研修、終了!
インタラクティブ誘導イメージ療法(IGI)の2回目の研修が終わりました。
西海岸時間で三日間(今回は二日間で終了)に渡って開催されるオンラインの実技の研修。
講師含め生徒の全員がとても優しく、言葉のハンデがあっても暖かく受け入れてくれる環境ということは1回目で把握しているので、一番のチャレンジは、徹夜を連日で続けること。研修は日本時間夜中の1時から朝の10時すぎまでの約9時間。
1日は意外と行ける。きついのは2日目。何杯ものコーヒーのおかげで起きていれるけれども、だんだんと脳の活動がスローになってきているのがわかる。
数年間使っていない慣れない英語を話し、聞き。2日目後半、朝9時を過ぎる頃はなんだろう、もはやなんかぼーっとしすぎて、英語が、初級英語というか、英語習い始めて1年目的な、なんか破壊的なレベル。
2回目の研修も、4つの大きなお題があり、5〜6人のグループに分かれて、誰かがクライアントの役をして、一人ずつ順番にガイドをやっていきます。
セッションを行っている間は、皆、Zoomの画面をオフにして、黙ってオブザベーション。セッションが終わると、本人たちの感想の後に、オブザーバーたちのフィードバックと、最後に講師のフィードバックで1ターン終了。全員、各お題、ガイドを必ず1回やります。クライアント役は辞退しても良いけれども、人数の関係上、だいたい必ず各お題につき1回、全員がクライアント役もやります。
オーストラリアの学生時代に感じましたが、英語圏の、特に移民で構成されている比較的新しい国のアメリカ・オーストラリア・カナダなどの国々の人々は、議論の仕方が上手でフィードバックの仕方も上手。
私はこれらの国々の人たちでも多分教育レベルの高い層の人々としか交わっていないと思うので、恵まれた環境での話だとは思うのだけど、皆、とても礼儀正しいし、こちらと同様に向こうも気を遣う。「気を遣う」って日本人しかしないと思っている人もいるかもしれないけど、これらの国々の人々って対人コミュニケーション上は結構普通に「気遣い」します。言葉の言い回しで気遣いを表す。
フィードバックの際も然り。必ず最初に良い点を挙げます。で、何か改善点や異論がある場合は、その後に伝える。今回も「フィードバックは逆オレオ方式でね」と言われていました。
逆オレオとは、サンドイッチ方式とも言われる方法で、白いクリームを黒のクッキーで挟むオレオの黒白黒の順番を、白黒白にする。黒がネガティブな意見なら白はポジティブな意見。初めに褒めて、次に改善点を伝え、最後にまた褒めて締める。そうすると、意見された人は、良い点はより自信をつけ、また、改善点にもより前向きに取り組めます。
これは今では日本でも企業にも取り入れられているフィードバックの方法かと思います。管理職研修などで学ぶのかな?教育機関も今はこうしたやり方なのかしら?
「声のトーンがすごくよかった。聞いているだけでとてもリラックスする。あえて言うならば、ちょっと質問が早すぎるかもしれないと感じたかな。もう一呼吸置いたら、クライアントが十分に感情を消化できたかもしれないと感じたよ。でも、とても良いセッションだった、ありがとう」とか、「とても上手に状況に対応していて素晴らしかったと思う。導入のリラクゼーションテクニックがすごくよかった。個人的には、セッションの途中にクライアントが⚪︎⚪︎に会った時に何かヒントがありそうだったからどう感じていたのか知りたかったかな。でも、最後のあの時に△△と対話する時間を十分に取ったのはとても良い対応だったと思う」とか、褒めるところをきちんと強調すると、皆、どんどん自信をつけ、また、人の意見も、次の時に「ああ、その点を注意してみよう」と前向きに吸収できます。
もはや、あちらの国々ではそうやってフィードバックすることが当然なので、良いことを言われた後に続く「but」から皆背筋を整える(笑
わかっちゃいるけど、でもやっぱり初めに良いところを言われると嬉しいは嬉しいよね。あとの指摘が素直に聞けちゃうのよ。まぁ、もはや「but」も言葉としては使わないようにするけども。
で、今回、アメリカの皆さん(移民の方も含まれていましたが)、意外と全然突っ込まない。課題が多くある人にも、褒めるだけで終わっちゃう人も多い。そこにちょっとびっくりしました。でも、気になるところは言ってあげた方がいいんじゃないかと思うわけ。
このIGIのコンセプトはイメージはクライアントに委ねることが基本のルール。ところが、ある生徒(医師)が「種をイメージしてください。それが芽を出して育つイメージをしてください」と言い始めた。誘導されているクライアント役の精神科医は苦虫を潰したような表情になり無言、「ちょっとこれは流石にまずいだろ」という雰囲気になりましたが、セッションが終わってフィードバックの時もあまり誰も直接指摘しない。誘導された精神科医も苦虫を潰した表情のままだけど、特にイメージを強要されたことに不快感を感じたことは指摘しない。表情には十分出てるけど(笑
私、言語のディスアドバンテージがあるわけですが、一人ずつ発言する場においては結構ちゃんと発言します。ちゃんとオレオ方式でまず褒めて、その後に「ただ、あまりクライアント本人が何をイメージしているのか、オブザベーションで掴めなかったので、彼女がどういう風に何を見ているのか詳しく聞けたらよかったなと思いました。あくまでクライアントから自発的に出てくるイメージを追うのが大事なコンセプトだと理解していたのですが、その点は先生のご意見を聞けたら。でも、セッション全体は上手にハンドルできていてとてもよかったです」と。最後は取ってつけたような白いクリームでしたが。
みんながものすごい勢いで頷いてて、クライアント役の精神科医も激しく頷いたあと表情も柔らかくなり、そこから議論が始まったり、「なんだよ、みんなもそう思ってたんじゃん」とか思うわけ。で、その後も「言葉にディスアドバンテージがあり、文化も違う」というお味噌の立場を利用して、なんとなく私が切込隊長になることが多かったような(笑
何あれ?やばすぎると放置プレーなのかな?ちょっとズレたところの多い方だったのでそういう時は放置?んー
話が長くなりましたが、切込隊長として初日は活躍しましたが、二日目後半はもう電池切れで、最後の3時間ぐらいはもう「皆さんと同じ意見。付け足すことない。すごいよかった、とても上手くできてたと思う。よかった、よかった」と、クリームオンリーで反応してました。もう頭が働かない。
私は良いところを見つけるのも得意なので、元気だった2日目の頭までは、鋭い指摘で褒めちぎりもしてました。講師に「良いフィードバックだ」とお褒めいただくこともしばしば。
でも、総じて、適宜ネガティブな点を指摘した人は3割〜4割程度、あとは皆講師の指摘に委ねているのか、褒めるだけで終わる人が多かった印象。アメリカだからもっと主張する人が多いかなと思ったら、そんなこともなく。
と、文化の違いを感じたりしながら、楽しく二日間を過ごしました。
で、noteではクライアント役で得た経験を、振り返りと備忘録を兼ねて、書いておきたいなと思います。これから受けられる人の参考にもなるかもしれないしね。感情を揺さぶられるセッションが2回ほどあり、まだ消化中。
長くなるので、「私のイメージの旅」に続きます。
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