「ある朝礼での出来事」～レベルアップ社員～
30代前半のころ。
小売業に従事していた私はあるビッグイベントの日を迎えていた。
社内で一番の大型店舗のオープン記念日だ。
数十名の社員が一堂に会し、朝礼を待つ。
事業部長がオープンに向けての意気込みを熱く語り出す。
皆少々緊張した面持ちでその話に耳を傾けていた。
そんな時…、
小走りの足音が聞こえてきた。
１階フロア担当のＫ氏だ。
朝礼開始にギリ、間に合わなかったらしい。
事業部長の顔がＫ氏の方を向く。
怒られるか…？
いや、話を途切れさせることはなかった。
しかし…。
「テレレレッテ、テッテ～ン🎵」
ドラクエのレベルアップ音…⁉
「（誰かレベルアップしている…！笑）」
皆そう思ったに違いない。
タイミング悪く通知音が鳴ってしまったようだ。
音の主は…なんとＫ氏ではないか！
※「ドラクエ」とは超・超人気のRPGゲームです。
さすがに事業部長も注意を始めた。
「おい、Ｋ！携帯の電源は切っておけ！気が緩んでるぞ！」
慌てて携帯をいじりだすＫ氏。
レベルアップして怒られてる…。笑
突発的な笑いの神に弱い私。
ツボにハマってしまい、事業部長の話がまったく入ってこない。
遅れてきた上にレベルアップして怒られるＫ氏。
真面目な顔して事業部長の話を聞こうとしている様子がさらに私をツボに閉じ込める。
せめてクラシックとか、流行りの曲とかであれば皆もそれほど気にはしなかっただろうに…。
レベルアップって（笑）
朝礼・会議など、静寂の間の通知音には皆様ご注意ください。
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