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【推し本リレー】夏休みに読みたい!古今東西”読書の旅”

ウェルビハブ(WBH)1期生なつみです。
今回の推し本リレーは夏休みに旅した気分で読める小説をご紹介!

小説やマンガから価値観や人生の追体験をすることが大好きなのですが、わたしは小説の中に実在する場所や人、お店なんかが出てくるのが特に大好きなのです。
追体験感ましましなので!!

地図をチラ見しながら「あー!ここかぁ!」と心を飛ばしながら旅した気分で読むと楽しさ倍増です。
夏休みにぜひ!!


そうだ京都行こう。

「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦

京都を舞台にした小説といえば登美彦氏ですね!
京大出身の森見登美彦氏が千年の都・京都らしい摩訶不思議感、京大らしい頭が良すぎるとちょっとおかしいのかしら感(凡人による偏見)を惜しみなく発揮されています。

「おともだちぱんち」「偽電気ブラン」「オモチロイ」「偏屈王」「詭弁論部」「三階建て電車」「なむなむ!」
荒唐無稽、パンチの効いた、かわいらしいワードたちが生き生きと踊る森見節。

表題作の夜は短し〜は身も蓋もない話をすると「黒髪の乙女」が夜中飲み歩く(のを彼女を想う「先輩」が追いかけていく)うちに夢か現(うつつ)かな出来事に次々と出会う話ですが、こんな夜も“京都ならなくはなさそう“となるのがオモチロイ。

下鴨神社の古本市、大学の学祭、「先輩」はどこまでも「黒髪の乙女」を追いかけては不思議な人たちと不思議な出来事に巻き込まれます。

森見登美彦入門にオススメの1冊です!
(2024年7月18日現在kindle unlimitedで読めますよ!)

「有頂天家族」森見登美彦

京都といえば登美彦氏なので。笑
こちらは下鴨神社は糺の森の狸が主人公。狸と天狗と人間、三つ巴のエンタメ小説です。
「おもしろきことは、良きことなり!!!」

私大好きすぎて下鴨神社めちゃくちゃ行きましたし、結婚式も候補でした。笑(結局上賀茂神社になりましたが)
四条大橋、南座、六角堂、出町ふたば…ぜひ地図を片手に読んでほしい!
(聖地巡礼ブログやnoteもたくさんあります)

アニメにもなってるのですが、こっちも良き。
京都の街並みに馴染んだ狸たちの活躍に、行ってみたくなること間違いなし!!
小中学生にもおすすめ!

「さんかく」千早茜

森見氏は京都のファンタジーだけど、こちらは現代京都の日常が溢れる本。
町屋の暮らし、美味しいご飯。
いや普通の京都人にしたらこれもファンタジーに入るかも。きっと普通は町屋に暮らしたりしないし、土鍋でご飯も炊かない。

わたしは土地が感じられる小説が本当に大好きなんだけど、ご飯が出てくる小説もまた大好きなので、「さんかく」はハードカバーを買ったにもかかわらず文庫をまた(すっかり忘れて改めて「面白そう」と思って)買ってしまった。笑

大人らしい独り身の気楽さと、誰かと美味しいものを分け合える楽しさ、そこに関係性を作るのかどうか。
わたしの脳内伊東くんは岡田将生。高村さんは西田尚美。華は山谷花純ちゃん。(「海のはじまり」「1122」「アンメット」最近観ました)

ちなみに私は「おはようおじさん」のくだりが好き。
光が届くというか、明るさだけが薄く取り込まれたような静かな部屋に届く外の声。平日のお昼寝みたいな、自分の時の流れと外の時の流れがなんだか違うような感じ。

ご飯と空気をしみじみ感じられる本。

鎌倉もいいぞ。

「ツバキ文具店」小川糸

ご飯と空気をしみじみ感じられる本。といえばこちらもそうです。
「ツバキ文具店」「キラキラ共和国」「椿の恋文」がシリーズで刊行されている、鎌倉が舞台の“代書屋“鳩子のお話。

誰かに手紙で心を伝えたい、でもうまく書けない。
そんな人の依頼を受け、紙やインク、字の書き方から内容までを考えて代筆する鳩子と、人びととの交流がオムニバスめいた感じで綴られています。

合間に出てくる鎌倉の美味しそうなお店や、土地の美しさ、暮らしの描写が素敵。
バーバラ婦人のようになりたいし、鳩子の朝のルーティンにも憧れる。(でもできない自信しかない)

「ツバキ文具店の鎌倉案内」という本も出てるので、そちらを片手に街歩きも楽しそう。
鎌倉は日帰りで行ける距離に住んでいるけど、夜に行ってみたいんだよなぁ。

「鎌倉うずまき案内所」青山美智子

「はぐれましたか?」
モヤモヤ悩んだり迷ったりしている人がたどり着く、双子のおじいさん外巻・内巻とアンモナイトがいる謎の案内所。
青山さんの作品らしく、「気づき」に溢れた優しいオムニバス。

鎌倉も古都だけあって「本当にこういう場所もあるかもしれない。気づかないだけで」と思わせてくれる街。

ツバキ文具店が日常の鎌倉だとすると、鎌倉うずまき案内所は非日常の鎌倉。それこそフラッと日帰り旅行で迷い込んだ時のような。
どちらも受け止めてくれる鎌倉が魅力的なんだよね。

本でならば江戸だって。

「鎌倉河岸捕物控」佐伯泰英

こちらの鎌倉は現代の千代田区内神田。
江戸時代を舞台にした時代小説です。

私、時代小説が好きで。
わかりやすいストーリーとタイムスリップ感で、疲れている時や難しいことを考えられない時にもスルスル楽しめる、効果絶大なエンタメです。
(実際私がハマったのは出産後育休中でした)

徳川将軍や大名が出てきたり、当時の商いや暮らしがあったり、でもまぁ史実どうこうではないエンタメなので、ちょっと知ってる人が出てくるくらいが楽しく読めるという。

江戸の町のここは今で言うとどのへんかな、と言う答え合わせがまた楽しい。
自分が住んでるところの近くが出てくるとこれもまた楽しい。
どうですか、夏休みに江戸旅行。笑

時代小説は多く出版されていますが、個人的には佐伯泰英氏の時代小説が語り口も読みやすくておすすめです!
王道のシリーズとしては「居眠り磐音」シリーズもおすすめ!!

北海道も外せない。

「銀の匙」荒川弘

マンガです。作者は鋼の錬金術師の荒川弘先生。
荒川先生といえば農業従事者でもあったご経験から「百姓貴族」も描かれていますが、「銀の匙」は北海道は帯広の農業高校のお話。

わたしこれ中学生とかで読んでいたら農業高校ルートあったかもしれない、と思うほど魅力的です。
辛そうではあるけど、一次産業の尊さや唯一無二な感じが、このPCパチパチして仕事してる自分の無力さを感じさせるというか。
尊敬しかない・・・!

主人公の八軒少年が勉強一筋からの挫折、無理くり農業高校生活をスタートさせるところからの驚きと成長、変わっていく世界。

そして大好きなアベンジャーズ方式。もしくはサマーウォーズ方式。
それぞれの得意を持ち寄って完成度高い組織ができるやつ!!
誰にでも得意はあるし、誰もがひとりでは生きていけない。
わたしもピザ窯つくって持ち寄り材料のピザ食べたい!!!(読んだらきっとわかってもらえるやつ!)

影響を受けまくっているので、北海道旅行に行った時には乗馬をしてベーコン買いました。

「神さまたちの遊ぶ庭」森下奈都

「羊と鋼の森」の作者・森下奈都さんが十勝の大雪山国立公園にあるトムラウシに家族で山村留学をした1年を綴ったエッセイ。

Googleで「トムラウシ」と検索すると「遭難事故」と出てくるような厳しい場所であり、国内最後の秘境。
アイヌ語でカムイミンタラ=神々のあそぶ庭、と呼ばれるところ。

大自然の中で暮らす宮下家と、集落の人々。
学校の話もとても興味深いし(先生方のスタンスやエピソードがいちいちすてき)、自然の美しさや壮大さ、人々の逞しさや優しさがユーモアたっぷりな文章で綴られていて、うっかり山村留学したくなる一冊。

多分都会に住んでいる人ほど憧れちゃうやつ。


手元にはあと「宮城」「高知」なんかもあるんですが、ちょっと長くなりすぎちゃったのでここまで。

わたしもまた久々に"読旅"したくなりました♡
おすすめの「土地」小説あったらぜひコメントで教えてくださいね!

では次の推し本リレーの走者を、お楽しみに!


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