地域ごとの特性を掴める看護師数と地域性の相関
こんにちは!
WELLNOVA編集部です!
今回は、ふと気になったことを調べてみました!
それは「看護師の人数と地域性に、どのような相関関係があるのか」です!
地域別の就業人数、年収、病床数、高齢化率の4つの項目からどのような相関関係があるのか、各項目、ベスト3、ワースト3の地域を抜粋し、比較する形で考察していきます!
この記事が皆様の採用活動の参考になれば幸いです!
1.看護師の地域別就業状況
まず初めに、地域別の看護師の就業人数について調べてみました!
下記、厚労省から出ている2020年末時点での
人口10万人に対する看護師の就業人数の図となっています。
なお、赤い線は全国平均の人数となっています。
就業人数ベスト3
1位 高知県(1,623.4人)
2位 鹿児島県(1,476人)
3位 佐賀県(1,403.6人)
就業人数ワースト3
1位 埼玉県(736.9人)
2位 千葉県(770人)
3位 神奈川県(791.8人)
ベスト3、ワースト3は上記のような結果となりました。
ベスト3は西日本、特に九州に近い地域がランクインし、逆にワースト3は関東の3県がランクインしました。
また、上記の図は都道府県の北から南の順番で記載されているのですが、
ぱっと見でも関東地方の就業人数が少なく、西日本の方が平均を超えている地域が多いことが分かります。
では、他の項目とどのような関係があるのでしょうか?
後述していきます。
2.看護師の地域別平均年収状況
続いて、地域別の平均年収状況についてです。
下記の表は、indeedの給与検索システムを用いて調査した看護師の平均年収ランキングとなります。
今回はこちらを用いていきます。
よろしければ、先日公開した別の記事もご覧ください!
全国平均は3,457,627円となっており、ベスト3、ワースト3は下記のような結果となっています。
平均年収ベスト3
1位 愛知県(4,804,727円)
2位 東京都(4,111,147円)
3位 神奈川県(4,032,950円)
平均年収ワースト3
1位 宮崎県(2,918,339円)
2位 熊本県(3,015,074円)
3位 佐賀県(3,023,902円)
都市部に近い地域は平均年収が高いという結果となりましたが、
西日本、特に九州地方は総じて平均年収を下回る結果となりました。
3.地域別病床数
次に、地域別の病床数を調べていきます。
下記、厚労省による令和5年度4月末時点での全国の施設数、病床数を記載した表となります。
※単純な施設数だと規模などによって左右されてくるため、今回は病床数のみ(病院+一般診療所の病床数)を抜粋していきます。
下記、それぞれの病床数に加えて、全国の病床数の総数(1,566,682床)に比較した割合(小数点以下切り捨て)も掲載させていただきます。
病床数ベスト3
1位 東京都(128,738床/8.2%)
2位 大阪府(105,771床/6.7%)
3位 北海道(94,900床/6.0%)
病床数ワースト3
1位 鳥取県(8,724床/0.5%)
2位 島根県(10,046床/0.6%)
3位 山梨県(10,957床/0.7%)
上記のような結果となりました。
やはり都市部は病床数が多く、逆に地方は病床数が少なかったです。
人口が多い地域では病床数は必然的に多くなるのでしょうか?
次項でさらに調べていきます!
4.地域別にみる高齢化率
最後の項目として地域別にみる高齢化率を調べていきます。
下記、内閣府が出している地域別にみた高齢化率(総人口に対する65歳以上人口の割合)の表となります。
高齢化率ベスト3
1位 東京都(22.9%)
2位 沖縄県 (23.1%)
3位 愛知県(25.5%)
高齢化率ワースト3
1位 秋田県(38.1%)
2位 高知県(35.9%)
3位 山口県(35%)
上記のような結果となりました。
平均人口の少ない地方の高齢化率が平均して高くなっており、逆に平均人口の多い都市部の高齢化率は低くなっています。
5.各項目比較
では、早速、ここまでの4項目を比較していきましょう!
項目ごとのベスト3、ワースト3を他の項目ではどのような数値となっているのかをまとめていきます!
また、就業人数と平均年収に関しては平均を超えているかどうかも比較していきます。
就業人数ベスト3
1位 高知県(1,623.4人)
→平均年収3,321,074円(↘)病床数16,740床/1.0% 高齢化率35.9%
2位 鹿児島県(1,476人)
→平均年収3,107,476円(↘)病床数35,638床/2.2% 高齢化率33.1%
3位 佐賀県(1,403.6人)
→平均年収3,023,902円(↘)病床数15,987床/1.0% 高齢化率31.1%
就業人数ワースト3
1位 埼玉県(736.9人)
→平均年収3,880,394円(↗)病床数65,259床/4.1% 高齢化率27.2%
2位 千葉県(770人)
→平均年収3,910,763円(↗)病床数61,770床/3.9% 高齢化率27.9%
3位 神奈川県(791.8人)
→平均年収4,032,950円(↗)病床数75,508床/4.8% 高齢化率25.7%
平均年収ベスト3
1位 愛知県(4,804,727円)
→就業人数860.8人(↘)病床数69,084床/4.4% 高齢化率25.5%
2位 東京都(4,111,147円)
→就業人数854.6人(↘)病床数128,738床/8.2% 高齢化率22.9%
3位 神奈川県(4,032,950円)
→就業人数791.8人(↘)病床数75,508床/4.8% 高齢化率25.7%
平均年収ワースト3
1位 宮崎県(2,918,339円)
→就業人数1,367.9人(↗)病床数20,064床/1.2% 高齢化率33.1%
2位 熊本県(3,015,074円)
→就業人数1,386.2人(↗)病床数35,920床/2.2% 高齢化率31.9%
3位 佐賀県(3,023,902円)
→就業人数1,403.6人(↗)病床数15,987床/1.0% 高齢化率31.1%
病床数ベスト3
1位 東京都(128,738床/8.2%)
→就業人数854.6人(↘)平均年収4,111,147円(↗)高齢化率22.9%
2位 大阪府(105,771床/6.7%)
→就業人数959.8人(↘)平均年収3,860,996円(↗)高齢化率27.7%
3位 北海道(94,900床/6.0%)
→就業人数1,277.3人(↗)平均年収3,283,957円(↘)高齢化率32.5%
病床数ワースト3
1位 鳥取県(8,724床/0.5%)
→就業人数1,365.4人(↗)平均年収3,343,058円(↘)高齢化率32.7%
2位 島根県(10,046床/0.6%)
→就業人数1,353.4人(↗)平均年収3,216,608円(↘)高齢化率34.5%
3位 山梨県(10,957床/0.7%)
→就業人数1,045.7人(↗)平均年収3,546,381円(↗)高齢化率31.3%
高齢化率ベスト3
1位 東京都(22.9%)
→就業人数854.6人(↘)平均年収4,111,147円(↗)病床数128,738床/8.2%
2位 沖縄県 (23.1%)
→就業人数1,149人(↗)平均年収3,334,494円(↘)病床数19,376床/1.2%
3位 愛知県(25.5%)
→就業人数860.8人(↘)平均年収4,804,727円(↗)病床数69,084床/4.4%
高齢化率ワースト3
1位 秋田県(38.1%)
→就業人数1,204.2人(↗)平均年収3,293,785円(↘)病床数14,595床/0.9%
2位 高知県(35.9%)
→就業人数1,623.4人(↗)平均年収3,321,074円(↘)病床数16,740床/1.0%
3位 山口県(35%)
→就業人数1,335.2人(↗)平均年収3,089,693円(↘)病床数25,463床/1.6%
6.考察
ここで前項で比較したものを考察していきます!
まず、就業人数に関して、人口10万人対比となっているため、人口の多い地域は比例して病床数も多くなっています。
しかし、病床数の多い地域(特に都市部や首都圏)ではなかなか就業人数を集めることに苦戦しており、人材確保のためにも比較的平均年収が高い傾向になっています。
また、地方は高齢化率が高く、都市部よりも看護師の需要が高いため、人口10万人対比の就業人数が多い傾向にあります。
ただ、就業人数が潤っている地域に関しては平均年収が低い傾向であることが分かります。
上記は都市部と地方での最低賃金の格差も要因の一つとして考えられますが、それ以外の原因が大きいことが予想されます。
今回用いたデータからは特に病床数が多い地域での就業人数の少なさが深刻な問題であることが顕著に表れました。
そこで興味深い記事を見つけました。
上昌広さん著の「西高東低と地域活性化」という記事です。
上記、今回の比較考察の参考になりそうな一文を引用させていただきました。
女性が多い看護師は居住の移動等が難しいため、その地での地育地活(その地域の人材を地域で育て、地域で生かす)が重要であると述べています。
今後、看護師の人出不足を解消していくためには、どの地域においても格差のないキャリアサポートや養成講座による看護師の地育地活が重要になってくることが予想されます。
下記、引用元の記事を添付させていただきます。
7.まとめ
今回は看護師の数が地域性とどのような相関関係があるのかについて4つの項目にフォーカスして比較、考察してみました。
いかがでしたでしょうか?
実際のデータを比較することで、現状の理解や危機感を感じることができたため、さらにこの業界で価値貢献をしていかなければならないと再認識する良いきっかけとなりました。
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