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五月病対策にウォーキング! しくみと段階的な解消のヒントを解説

ゴールデンウィーク明けから10日ほどたちました。みなさん調子は戻ってきましたか? しっかりとリフレッシュできたはずなのに、今ひとつ感覚が戻らず、気持ちが乗ってこないといった方が多いかもしれません。
特に変わらない毎日を過ごしたつもりでも、新年度から1~2か月経った今ごろは、なんとなく体が重く疲れがとれない気がする方もよくおられます。

この時期によくある、気力が減ってしまった状態が「五月病」と呼ばれるのはよく知られていますが、その対処はまだ「気持ちの問題だから時間が経てば調子が戻る」と放置されている職場をよくみます。
しかし、五月病は現状に対する心身のバランスを崩した適応障害の兆候ともいえ、そのままにしておくと抑うつ状態が進行してしまうかもしれません。

少しでも心当たりのある方はぜひ、この記事を参考に、ご自身や周囲の方々の調子を上げる第一歩を踏み出してください。
ヒントはウォーキングです。

五月病のしくみ

はじめに、五月病がなぜ起きるのか、簡単におさらいしておきましょう。

五月病は「燃え尽きた状態」

五月病は、新入社・異動など新しい環境で活動するようになった人が1か月ほど経ったころ、精神的に不安定になった状態を指します。
環境が変わった直後の4月は早くなじもうとして過剰適応しがちです。その結果、心身の疲労が蓄積し、5月の連休で一息ついたとたん、燃え尽きてしまったようになるわけです。

五月病は50年以上前からあった

五月病の症状は、1960年代から取り上げられるようになりました。言葉として定着したのは1968年ごろといわれています。
今とは比較にならないほど厳しかった受験戦争をくぐり抜けた新入学生が、特有の虚脱感や無気力症状をみせるようになった問題から始まったのです。

半世紀以上経って学びの環境も働き方も大きく変わりました。環境側に課題があるなら解消されていておかしくない年月です。でも五月病は毎年話題になり、多くの人を悩ませます。
人を取り巻く環境、とりわけ人間関係は常に変化しています。五月病は誰でも、いくつになってもかかるものと考え、一人ひとりが自分でうまく心身を整えていくことが重要です。

五月病はプレゼンティーズムの温床

五月病は心身の状態を総称して用いられるため、医学用語ではありません。また、外に現れる症状もさまざまです。
よく知られているのは、無気力、抑うつ、不安、倦怠感、不眠、頭痛、腹痛などで、気持ちだけでなく身体にも影響が出てきます。
やっかいなのは、こうしたストレスは気持ちが前向きに乗っているときでもかかる点です。知らず知らずのうちに蓄積していることもあります。

たいていは一過性で、ふたたび環境に慣れていけば徐々に回復していくものですが、「気持ちからくるものだし」と放っておくと、症状が何週間も続き、適応障害やうつ病などのメンタルヘルス不調に陥る可能性があります。

また、明確な症状が出て欠勤までには至らずとも、仕事のパフォーマンスが落ちたり、勤務態度が悪くなったりするなど、職場の生産性を下げる行動が目立つ「プレゼンティーズム」の状態になってしまうことも考えられます。

五月病の解消にウォーキングを取り入れよう

では、五月病にはどのように対処すればよいのでしょうか。
直接的な原因となっている過剰なストレスを減らして調子を整えるのが基本といえ、そのためには毎日のリズムをうまくつけることがコツです。

以前の記事で、未病の人が積極的な健康を保つためのポイントとして、健康行動の三大要素「運動」「食事」「睡眠」を挙げました。五月病との付き合い方もこの三つの要素をバランスよく取り入れていくのが近道といえます。

季節のよいこの時期、特に注目したいのは「運動」です。

体を動かすと心が安定する

厚生労働省が発表した「健康づくりのための身体活動基準2013」では、体を動かすことが気分転換やストレス解消にもなり、心身全体の調子を整えるのに有効だとしています。
適度にエネルギーを消費することにより、食欲や寝つきにも良い影響を与え、バランス良い食事と睡眠習慣もとりやすくなります。

同基準の中では、ライフステージに応じた健康づくりとして、運動による活動の基準と、生活活動上の目安が定められています。
活動の指標には「メッツ」という単位が用いられます。メッツは、運動によるエネルギー消費量が安静時の何倍になるか、運動の強さを表す単位です。座って安静にしている状態を1メッツ、散歩のような歩行は3メッツ、というように表します。

無理なく続けられる歩行・ウォーキング

18~64歳の活動基準では、3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時とる必要があるとされています。
(「メッツ・時」は、メッツに運動時間を乗じた単位です)

<身体活動の例>

  • 普通歩行:3.0

  • 犬の散歩:3.0

  • そうじ :3.3

  • 自転車 :3.5~6.8

  • 速歩き :4.3~5.0

運動では、3メッツ以上を週4メッツ・時とる必要があるとされています。

<運動の例>

  • ゴルフ    :3.5~4.3

  • ラジオ体操第一:4.0

  • ウォーキング :4.3

  • 筋トレ    :6.0

  • ジョギング  :6.0

勤務しながら無理なく続ける体を動かす勤務を考えると、通勤や勤務時間中に意識して歩行し、週末などの休みにウォーキングや軽いジョギングなどでメッツ・時を増やすのが、手軽で長続きする方法といえるでしょう。

18~64歳の場合、約8000~1万歩が目安

具体的にどの程度の活動になるかというと、歩数に換算すると、18~64歳の場合1日あたり約8000~1万歩くらいになるとされています。
また、運動では、1回30分以上を週に2回行うことが目安です。

活動は毎日続けるのがコツです。同基準で紹介されているガイドラインでは「プラス10」として、毎日10分とか、10%とか、少しずつ追加して長く続けていくことを勧めています。

楽しく続けるために健康アプリの活用を

五月病の解消法を、運動を中心にみていきました。
運動は、すればよいものと分かっていても、なかなかきっかけがつかめず、習慣化できません。行動を起こすには興味関心をひき、続けたくなるしかけが重要です。

例えば、WellGoのアプリでは、歩数がランキングになったりポイントとして貯めて商品券と交換できたり、イベントに参加してSNS上でつながりをつくったりすることができ、楽しく続けるうちに、いつのまにか歩数を伸ばすことができるしかけがあります。

また、食事や睡眠記録、勤務状態や健康診断結果も一緒に記録することができるため、データが積み重なってくるほど、自分の体調を正確に把握しながら環境の変化に対応できるようになります。

このように、健康アプリは単なる記録以上に、気力を上向きにして、職場がうまく波に乗るしかけとして活用することができます。
ぜひ一度、健康アプリを楽しく試してみてください。

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