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薬を使う効能と使わない効能について、精神科の先生のお話を聞いてみましょう ※2017年7月発刊COCORO第8号に掲載された内容をもとに5回に分けて掲載します。 働いている人に一般的に見られる心の疾患には、大まかにいってうつ病と適応障害があります。 適応障害というのは、簡単にいうと、うつ症状が見られるが、まだ本格的なうつ病にいたる手前の状態を指します。 そんな心の疾患に対して、薬物治療を行うのが良いかどうかは、賛否両論があります。 とくに適応障害など軽症な方は、薬を用い
~過去投稿はマガジンから~ ここまで、いま私が取り組んでいるスピリチュアルケアについて述べてきました。 まだ日本ではQODの意識が低いといいましたが、 私はQOLを高めることが、結局はQODの向上につながっていくのではないかと思っています。 私は、QOLを高めるためには何をするかと聞かれた時、 「自分軸を持つこと」と答えています。 自分軸を持つとは、 何でも自分が勝手に決めて、周囲のことなど気にせずに生きていくような、 自己中心的な生き方をいうのではありません。 私
~過去投稿はマガジンから~ では、実際にはスピリチュアルケアではどのようなことをするのでしょうか。 私の場合は、ただただ患者さんの話を聞くことに徹しています。 私たち人間には、何かをしてほしいから言葉を発しますが、 時には何も求めず、言いっぱなしにしておきたい という場合があるのではないでしょうか。 私は、人が最期を迎えつつある時、 その気持ちはさらに強くなるような気がします。 例えば、「ここが痛い」と訴える時の患者さんの気持ちは、 痛みをやわらげてほしいから「痛い
~過去投稿はマガジンから~ 最期を迎える人たちが発する答えを出せない質問に対して応えてあげることがスピリチュアルケアだと認識している人は、残念ながらまだ少数です。 スピリチュアルケアは科学ではないので、 誰がやっても同じ対応になるというわけではありません。 ケアをする人それぞれの人生での体験や考え方から導き出されるので、 対応は人それぞれ、地域によっても国によっても異なります。 スピリチュアルケアの実践者としての私のイメージですが、 スピリチュアルペインに苦しんでいる
~過去投稿はマガジンから~ 生活の質、人生の質をQOL(quality of life)といいます。 病気になった人が治療を受けつつ、 いかに自分らしい生活をするか、QOLの維持や向上が着目されていますが、 最近では死に関しても理想的な死があり、 それを意味するQOD(quality of death)という言葉を目にするようになりました。 日本の終末期医療や緩和ケアは、他国と比較しても遜色のない水準ですが、QODの意識はどうかというと、 残念ながらあまり高いとはいえま
~過去投稿はマガジンから~ 高野山での修行を終えて僧侶になった私は、看護師の仕事を再開しました。 下山した後は有髪にしてもよいのですが、 私は剃髪のまま復職することにしました。 「この姿を見た患者さんに嫌がられるかな」と思いつつ、 以前に訪問看護をしていたある患者さんの自宅を再び訪ねました。 患者さんは、私が僧侶になった詳しい事情には触れず、 「お坊さんならわかるでしょう?」と前置きして、 頬にできたシミを指しました。 「これ、お守りに見えない?」というのです。
《スピリチュアルケア》について 僧侶であり、看護師であり、ケアマネージャーでもある玉置さんにお聞きしました。 2020年3月発刊COCORO第38号に掲載された内容をもとに6回に分けて掲載します。 私は現在、3つの仕事に携わっています。 1つはクリニックに勤務する看護師、 2つ目は真言宗の僧侶。 もう1つは、人生の終わりを迎えつつある人とその家族が、残された時間を穏やかに静かに過ごすために必要な、心の奥深いところのケア(スピリチュアルケア)の実践者を育成する非営利一般
~過去投稿はマガジンから~ 私は現在61歳ですが、70歳になったら大好きなハワイで「執筆業一本で食べていこう」という夢を描き、いまからその時の自分なりの理想の働き方をイメージしています。 振り返れば、私は57歳で「定年前起業」をしたわけですが、 いまにして思えば、それよりも5年くらい早く行動していれば、 私が描いている夢を実現する可能性をもっと高められていたのではないかと反省しています。 なぜなら、世間が必要とし、私の仕事に対価を支払ってもよいというスキルを磨き、ノウハ