心にグッと刺さった。

香川ではみんな、うどん食べさせてくれたなぁ。嬉しかったし、美味しかった。
ヒッチハイクをすると、旅をすると、いろんな人と食卓を囲む日々になる。それがすごく不思議で、でも嬉しくて幸せで、私はどこにいても私だと思えた時間でした。

その後は廃校教育キャンプのために福岡へ移動しました。
このヒッチハイクも面白かった。広島で拾ってくれた社長さん、本当にありがとうございました。夜中まで語り合った全てが楽しく、いただいた5万円を本当に本当に、大事にしています。

廃校キャンプを終えた後はしばらく福岡にいました。何をするでもなくのんびりと福岡で暮らしてた。

July🌥

初めてのお話会を福岡で開催しました。
いろんな方が話を聞きにきてくれて嬉しかった。
らんぼうさんの一言から始まり、友人に手伝ってもらってのお話会。
心温かく貴重なものになりました。

そして、暑すぎる福岡を後に、北海道へ。
飛行機でビューンと飛んで、大学の先輩と合流。

北海道を1週間かけて、教育をめぐりました。
ここでも、いろんな人に出会い、いろんな幼稚園や森の幼稚園にお邪魔して、とても貴重で印象的な1週間でした。

先輩と解散してからも、私は何となく北海道をふらふら。
札幌と旭川を結局2往復して、これまた色んな人に出会った。

旭川で、2回目のお話会をさせていただきました。

ひろーい北海道の中をあちこち車で運んでくださったり、みんなでアイスやラーメンを食べたり、ドーナツ作ったり、羊たちと過ごしたり、楽しかったなぁ。

北海道でもいろんな居場所やフリースクールにお世話になりました。

白老での時間もゆったりと、幸せで。
その後の早来こどもえんも最高に面白かった。

フェリー乗り場まで、ヒッチハイクで送ってもらって、フェリー乗り場で仲良くなったご夫妻も、これまた面白かった。

青森に着いた後にも面白い出会いがあり、その人たちと共に岩手へ。

岩手にいる恩師へ会いに訪ねました。

そして、栃木まで南下。少しのんびりして、那須にある非電化工房との出会いもあり、千葉に一度戻ってきました。


August☀️

8月は主に千葉で、お話会を3回開催しました。
色んなイベントに参加したり、運営したり、千葉や東京で面白い1ヶ月をすごしました。

海外へ行くことを決め、パスポートの手続きをして、飛行機をとって。

そして再び、鳥取に向けて旅を再開。

8月の最後に、島流しキャンプに参加しました。
隠岐島で、大自然と島の温かいみなさんに囲まれて、不登校の子どもと親と過ごす4日間。

みんなの笑顔が溢れ出し、その笑顔がそれぞれの心を揺さぶった4日間でした。
濃く、深く、温かかった。

隠岐島の後は、海士町に移動し、みんなで野宿をしました。
好きあらば海に飛び込む彼らの姿に、私の心も勝手に緩んだっけな。


September🌿

9月は鳥取に移動しました。

何だか、人よりも自然と過ごしたい。

今は一周回って教育が考えたくないんだ。みたいなことを言ってたっけ。
そんなこんなで、鳥取で農業の手伝いをさせていただくことに。

1泊しようと思っていた私だったけど、結局10日間も長期滞在してしまいました。

鳥取の生活には、新しい発見や問いが溢れていて。
自分の中にある考えを一度全部、ぶち壊したいと思った。否定されて、否定された上に自分の新しい考え方が生まれることにワクワクしていた。

鳥取の後は、兵庫県の「まっくろくろすけ」という歴史のあるデモクラティックスクールへ。ここで1週間の研修を受けました。

大自然の中で、「民主主義」を考えた1週間でした。たくさんのルールを自分たちで作り、それらに囲まれながらも「自由」を自覚している子どもたち。規則と自由が共存した不思議で面白い教育の場を肌で感じることができました。

そんな流れで続いては徳島県のTOECの研修へ。ここでもみっちり4日間の研修をさせていただきました。

この4日間は本当にすごかった。。対話や傾聴を大事にするきめ細やかな一人ひとりの姿が、大自然と遊びの中にふんわりと溶け込み、何とも言い難い涙が出るような温かさがある。

TOECのことは、改めてちゃんと書くことにします。あの4日間で自分の考えや、目指す方向は大きく変わった気がするんです。

9月の20日に千葉へ戻り、次の日の夜にはスウェーデンへ飛びました。

ここから、海外をめぐる旅のはじまり。

9月末はスウェーデンで過ごし、幼稚園とインターナショナルスクールを見せていただいた。日本一周からのつながりと、Facebookで突然メッセージを送ったところから、協力的にアテンドしてくださった方のおかげで、学校の中まで見せていただくことができ、本当にありがたかったです。


October🇸🇪🇩🇰🇨🇭🇱🇮🇦🇹🇩🇪

10月は、まずデンマークへ行きました。

フォルケホイスコーレ、森のようちえん、特別支援学校、フリースクールを見せていただくことができました。そのほかにも20箇所ほどの遊び場を見て周り、そこで働くプレイワーカーさんに話を聞いたり。

デンマークの後はスイスへ。
スイスは経由地点として何泊か湖のほとりでのんびりと過ごしました。

そして、リヒテンシュタインという小さな小さな国へ。
ここは車で上から下まで20分ほどの小さな国です。

ここで、公立の小学校、高校、ウクライナの難民の子たちへの特別クラスを見学あせてもらいました。これも、有意義で楽しい時間でした。
日本一周中に、定食屋でたまたま出会った子にアテンドしてもらった日々。
いろんな学校に連れて行ってくれました。家族と一緒に過ごさせてもらい、いろんな場所に遊びにも行きました。

出会いってすごいんだな。自分の人生がこんなにも思わぬ方向に動くことがある。

その後は電車でオーストリアへ、そしてドイツのミュンヘンへ。

ミュンヘンでは有名なプレーパークを3時間歩いて訪ねました。
規模の違う大きくてワクワクの詰まった面白いプレーパークでした。


November🏕

旅の最後にスウェーデンへ戻り、そして日本に帰ってきました。

本当は2カ国を予定していたはずの45日間は、現地に行ってから6カ国の旅へと変わりました。でも、ものすごく有意義だった。

このタイミングで行くことができてよかったです。

帰国した後は、すぐに廃校教育キャンプがありました。
千葉での初開催。1泊2日24時間の中で、参加者に生まれた想いや動き出した気持ちは大きな愛となってお互いの心に通った。そんな光景を間近に感じた廃校教育キャンプでした。

ひとつ大きな仕事を終え、その後は千葉の実家でしばらくのんびりと。

ずっとやりたかった「暮らし」を追い求めて、庭に畑を作って菌を育ててみたり、編み物をしたり、破れたズボンを直したり。

ギターやウクレレを弾いて音楽に癒されたり、読書をしたり、キャンドルを作ったり。

December🍱

これから何をしようかな、と考える日々が続きました。

でも、気持ちはなかなか前向きにならず、否定的なことばかりが頭を埋め尽くしていて。みるみるうちに、身体も心も沈み切ってしまいました。

気づかないうちに、外に向かうエネルギーを使いすぎて、疲れてしまって。

家から外に出れず、夜は眠れず、そうこうしていると涙が出てくる。

前に進めない自分とゆっくり戦った12月でした。

そんな中でも、プレーパークをしたり、地域のイベントに出向いたり、小さく写真の個展を開いてみたり。絵を描いたり、朝日を見に行ったり、料理をしたり。

のんびりとする毎日の自分に「発酵・熟成」の言葉が反芻していました。

かなり時間をかけて一年の振り返りをして、いよいよ2024年へ。


January🎈

誰にも会いたくない、誰とも話したくない。と感じていた12月から少しずつ心が回復してきました。年明けに、デンマークでお世話になったRikkeさんが千葉にも遊びに来てくれ、ちばのフリースクールやプレーパークを紹介することができました。

その日をきっかけに、またフリースクールにも再び関わり始め、スタッフを
しています。

1月は地域のラジオにも招いていただきました。まとまらない自分の言葉、前を向き切らない自分の気持ちに正直に、心の底から紡がれた言葉でお話ができて嬉しかったです。

フリースクールの子どもたちに元気をもらいながらどんどん私の心も
元気になりました。心の中に感情が宿り、毎日遊びまわるのが楽しくて楽しくて。

そんな毎日の中で、来年のために味噌をつけたり、絵を描いたり。

穏やかで優しい1月でした。
それと、23歳になりました。

素敵なカリンバのプレゼントをもらって、心落ち着く素敵な音を奏でることも始めました。


February🤝

1月の後半と2月の前半は、大切な人とたくさん時間を過ごしました。
これからの私を考えながら、これからの教育を考えながら。

そして、木更津にあるクルックフィールズへ行き、水や土の循環、地球と共に生きることを改めて実感しました。これも、自分の中ではすごく大きくて。

今まで固まっていた心が、大きくぐいっと動いた1日でした。

植物のこと、土のこと、地球のこと。もっと知りたい、もっと学びたい。教育ではないけれど確実に繋がっているこの分野のことをもっと学びたいんだ!という気持ちがどんどん大きくなりました。

そんな光が見え始めた2月。


March🌸

3月は自分の心が大きく形になりはっきりとした1ヶ月でした。

その始めのきっかけは、日本フリースクール大会に参加したこと。
全国から集まるフリースクール関係者の方とたくさんお話しして、彼らを見て、「そうそう、私が旅の中で感じた感動はこれだ。私が見ていたあの素晴らしい気持ちはこれだ!」と心が反応した。

夜の交流会では、私の考えを誰よりも真剣に最高だと言ってくれる人たちと出会った。これまで溜め込んでいた分の思いを爆発させた。

その中で出会った言葉「子どもは自然だ」
この言葉に自分の話していた全てが集約されたことを感じた。

大会の後は、友達に繋げてもらった方に会いに東京に行った。
自分の心が子どものようにふわふわと自由に飛び回り、やりたいことや実現したいことをそれぞれが口にし、理想は理想だけに止まらない可能性を感じた1日だった。

あぁ、私は生きていると思った。
自然がなく全てが人工的で一辺倒な東京の街は嫌いだ。
でも、その中にいる人間こそが、この街に生きている「自然」なんだと気づいた。
私たちは自然でよかったと思った。

次の日、私は初めてキャンバスに大きな絵を描いた。
何も決めず、すがりつくようにクレヨンを押し付けて描いた。


次の日はさくらの上に雨が降って、

その次の日は雪が降った。

素敵な出会いの後は地元の小さなマルシェで、これまた最高な大人に出会った。自分の役割をそっちのけで何時間も話した。自分の話が深く深く広がっては再びかき混ぜられ、この対話と心の底から生まれる熱が心地よかった。

その方の主催している読書zoomに参加させてもらってからは、読書に対する意識が少し変わった。何かを学び取ろうとして力を入れずに、読書を楽しめるようになった。その数日後に話した友人から、「小説は心を育てるから、小説と学びのある本と、バランスが大事なんだよ」と聞いて、小説も読み始めた。

ワクワクの気持ちが読書に向いたことが嬉しかった。友人のように、読書に逃げるって素敵だなって思った。読書にワクワクする気持ちを取り戻せたことも自分の中では大きな変化だったと思う。自分の中のリミッターを外して、もっといろんなことを学びたい。「学びの意欲」が大きく掻き立てられ始めた。

次の週は友達のワークショップを手伝いに東京へいき、次の日はシンポジウムに参加した。そして、ファシリテーションのコミュニティRaise your Flag合宿に参加した。

合宿の中では、とにかくいろんな人と話をした。
ここまで何をしてきたのか、これから何がしたいのか。
同じように悩む仲間に出会って安心し、前に進む仲間を見て勇気づけられた。

その中ではっきりと見つかった来年度の目標は

「子どもは自然だ」を自分の言葉で語り切れる人になる!

ということだった。

すっきりと、さっぱりと、私の考えがここに完成した。

3月はその後も、表現活動のワークショップに3日間参加し、いろんな人に会いに行く毎日が続いた。

教育界では有名な古山明男先生のお家にお邪魔し、4時間も語り合った。

これまで自分が考えていること、自分が経験してきたこと、強く信じていること。これらをやっぱり、一冊の本にしようと決めた。

私が見てきたものや感じているものに可能性を感じて下さった先生の言葉が背中を押してくれたように思う。


そんなこんなで

2023年度は凄まじい1年間でした。

面白く、衝撃的で、最高に楽しく感動的で。

ありえないほどたくさんの方にお世話になり、出会い、心打たれては混乱し、自分を整理しては見失う。

そんな最高の1年間でした。

なかなか書き渋っていた文章にもやっと力がこもってきました。

うまくまとまらないけど、言葉にしたい思いが、まだまだたくさんあります。
短めのNoteにしていくつか投稿しようかな。

兎にも角にも

挑戦の1年間を応援して下さった皆さん!!!!
本当にありがとうございました!

自分で言い切るのは怖いことですが、、
毎日のように疑っては心を入れ替える毎日ですが、、
自分が本質の上を歩いているという確かな感覚があります。

これからもどうぞ応援よろしくお願いします。

無性に人間らしく、打たれ弱く、でもその先に希望を見ては前に進む自分を大切に、感謝の気持ちを忘れずに来年度もただ生き抜きます!


2024.3.31  


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