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#03 毎日の不完全燃焼がストレスを生む

~過去投稿はマガジンから~

起承転転を生き方の指標にしている童門さんだが、
食生活や体力維持の方法も「童門流」だ。

食事は、1日2食。
朝は好物のクロワッサンで軽く済ませ、昼食は摂らない。
夕食は365日外食だ。

「体力維持では、基本的に歩くこと。と言えば聞こえはいいですが、万歩計をつけて歩数を測ったりしているわけではありません」
夕食は外食と決めているので、運動になるくらいの距離にある店をいくつか決めておき、そこを指標として必ず歩くようにしているのだと言う。

「ですから、自宅からある程度の運動になるような距離がないお店はオミットすることにしています。
年をとると外に出ることを億劫がる人がいます。
しかし、食事でもなんでもいい、何か理由を作って外に出ることが大事なんです」

夕食では、必ずビールをジョッキ2杯は飲む。
あるいはウイスキーならダブルの水割りを3杯と決めている。

「本当は毎日、日本酒を飲みたいのですが、
翌日に仕事や講演の約束などがある場合は、避けるようにしています。
しかし、休肝日など気にしたことがありません。
その代わり、飲むだけではなくちゃんと食べるように心がけてはいます」
2日に1度は200グラムのステーキを食すことが習慣で、
これは日野原重明氏の食事にならっているのだと言う。

「健康番組などで、やれ野菜を摂れ、やれカルシウムが大事と言っていますが、私は一切無視。
要は、長生きをするために生きているんじゃない。
1日1日、やりたいことをやって完全燃焼することが大事なんです。
それが私にとってのいちばんの健康法かもしれません。

最近、ストレスがたまることを悩む人がいますが、私に言わせれば、
それはやりたくもないことをやって、あるいはやらされて、
毎日を不完全燃焼で終わらせている。
だからストレスがたまるんだと思います。
二宮金次郎の〝積小為大〟ではないですが、
小さなことでも毎日コツコツと励み続けていればやがて大きな実を結ぶもので、若い人には毎日“やり切った感”を持ってほしいですね」

※本コンテンツはCOCORO 22号をもとに再構成しています

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著者プロフィール

童門 冬二 (どうもん ふゆじ)

1927年10月19日、東京生まれ。
東海大学附属旧制中学卒業。海軍少年飛行兵の特攻隊に入隊。
東京都庁に勤務のかたわら創作活動を行う。
都庁では都立大学事務長、広報室課長、企画関係部長、知事秘書、広報室長、企画調整局長、政策室長を歴任。
1979年51歳で退職し、作家活動に専念。1960年、『暗い川が手を叩く』で第43回芥川賞候補。
都庁勤務時代の経験をもとに、人間管理と組織管理の在り方を歴史の中に再確認し、
小説やノンフィクションの分野に独自の境地を拓いた。
 著書は『小説 直江兼続』『小説 吉田松陰』『上杉鷹山の経営学』
『情の管理・知の管理』『恕 日本人の美しい心』
『人生を励ます太宰治の言葉』などのほか、約700点ある。