
自宅で本格的なチャイを楽しむ
自宅でできる本格的だけど簡単なチャイの作り方をご紹介します。
体が冷えた時に温かいチャイを飲むと、一時的なだけでなく体の芯まで温まるような感じがします。同時に、心も温まるようなチャイですが、それは様々なスパイスや食材のチカラがふんだんに詰まっているからです。
スパイスや食材のチカラは後半に書きますので、まずは寒い日のおうちドリンクとして本格的なチャイを試してみてください。材料さえ揃えておけば、冬の間ゆっくりほっこりと楽しめます。実際に使う量はチャイ1杯につき1粒程度ですので、買う際は本当に少量(5g)程度もあれば十分です。
チャイ(インドの飲み物)
紅茶に、スパイスと砂糖を加えたインド式のミルクティーです。
私は冷え性ではないですが、少し肌寒い日などに温かいチャイをいただくときの、ほっこりと体だけでなく心も安らぐ感じが好きです。
コーヒーや緑茶と違い、毎日飲むもの飲みかたではないですが、お好みのミルクや甘さを加えれば簡単に手軽なおやつのようになります。
体もあたため、心にも気力をつけますので、寒いときだけでなく落ち込んだ時や悲しいことがあった時にも心から元気をつけてくれるヒーリングドリンクの一つです。
材料(2杯分)
紅茶(アッサム) ティーバッグ2個(茶葉でも可)
水 200ml
牛乳 200ml
(砂糖) ティースプーン2杯 ※お好みで
ジンジャー(カットorパウダー) カットならティースプーン1杯
シナモン(スティックorパウダー) スティックなら1本
クローブ(ホール) 2個
カルダモン(ホール) 2個(さやをさくと、より香りがたつ)
私は、『牛乳→豆乳』、『砂糖→はちみつ、メープルシロップ』または無糖でいただくアレンジがおすすめです。甘いものをいっしょにいただく時は、無糖が定番です。
作り方
1.小さめの鍋で水を沸騰させ、弱火にして紅茶のティーバッグを入れ、1〜2分煮出す。
2.1にスパイス(ジンジャー、シナモン、クローブ、カルダモン)を加える。
3.2に牛乳(または豆乳)を加えてさらに火にかけ、ふつふつしてきたら吹きこぼれないように注意しながら2〜3分煮出す。
4.火を止めてティーバッグとスパイスを取り出すかこして、砂糖を加えてよく混ぜます。
寒い季節、休日の午後におすすめ
薬と同じように食材でも、身体への効果が高いということはそれだけ身体への影響がありますから、使い方は注意が必要になります。人間でも良いところと悪いところがあるように、食材にも良い面と悪い面があります。食材のチカラを利用することは、悪い面を把握した上で、良い面を利用させていただくというふうに考えるのが良いでしょう。
時々、良い面ばかりを見て悪い面を知らないで食材を利用しているケースが多くありますので、その点は両方をお伝えできればと思います。
ハーブやスパイスに馴染みがない方は、使うことに不安のある方もいるかもしれません。ティンクチャー(Tincture、チンキ剤のようなもの)やサプリメントなどの高濃度のものを使う場合は、ナチュロパスやそういった資格者や専門知識を持った人の指導のもとでないといけませんが、料理や飲料に使う程度であれば、疾患等で薬を飲んでいる方や妊産婦や授乳婦の方以外は始めてみて良いでしょう。
紅茶
紅茶は、西洋ではポリフェノールの抗酸化作用や、テアニンという成分のリラックス効果がいわれています。個人的にはこちらの点より、「味」と「身体を温める作用」が最も紅茶の魅力かと思っています。一方で、カフェインやタンニンを含んでいる点から注意が必要な飲み物だと思っています。
カフェインについては、認知度も高く書くと長くなるテーマなので別途記事をあげるので今は割愛します。タンニンという成分は、先に説明したポリフェノールの一種でお茶などに含まれる渋みの成分で、緑茶やワイン、柿にも含まれるものです。しかし、鉄の吸収を妨げるという面があります。月経がある年齢(出産適齢期)の女性は、月経による出血、そこからくる鉄欠乏性貧血のリスクが高いので、鉄分は意識して摂取する必要がある成分です。そのため、このタンニンという成分が鉄吸収を妨げるので、食事の前後30分程度は、避けたほうが鉄分の面からは良いでしょう。
ジンジャー(生姜)
しょうがが身体を温めることは何となくご存知だと思いますが、なんとなくだけではもったいないほどのチカラがありますので、意識してとりいれていただきたい食材の一つです。
しょうがは胃をあたためるので、胃腸の働きを良くし、消化を良くしたり、食欲を促すのをサポートします。からだを温める力が強いので、月経不順や月経痛の改善や、血行をよくすることで改善が期待できる様々なメリットがあります。
しょうがは良い面が強い素晴らしい食材ですが、体をあたためる作用が強いので、胃炎や胃潰瘍などがある方には刺激物となりますので、そういった方にはおすすめしません。
シナモン(桂皮)
シナモンは日本ではしょうがほどには知られてはいませんが、しょうがと同じくらい古来から、西洋から東洋まで(東洋では桂皮として)広く使われているチカラのある食材です。
様々な効果がありますが、最も良い点は「あたため」効果だと思います。しょうがのあたためを「熱」のような強さでいうと、シナモンのあたためは「温」という形で、やんわりとじんわりとしたものです。
からだをじんわりとあたためることから、風邪の予防にも風邪をひいたあとの症状の緩和にも役立ちます。
クローブ(丁字)
クローブは、チャイには欠かせない個性のある香りが特徴です。この茎のような見た目からは想像しにくいですが、クローブの花は、綺麗でかわいらしいピンクの姿をしていて、食材として使われるのは、この花のつぼみの部分となります。見た目からは想像できない非常に強く存在感のあるスパイシーで甘い香りをしています。
こちらも漢方では「丁字」として古くから使われていたように、期待される効果としては、こちらも「あたため」と「殺菌作用」があります。ただ、本当に香りに存在感があるので、使う量はチャイのような飲み物1杯でクローブ1個以下が良いでしょう。それでも人によっては「薬っぽい香り」と感じるかもしれませんので、煮出す時間を短くするなど試して使うのが良いでしょう。
カルダモン
カルダモンも、クローブと同じように香りの高さが特徴です。さわやかな香りで、インドをはじめ、中東、ヨーロッパ、南米では料理の香りづけで使われています。
期待される効果は、こちらも「あたため」と「消化をよくすること」です。食べ物を消化するときに必要な唾液や胃液の分泌を促すので、食欲のない時や食べすぎたときにもおすすめです。
香りが好みではないとリラックスはできにくいですが、心を鎮める効果も期待されています。
体と心の両方の気力を取り戻す「強壮作用」があるので、取り入れやすいチャイはおすすめです。