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自分なりのテーマ(思想性)の出し方

YouTubeの漫画動画でも、企画がすでに出来上がっているシナリオをやるのでも、ある程度の話の道筋やテーマが出来上がっているかと思います。
しかし、その内容をそのまま組み立てて、話として深みが出るでしょうか?
今日は、限られた道筋(大まかなテーマ)の中で、自分らしいテーマ(思想性)の出し方を書いていきます。

作家であるなら、自分らしい文章を書きたいと考えているシナリオライターさんは多くいらっしゃるかと思います。
しかし、仕事でやるものに関しては、大抵がこれこれこういった話でといったように、道筋を指定されて執筆にかからざるおえません。
仕事なので、完全に自由には書けないのは、仕方ないです。
しかしそんな中で、自分の思想性を出すやり方はあります。
限られた中でも自分の思いだったり、自分らしい表現を書くことはできます。
では、どうやって出すのか…。
それは、主人公と自分とを投影するやり方です。

限られた道筋で、物語を組み立て、その後、主人公に自分を投影してみます。
主人公は、いったい何に困り、どうしたいのか、そのためにはどういう行動を起こしたらよいのか…。
自分が常日頃表現したい内容を頭の中で思い浮かべ、主人公に投影すると、主人公の取るべき行動が見えてきます。
親との対立を描く物語だったら、主人公が常日頃親に対してどういう感情を抱いているのか、それを解消するには主人公はどういった行動を起こして、どの様に気持ちの変化が起きるのか。
それを考えられるようになってくると、おのずと自分らしいシナリオが書けてきます。
それができるようになってくれば、物語にも深みが出てきて、より視聴者の共感も得られるようになってきます。

ただこの思想性…、あまり重たいものを出すのも、賛否両論あるようで、黒澤明監督と脚本家の橋本忍氏の関係に関して、こういった内容をぶつけた人もいたようです。

“「黒澤さんにとって、橋本忍は会ってはいけない男だったんです」「そんな男に会い、『羅生門』なんて映画を撮り、外国でそれが戦後初めての賞などを取ったりしたから……映画にとって無縁な、思想とか哲学、社会性まで作品へ持ち込むことになり、どれもこれも妙に構え、重い、しんどいものになってしまったんです」。発言の主は名匠、野村芳太郎監督である。”

こちらのページの『第116回 「藪の中」に「羅生門」を繋ぐ(黒澤明と橋本忍) 文学に関するコラム・たまたま本の話』より抜粋しました。

クライアントの世界観に合わせて、思想性を出すのも、重要ですね。

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