5.5 キッチンとダイニング
キッチンが本当に使いやすく出来あがりました。
IKEAのキッチンに決めて良かったと本当に思ったのは、実際に配置してみた後のことでした。
まず、解体作業を終えた直後のキッチンエリアがこれです。
カナメはこの壁を見て、相当まずいと思ったようです。隣のモルタルの壁面には壁紙を貼ったので、この色味の差も少し微妙というか何というか。ちなみに、このコンクリートなどのリピート柄ものは、柄合わせをして貼る必要があるので、難易度が上がります。
実はこのキッチン側の壁は、もともと石膏ボード貼りの壁で覆われていました。解体作業中にも、その壁は残されていて、石膏ボードのある位置から実際の壁まで10センチほどの空間が空いていました。もともと狭い家なので、その10センチの間がどうにもこうにも勿体なく感じた私は、「あの壁を外したらまずいことでもあるのかな?」とカナメに相談したところ、彼もそう思った様で、すぐにミズキさんに話して壊してもらいました。
私は広くなった空間に大喜びでしたが、現れたコンクリートの壁が、お世辞にもキレイではなかったんですよね。モルタル加工されている壁はキレイだし、押し入れの奥にあったコンクリートの状態は良かったのですが、いかんせん覆われることが確定していたこのエリアの壁は、職人さんにとっても丁寧に仕上げる必要などなかったんでしょうね。まさか40年後に解体されるとも思わないでしょうし。
コンクリート自体の質も良くないし、凸凹としていていました。カナメとしては、石膏ボードの壁を残しておけば壁紙を貼ってなんとかキレイに仕上げることもできたけれど、今となってはどうしようもないというか。凹凸があるので壁紙を貼るにも無理がありました。
カナメは何度も「お金かかってもいいから、もう一度石膏ボードを貼りなおしてもらおう、ということも言っていましたが、私がガンとして首を縦に振らなかったのです。
紆余曲折を経て、コンクリートの壁をなんとか磨き上げ、コンクリート硬化剤を二度塗りし、PS(パイプスペース)のドアを黒のチョークボード塗料を塗ったところ、ぐっと壁が引き締まりました。
そして、IKEAのSunnerstaを配置してみたところ、完璧に背景とマッチしました。逆に言うと、壁紙を貼っていたら、印象がもっとお行儀良くなったでしょうし、コンクリートの壁に高額なシステムキッチンを配置しても、少し違和感を感じたかもしれません。
配置後の写真が、これです。
これを見た瞬間に、キッチン選択に間違いはなかったと確信しました。このPSの扉は、パイプシステムに異常があった時に開くこともあるので、このキッチンはここで一旦固定しますが、ネジを外せば動かせてドアを開けることができます。そこまで計画済みです。
(右側に写っている青い壁ですが、天井まで伸びていて高さが3メートルあります。この壁紙を貼る時は、かなり大型の脚立に乗って貼る必要があり、本当に怖かったです。)
ここからキッチン横の作業台を制作していきます。
ここでもカナメが神経質なまでにキッチンと横につながる作業台の高さを揃えてくれました。とは言っても作ってくださったのは大工のイチローさん。私たちは、ワークトップとなる板を購入し、ホームセンターでカットしてもらった上で、サンディングと着色ニス塗装をしただけです。デスクと同じIKEAの伸縮脚を取り付けてキッチンと同じ高さにし、もう一つの台はKALLAXハックです。
まず、この状態で大工のイチローさんにデザイン案を説明しました。
そして板に水性ウレタン着色ニス(新ウォルナット)を塗った後は、イチローさんに一任しました。IKEAの有孔ボードもつけて頂きました。
2x4のKALLAXを横置きにし、棚の上に板をかませて横のテーブルと同じ高さにしました。この作業は、高さを合わせるために仕方なく追加したものです。想定していなかったのですが、塗装済の板が残っていたので、それをイチローさんが現場でカットし、両端と奥の三辺に沿う形で長さ揃えをしていただきました。そのおかげでパーフェクトに高さが揃い、キッチンと2個の台の高さが揃いました。
ここでの副産物は、棚の高さ揃えをしたためにできてしまった、Kallaxとワークトップとの間の隙間です。
台に使っている板はそこそこ分厚いので、間に支えを必要としなかったために、仕切りのない横に長い棚ができたのです。
船便で届いた段ボールを開けて、食器を配置している時に、初めて気づいたことがありました。大型のお盆や大皿などが、IKEAの食器棚には入らないのです。一瞬「え、これどこに置けばいいのかな.....」と思ったのですが、この横に長い棚に入れてみたところ、計ったようにぴったりとおさまりました。そして台の影に隠れて、あまり目立たないのもありがたいことでした。そして100均で買える収納ボックスの一つに台拭きと除菌スプレー、もう一つに根菜を入れてあります。
細かいことですが、私はゴミ箱は大きめで何の考えもなしにポンポンと捨てられるものが好きです。小さなゴミ箱だと、所作の荒い私の場合、すぐにゴミ箱からゴミが落ちてしまうからです(汗)。それと同時に、ゴミ箱が丸見えになるのは嫌でした。捨てやすいけど目立たない大型のゴミ箱で、かつフタのないもの。フタのあるものは、すぐに汚してしまうのです。結局、海外でずっと使っていたコストコのゴミ箱をそのまま使うことにしましたが、その置き場所と、ワゴンの定位置をしっかりと確保することが、私にとっては重要なことでした。そしてそれも完璧に収まりました。
ワゴンはこの様に「まな板」にもなるカバーをつけています。この上で盛り付けなどもします。取り皿とカトラリー、調味料、食洗機用洗剤やキッチンスケールなどなど、ここに集約しています。
ワゴンなので、どこにでも移動可能です。作業台にモノがある時は、この様にIHヒーターを乗せたりもできます。
キッチン全体を見ていきます。
この小さなキッチンにすべてがあり、キッチンツールもすぐに取り出せる場所にあります。私の年齢だと、すべてをしまい込んでしまうと、どこに何があったかすぐに忘れてしまうのですが(汗)、必要なものがすべて見えるところにあるので、あれこれ探すことが本当になくなりました。
そして、200Vのコンセントをつけたのが、我が家流です。
海外で使っていた電気製品のほとんどは処分してしまったのですが、NespressoやSaecoのエスプレッソマシン、ホットサンドメーカーと湯沸かしポットについては、長年愛用していて捨てるに忍びなく思っていました。「実家に200Vの電源があるから、実家においておけばいいよ」とカナメが言うので持ち帰ってきたのですが、まさか実家に住むとは。カナメはひそかに計画していたのかもしれませんが.....
熱源は、もちろんこれでいい。これがポイントなんです。
TILLREDA ポータブルIHコンロ
これをSunnerstaキッチンに吊り下げておくと、ワークトップすべてが作業に使えるようになります。そしてもちろん、表面に凹凸がないので、調理後は表面を拭き取るだけでコンロの掃除は完了。作業台の方もステンレスですので、こちらも掃除が簡単です。
そして、この記事にも書いた通り、SunnerstaキッチンにはPanasonicのプチ食洗、その下には資源ゴミを入れておくのに最適なボックスがぴったり入ります。
プチ食洗
SORTERA ソルテーラ
食器棚もIKEAのもので、その下にIKEAの有孔ボードを取り付けて頂きました。そこにはコップを配置しています。これがまた使いやすい。食洗機から出したコップを収納するのも、取り出すのも簡単です。
IKEAの食器棚はこちら。
組み立てはカナメが、設置は大工のイチローさん親子にお願いしました。
これを購入する時にも、IKEAのスタッフさんに色々と教えて頂いて、取り付け用のレールも同時に購入しました。最初はカナメが自分で設置しようと思っていた様で、それを工務店のミズキさんに相談したところ、「やめた方がいい」と言われてしまいました(汗)。そこは大工さんにとっては容易にできる部分だから、他の作業と一緒にお願いすることにしました。
設置の状況をみて思ったのは、やっぱりカナメ一人では無理だと思いました。位置決め一つとっても、プロの腕が二人必要なように見えました。しかもコンクリートに設置すること、食器などかなり重いものを収納するため、強度も気になるところだったので、これはプロに任すべきだと思いました。
有孔ボードを取り付けたところ、使い勝手は良いし、色々と取り付けられるオプションも豊富だったので、最終的に全部で4つも取り付けてしまいました。実は最初は、鍋やフタを有孔ボードに収納しようと思ったのですが(IKEAにそういうアイデアが展示されていた)、鍋を使う頻度がそれほど多くないことがわかったので、KALLAXの棚に収納することにして、使う頻度の高いものを配置しました。
時計の下にある台には、Google Home miniが置いてあります。調味料の計算やタイマーに使っています。
キッチンについては「ステキな空間」というよりも、あくまでも私が使いやすい、必要なツールをさっと取り出せて、必要な調味料を探すことなく使える状態にすることを考えてデザインしました。マグネット式のナイフラックを2つ設置したのですが、包丁だけではなく、調味料も丸いマグネット式の小物入れに入れているのですが、これは断然オススメです。顆粒のものには、ニトリの珪藻土スプーンを入れています。
PSの扉を黒に塗ったのですが、これも鉄製だったので、マグネットの小物入れがくっつけています。
同様に、冷蔵庫の横にもたくさんの小物入れが.......。お茶やサプリメントなどが入っています。
200Vの電源の前に、海外で購入したNespressoと電気ポットを置いているのですが、スタンディングデスクの様にも使えるので、ここにラップトップやiPad Proを置いて、立ちながらタイピングしたりすることもあります。
ミズキさんが非常に興味を持って見ていたのが、ハイアールの冷蔵庫です。これ、安いのですがシンプルでコンクリート柄に映えます。最初に設置した時には、こういう感じでした。
キッチンとリビングは続いています。
この青い壁にオーストラリアで購入したアボリジナルアートを飾っているのですが、実はこの絵を狭いこの家に飾れるとは思っていなかったのです。というのは、もともとこの絵は横長に飾っていたもので、何をどう考えても、狭い日本の家に飾れるわけがない。それでもカナメが部屋に持ち込んだので、二人であちこちの壁にあててみて、「違うな」「バランス悪いな」と中々決まらず。この壁にもあててみていたのですが、エアコンのスイッチが邪魔で絵を傾けてしまったところで、二人同時に「あーっ!!!!」と気づきました。
ということで、縦置きにしてみたところ、違和感なしでした。今では、最初から縦置きが正解だったのかもと思うくらい馴染んでいます。
キッチンからリビングにかけての天井は抜いたので、こういう感じになりました。
エアコンも大きいですが、天井が高いので威圧感なしです。
長男のギン(吟)が遊びに来ていたので、Nintendo Switchのケーブルが.......
この窓のロールスクリーンは、なんとアマゾンで購入したんです。
安い上にサイズも指定可能で、我が家の窓に合うサイズを指定しました。コンクリートに直接取り付けてあるのですが、これも大工さんにお願いしました。
ダイニングセットは、20年以上前に大塚家具で購入したものを今でも使っています。
さて、次は、このリノベに費やしたコストについてです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?