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オルカン(オールカントリー)とは?SP500とは?新NISAに捧ぐインデックスファンド

オルカンとは何ものか?SP500とは何ものか?歌手グループ名ではありません。エナジードリンクの名前でもありません。秘密警察組織でもありません。株価指数の名前です。このnoteでは代表的な株価指数を紹介します。
本記事は2023/11/19の執筆時点で筆者が調べた内容に基づきます。仮に2024年にオルカンSP500というエナジードリンクが発売されても責任は取りません。

分散投資と株価指数

投資では長期・積立・分散が重要と言われます。日本証券業協会の投資の時間で分かりやすく解説されています。より専門的に知りたい方はGPIFのサイトが参考になります。分散投資を簡単に実行できるのが、株価指数に連動したインデックス型投資信託への投資です。このnoteでは、2024年1月から拡充される新しいNISAでの積立投資の候補にしたい株価指数として、S&P 500、MSCI Kokusai、MSCI オール・カントリー(ACWI)、CRSP USトータル・マーケット・インデックス、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスを取りあげます。

新しいNISA

2024年1月からNISA制度が抜本的拡充・恒久化されます。仕組みの詳細は、金融庁のサイトで分かりやすく解説されています。

投信総合検索ライブラリーでファンドを比較

次の節以降、投資信託を一例として紹介していますが、投資推奨をするものではなく、あくまで参考情報です。投資信託協会の投信総合検索ライブラリーで、すべての投資信託について検索して調べることができるので、気になるインデックスやファンドは自身でも調べてみましょう。

S&P 500

S&P 500(Standard & Poor's 500 Stock Index)は、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出するアメリカの代表的な株価指数です。なお、本名称は、同社の登録商標です。1928年1月3日を基準とする浮動株時価総額加重株価指数で、構成銘柄の選定については選定は指数委員会の裁量によって行われるとファクトシートに記載されています。S&P 500は、ニューヨーク証券取引所、NYSE American、ナスダックに上場されている株式から算出され、構成比率上位は、Microsoft、Apple、Amazon.com、Nvidia、Alphabet(Googleの親会社)、Meta Platforms、Berkshire Hathaway、Tesla、Unitedhealth Groupとなっています。

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社は、2012年7月に、McGraw-Hillの子会社であったS&P インデックスとマグロウヒル(現在のS&P グローバル)の子会社であったS&P インデックスと、シカゴ・マーカンタイル取引所(Chicago Mercantile Exchange: CME)グループの子会社であったダウ・ジョーンズ・インデックスの合併により設立されました。名前にダウ・ジョーンズとあるように、
ダウ・ジョーンズ工業株価平均(Dow Jones Industrial Average: DJIA)も、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出しています。ダウ・ジョーンズ工業株価平均は、ニューヨーク・ダウやダウ平均などとも呼ばれるアメリカの代表的な株価指数で、アメリカの優良企業30社の株価加重指数です。

S&P 500に連動する投資信託としては、三菱UFJアセットマネジメントのeMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)やSBIアセットマネジメントのSBI・V・S&P 500インデックス・ファンドなどがあります。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)の信託報酬は、交付目論見書を参照すると、日々の純資産総額に対して、年率0.09372%以内をかけた額としており、実質信託報酬率はファンドの純資産総額2兆5,000億円の場合0.09280%としています(2023/11/19時点で2兆9千億円程度)。SBI・V・S&P 500インデックス・ファンドの信託報酬は、日々の純資産総額に年0.0638%を乗じて得た額で、実質年0.0938%程度としています。SBI・V・S&P 500インデックス・ファンドは、主としてバンガード・S&P500 ETF(ティッカーコード:VOO)に投資しています。

MSCI Kokusaiとオール・カントリー(ACWI)

アメリカに限らない外国株式としては、MSCIが公表しているインデックスがよく参照されます。MSCIワールド(MSCI World Index)は、先進国23カ国の株式インデックスで、1970年から公表されています。MSCIは、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルの頭文字に由来します。MSCI KokusaiはMSCI Worldのうち日本を除いた外国株式インデックスです。国内株式、外国株式、国内債券、外国債券の伝統的4資産に分散投資する投資信託は、TOPIX、MSCI Kokusai、NOMURA-BPI、FTSE世界国債インデックスを投資対象とすることが多くなっています。MSCI Emerging Marketsは新興国23カ国の株式インデックスで、1988年から公表されています。新興国にはBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などが含まれます。そして、MSCI オール・カントリー(ACWI: All Country World Index)は、MSCI WorldとMSCI Emerging Marketsを合わせた全世界株式インデックスで、1995年から公表されています。MSCI指数ハンドブックに各インデックスの構成国が記載されています。MSCI オール・カントリーの構成比率上位は、ファクトシートによると、Apple、Microsoft、Amazon.com、Nvidia、Alphabet(Googleの親会社)、Meta Platforms、Tesla、Unitedhealth Group、Eli Lilly and Companyとなっています。

MSCI Kokusaiに連動する投資信託としては、三菱UFJアセットマネジメントのeMAXIS Slim 先進国株式インデックスやニッセイアセットマネジメントの<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスFなどがあります。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの信託報酬は、交付目論見書を参照すると、日々の純資産総額に対して、年率0.09889%以内をかけた額としており、実質信託報酬率はファンドの純資産総額5,400億円の場合 0.09885%としています。<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスFの信託報酬は、ファンドの純資産総額に年率0.09889%以内の率をかけた額としています。

MSCI オール・カントリーに連動する投資信託としては、三菱UFJアセットマネジメントのeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)や野村アセットマネジメントのはじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) などがあります。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬は、交付目論見書を参照すると、日々の純資産総額に対して、年率0.05775%(税抜 年率0.0525%)以内をかけた額としており、実質信託報酬率はファンドの純資産総額1兆8,000億円の場合、0.05763%としています。はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)の信託報酬は、年0.05775%としています。

CRSP USトータル・マーケット・インデックス

CRSP USトータル・マーケット・インデックスは、Center for Research in Security Pricesが算出するアメリカの投資可能な全株式のインデックスです。構成銘柄上位は、Apple、Microsoft、Alphabet(Googleの親会社)、Amazon.com、Nvidia、Tesla、Meta Platforms、Berkshire Hathaway、Exxon Movil,Unitedhealthで、インデックスの中では、アメリカにおけるマーケットポートフォリオにもっとも近いと言えそうです。アメリカのバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)は、CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動するETFです。

CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動する投資信託としては、SBIアセットマネジメントのSBI・V・全米株式インデックス・ファンドや楽天投信投資顧問の楽天・全米株式インデックスF《楽天・VTI》があります。

SBI・V・全米株式インデックス・ファンドの信託報酬は、交付目論見書を参照すると、ファンドの日々の純資産総額に年0.0638%(税抜:年0.058%)を乗じて得た額としており、実質的な負担は年0.0938%程度とあります。楽天・全米株式インデックスF《楽天・VTI》の信託報酬は、毎日、投資信託財産の純資産総額に年0.132%の率を乗じて得た額としており、実質的に負担する運用管理費用は年0.162%程度とあります。

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、時価総額加重型のインデックスで、世界の大型株、中型株、小型株のパフォーマンスを表し、かつ先進国市場と新興国市場をカバーしています。リンク下部のファクトシートPDFに詳細が説明されています。ロンドンに拠点を置くFTSEインターナショナルから公表されています。FTSEは、Financial Times Stock Exchangeの略です。

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動する投資信託としては、SBIアセットマネジメントのSBI・全世界株式インデックス・ファンドや楽天投信投資顧問の楽天・全世界株式インデックスF《楽天・VT》があります。

SBI・全世界株式インデックス・ファンドの信託報酬は、交付目論見書を参照すると、ファンドの日々の純資産総額に年0.0682%を乗じて得た額としており、実質的な負担は年0.1102%程度とあります。楽天・全世界株式インデックスF《楽天・VT》の信託報酬は、毎日、投資信託財産の純資産総額に年0.132%(税抜0.12%)の率を乗じて得た額としており、実質的に負担する運用管理費用は年0.192%)程度とあります。

新NISA、何に投資しますか?

米国株インデックスのS&P 500やCRSP USトータル・マーケット・インデックス、全世界株式インデックスのMSCI オール・カントリー(ACWI)やFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスを取りあげました。全世界株式インデックスであればBRICsなどが含まれ、S&P 500とCRSP USトータル・マーケット・インデックスはいずれも米国株のみですがカバー範囲や銘柄選定基準が異なるなど違いはあるものの、構成比率の高い投資先はいずれもGAFAM(Google,Apple,Facebook,Amazon,Microsoft)などで大きくは変わりません。いずれも分散投資(より専門的にはポートフォリオ理論)の観点では良い投資先になりそうです。

特定の商品の推奨はしませんが、投資の議論は好きなので、話してみたい方はSNSでお声がけください。当然ですが、投資は自己責任です。

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