駆け出しセラピストに送る言葉㉖ 「治せない症状の特徴」
日曜日は、【駆け出しセラピストに送る言葉】を配信しています。
違いが説明できて初めて、理解がすすむ
僕たちセラピストには、「治せる症状」と「治せない症状」があります。
ほとんどの先生は、この事を分かっていると思いますが、
「じゃあ、どんな人が治せないの?どんな人なら治せるの?」
と聞くと、答えられる先生は意外と少ないものです。
しかし、この決定的な違いを知っておかないと、患者さんに希望だけを持たせたり、いたずらに長期間通院させてしまうことになります。
駆け出しの頃は特に、理想と現実のギャップが大きいため、このような間違いを犯してしまうことがあるので、注意が必要です。
今回は、「治せる/治せない症状」の特徴を端的にお伝えします。
治せる症状の特徴
僕たちセラピストは、①原因を見つけ②それを取り除くことが求められます。
つまり、治せる症状とは、治せる原因である必要があるということです。
・腰を丸めると…
・座っていると…
・走ると…
・足を組むと…
などが治せる典型例なのは、そのためです。
治せない症状の特徴
一方、治せない症状の特徴は、僕たちセラピストが治せない原因の場合です。
・寝不足になると…
・仕事が忙しいと…
・長時間抱っこしていると…
・ソファーに座ると…
・寝具を変えてから…
などは、セラピストがどうこうできる問題ではありません。
つまり、本当にコレらが原因であるなら、患者さん自身が生活を変えない限り症状は治らないんです。
最後に
症状が慢性化している患者さんほど、「原因の心当たり」を尋ねると、僕たちでは治せない原因を並べます。
おそらく、今まで通っていた治療院では、それを指摘されてこなかったのだと思います。
もしかすると、「肩こり用のメニュー」「腰痛用のメニュー」など、原因はどうでもよくて、症状によってやることが最初から決まっているような所に行っていったのかもしれません。
治すには、治すためのやり方があります。
例えば、「仕事が忙しくなると肩こりになる」と言う方がいた場合、改善方法は「忙しい時に仕事を手伝うこと以外ない」と気づいてもらうことが大切です。
その上で、「仕事が忙しくなると、どんな作業が増えるのか?」「辛くなる姿勢を、仕事以外の時間でもしていないか?」などインタビューし、本当の原因を知ってもらい、治せる原因をピンポイントでアプローチすればいいだけです。
言われるのを聞くだけなら、誰でもできますが、実行するには慣れが必要です。
「自分もできないことをスルーしていたな」という先生は、少しずつでも構いません。ぜひ頑張ってみてください。
ではまた