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スパイスの力

今月のJAMHA研究トピックスがアップされました。研究トピックスでは海外のハーブに関する最新情報を翻訳して紹介しています。

今回は、「へー!」と思った、肥満男性の代謝異常におけるシナモンと唐辛子の効果についての研究の翻訳を紹介しました。

最新のメタボロミクス(メタボローム解析)では、食べ物を食べたあとの代謝物を細かく分析できます。お太り気味場合、標準体重の人と同じものを食べていても代謝が異常になっていて、糖尿病や生活習慣病になりやすくなっていることがわかりました。

同じ物を食べていても病気になりやすくなる。当然痩せにくくもなります。

そして、その異常になった代謝をシナモンと唐辛子が正常に戻してくれるとの嬉しいお話。

代謝物を細かく分析できるのもすごいし、異常になった代謝を正常化させるなんてスパイスやっぱりさすが。実際にナチュロパシーで、低血糖の人や糖尿病や、糖の代謝異常のある場合に、シナモンのエキスやサプリを栄養素のクロムなどと一緒に処方することがあります。食事のレコメンデーションでもシナモンを使った食事や飲み物をお勧めしたり。

これは糖尿病や生活習慣病気味の人向けだけの話でなく、若くて糖依存の女の子たちにも有効です。甘いものがやめられず、ホルモンの調子も崩れてしまって、お腹の調子も崩れている若い女の子。甘い物や糖質の高い食事ばかりで低血糖気味の場合など、検査の結果には出てこないけれども、やはり糖の代謝やインスリンの状態に異常があることもあり、そういう場合にもシナモンは糖の代謝をサポートしてくれます。(この場合、他にもたくさんすることはあるけれどもとりあえずは今は長くなるのでシナモンの話のみということで)

ハーブやスパイスは何千年と病気の治療や健康増進に使われてきています。ハーブの辞典のマテリアメディカに集録されてきたハーブに関する情報が少しずつ科学の言葉で訳されてきています。

科学でわかっていることは、世の中のほんの少しのこと。やっと科学が追いついて、始めて「エビデンス」と言われます。

どちらかだけが絶対ということもなく、伝統の世界も、科学の世界も、どちらも面白いです。いろいろな物を裏から見たり、表から見たり、斜めから見たり。

それにしてもハーブってすごい。人工物だとできない「調整」ということをしてくれます。例えば、薬は何かを上げる、下げる、止めるなどができるけど、ハーブでも同じようなことができるものがいくつもあり、また、それ以外にも、下がっているものをあげたり、上がりすぎているものを下げたり、と「調整」をすることができるものがあるのがハーブの特徴。1つの植物で多様な作用が期待でき、しかも適正レベルに調整までしてくれたり、そして副作用は少ない。

人の健康に有益な植物の成分をフィトケミカルと呼びますが、フィトケミカルはスパイスだけでなく、ハーブや野菜や果物にも含まれています。彼らが自分たちを守り、生かし、機能させるための成分が私たちの健康に役立ちます。

なので、ホールフードで、野菜や果物やスパイスやハーブをこまめに食事で摂っていくと優しい薬になるわけです。

最新科学と伝統療法と、何をどう選ぶのかも、個人の自由で、その人に合ったバランスで、両方を上手に賢く取り入れたらよいのかなと思います。現代に生きる利点は、両方を自分の考えで自由に選択することができること。

自分の人生、自分の体、自分の病気への対応は、自分で選んで決める自由があります。

ハーブの最新情報や専門情報がJAMHAのサイトにはたっぷりあるので興味のある方はぜひ覗いてみてください。ただし検索機能が「もう一歩!」なので、うまく検索できませんが、情報はものすごいたくさんあります。

海外でナチュロパシーを学ぶ学生さんもぜひJAMHAのサイトを活用してね!


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