海外にある法人は、私が死んだらどうなるのだろう
残念ながら。
思うところあって、エストニアのe-Residencyカードを作って、割とすぐに会社を登記したのだが、2020年に入ってクローズ手続きを進めていて、それがようやく完結した。
実際の手続き作業についてはあっという間に終わったのだが、最終的にその届けを出してから完了するまでに一年近くを要し、でもそれは事前に聞いていたことなので、特に驚くこともなく。
会社を作った理由は、もともと海外に住んでいて、カナメの仕事で国を移動する度に、せっかく現地で登記した法人を畳み、その都度、クライアントさんに振込先の銀行口座の変更依頼をするのが面倒すぎるなと感じたことがきっかけだった。
自分自身の物理的位置に関わらず、どこかに法人を作ってしまえば良いと、割と安直に考えて、エストニアに法人を設立した。エージェンシーを通したので、驚くほど簡単にe-companyが作れたし、本人が現地に赴く必要なくフィンランド系の銀行にビジネス口座(EUR)を作り、クレカも発行してもらえた。と同時にTransferWiseのビジネス口座(EUR、US$)も作った。このTransferWiseがないとドル口座が作れなくなるところだったので、本当にありがたかった。
その後、カナメはアーリーリタイアした時に、世界を数ヶ月ごとに回るような生活がしたいと言い始めていたので、そういう意味でも、この会社を作ったことは有意義だと思っていたのだが。
2019年末~2020年始にかけて、台湾(高雄)で過ごし、日本に帰国してしばらくしてからのコロナ禍で、色々と考え込んでしまった。中国の状況を見ていると、明日は我が身かと思い、もしかすると2020年に私は死ぬかもしれない、という思いが強くなってきてしまった。
四捨五入すればアラ還になろう私に何かあった時に、困るのは子供達だろうなということは、簡単に想像できた。
私は、義父が亡くなった後に、準確定申告の書類を作成したので、それがどれほど大変なことなのかは分かっている。故人が保有する金融資産が何なのか、一切知らされていない状態で、財布に残されていたカードや、部屋にあった通帳などを手がかりに、義母と一緒に毎日の様に金融機関を訪れ、一つ一つ処理していった。本当に大変だったなぁ。
が。
私の場合は、そんなもんじゃない。海外に法人も銀行口座もある状態で私が死ぬと、子供達にどんな迷惑がかかるかを考えると、なんだか気が遠くなりそうになった。
とてもじゃないけど、そんなこと頼めないなぁとしみじみ思ったところで、もうこの歳だから、ちゃんと手仕舞いしておかないといけないのでは、という思いに取り憑かれてしまった。
ということで、エストニアの法人と、Holviの銀行口座とクレカ、TransferWiseのアカウントをクローズした。それ以外にも、海外に残していた銀行口座もほぼクローズした。香港の銀行口座を閉じるのは、少し惜しいなと思ったが、こればかりは仕方がない。自分の始末は自分でつけないとね。
さて、実際の手続きについては、また別記事で。
2017年にこの本を読んだのだが、キョーレツに面白かったし、実際にそのシステムを使ってみて、システムデザインの優秀さにため息が出たよ。
日本はまだまだエストニアの電子政府に追いつけそうにないね。
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