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🇬🇧留学日記⑨| 修論のリアル。担当教授を探していたら翻弄される(前編)


イギリスの大学院は、日本と違って研究室配属がない。
担当教授(スーパーバイザー)がそれぞれの修論の面倒をみてくれる。


9月の新入生ガイダンス。
「皆さんのスーパーバイザーは4月に決まります」学部長は言った。

そして現在。
スーパーバイザーは12月に確定。
そしてバッチバチに修活(修論活動)が始まっている

修論カレンダー


5ヶ月の前倒し・・・
何でこうなったの・・・?


修論翻弄記。前編。
(放浪記を意識してすいません)


教授の噂に震える

学部長の「4月に決まる」宣言は私たちを不安にした。
去年卒業した友人は1月にはスーパーバイザーが決まっていたと言っていたし、8月の修論提出を考えるとかなりタイトだ。
私は入学前から気になる教授がいたので、水面下で事を運んでおこうと思っていた。

入学して1週間。
学生、教授が集まるウェルカムパーティーに彼女はいなかったので、他の教授にどんな人なのか聞いてみた。

「●●教授にスーパーバイザーしてもらいたいなって思ってるんですが、
どんな方ですか?(とてもキラキラした瞳)」


2人の教授はこう話した。




・・・・・・・。



疑惑の公文書みたいになってすいません。
あまりにも"苛烈"な返答が来たので黒塗りで自主規制させてもらった。

・・・教授のことを知りたがってる学生に第一声でそれいうかね? と言うのが率直な感想だ。

オブラードに包んで要約すると、
対人コミュニケーションがあまり得意ではない方と言われた。


「とっても優秀で尊敬する学者なんだけどね」
笑顔で彼らは続ける。

・・・遅い!!!!
最初にインパクトあること言いすぎて帳消されていない・・・!!!


不安が募る。
私、この評価の教授とやっていけるのか・・・・。


教授はいなかった

「実は存在しない」系の陰謀論ではない。
教授は今年から「サバティカルリーブ」という休暇制度を活用しており学生のスーパーバイザーを担当しないようだった(悲)。

熱意を伝えたらスーパーバイザーやってくれないかな。
淡い期待を込めてメールしてみた。心の中の松岡修造も応援してくれている。

(大体の内容)
あなたと一緒に研究がしたく本校への入学を決めました。
今年は休暇でいらっしゃらないと存じ上げておりますが、
関心テーマと先生の研究が近いのでお話しできませんか?


〜5分後〜
返信めっちゃ早い(感謝)。

(大体の内容)
メールありがとう。ごめんなさい今休暇なので研究には関わらないの。
ただあなたの熱意とテーマは素敵です。もしこのテーマに関心があるならこういう論文読んでみて。


優しくて素敵な教授だ。結果はどうであれ、
全然コミュニケーション得意じゃないか。




ただ1点。あなたのテーマはマッドサイエンティスト的なので修士論文では実施するのが難しいわ。キャリアを積んでからトライして。頑張ってね!



・・・私がヤバいやつと思われてる・・・・


研究室訪問に震える


テーマが近かった別の教授も同じく休暇を取っていた(悲)。

彼にもコンタクトを取ると、お話しさせてもらえることになった。
(心の松岡修造も再度応援)

教授を知っている先輩と仲良くなったので、
事前に「教授ってどんな人ですか?」と聞いてみた。


彼女は無表情で答えた。



「・・・・・・変わってる」
以上。


不安!!!
不安すぎ!!!

(笑)とか語尾につけてよ・・・。
ガチやん・・・・。

「教授の研究室、ここから近いから案内してあげるよ。」
彼女に連れられ研究室の前に立つ。



中から男性の大きな鼻歌が聞こえた。



非常に不安すぎ!!!!


訪問当日。
テンションとしてはダイオウイカとmtgする!!
くらいの得体の知れなさを感じながら扉を開ける。

ダイオウイカとmtgのイメージ画像



「Hi! How are you?(スマイル)」

なんだ、とってもいい人やん。安心。
先入観とは全く異なり、柔らかい雰囲気と無邪気な笑顔で迎えてくれた。






部屋中の頭蓋骨とともに。



事件!!!!!!!!!!



魔界の研究室!?!?!?
闇の帝王!?!?!?
通報した方がいい!?!?!?

彼を絶対に怒らせたらダメだと思った。
さもなくば・・・私も・・・


また不安に陥った。



結論、彼も休暇中なのでスーパーバイザーは難しいと言われたが、
不安をよそに非常に親しみやすく温かく優しい先生だった。


お礼に日本のお土産を渡そうとする。
和洋折衷を意識して、和紅茶を持っていた。

「お土産なんていらないよ、気にしないで」
教授はどこまでも優しく腰が低い。


「本当に気持ちだけなんで・・・。
日本から買ってきました」


「そういうなら・・・」
教授も手を伸ばした。そして一言。



「Green teaじゃないんだ⤵️
がっかりした表情だった。



・・・遠慮してた割に貰うものは選ぶんだ・・・。
ってめちゃめちゃ思ったけど、骸骨にされないように急いで部屋を出た。

(多分骸骨は文化人類学関連で使用していたのかな・・・)


💡ここまでの振り返り

・事前評価は不安だが、教授はとてもいい人たち(個性が豊か)
・マッドサイエンティストとして扱われる
・魔界の研究室にお邪魔する
・重ねて教授たちは本当に素敵


こうして9月が過ぎる。スーパーバイザーは探せていないが、
4月までまだ時間があるし、ゆっくりアポを繰り返したらいいか。


その時はそう思っていた。後編に続く。



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