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東京大学の新ブランド、UTokyo Goの全貌。

4月になりました。

新年度ご入学、入社のみなさまおめでとうございます! 

といっても式典等イベントの縮小や休校、外出自粛がつづいているのでなんとも複雑なのですが・・・・・・

今回の『週刊GRAPH』は、東京大学に関連するお話です。


東大の頭脳を生かした商品が手に入る「東京大学コミュニケーションセンター」

『出没! アド街ック天国』というテレビ番組はご存ですか?

毎回特定の地域に密着し、そのエリアの魅力を徹底取材して紹介している人気番組です。

3/7放送回は「本郷」特集でした。

おすすめ情報をランキング形式で紹介するこの番組で、栄えある「1位」を獲得したのが、「東京大学コミュニケーションセンター」

実はここで取り扱っている商品の中に、GRAPHが関わっているものがあります。

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▲東京大学コミュニケーションセンターは、東京大学の正門である、有名な「赤門」をくぐってすぐ左側にあります。


東京大学のオフィシャルショップ。外国人観光客や受験生たちが、東京大学を訪れた記念にと、お土産品を求めて訪れるスポットなのです。

東京大学コミュニケーションセンター(UTCC)は、東京大学と社会・世界との双方向のコミュニケーションのための拠点として、2005年3月にオープンしました。研究成果を活用した商品や、UTokyoマークを配したオフィシャルグッズを販売しています。(UTCCのホームページより抜粋)

東京大学コミュニケーションセンターが普通のお土産物屋と違うのは、大学ならではの研究成果が反映されている商品がある、というところ。

たとえばこちらのアミノ酸ゼリー。

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▲こちらのゼリーはりんご味。買って飲んでみましたが、おいしかったです!


東京大学ではアミノ酸の栄養効果の研究が重ねられていて、これまでに競走馬への繁殖・育成やスポーツ選手への栄養補助食品としての研究が進んできたそう。

その研究をもとに、カラダの基本となる筋肉に大切なアミノ酸をおいしく取り入れられるサプリメントやゼリー飲料を開発したのです。

ほかにもスキンケアアイテムやヨーグルト、お酒などが販売されています。


オフィシャルグッズブランド「UTokyo Go」

そんな東京大学コミュニケーションセンターに並ぶ商品の中に、こんなオフィシャルグッズブランドがあります。

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こちらが、GRAPHがネーミングとデザイン、商品企画に携わっているブランドなんです。

さて、このブランド名、なんと読むでしょう?

正解は……

UTokyo Go(ユートーキョー ゴー)。

なぜこのネーミングになったのか、そのコンセプトや、デザインへの落とし込み方についてお聞きしました。


大学の、ブランドとしてのあり方を考える

そもそも「大学のオフィシャルグッズ」とは何か。

たとえば海外では、大学名そのものにブランドとしての価値があり、オフィシャルグッズショップを展開しているところがあります。

私もイギリスのオックスフォードを訪れた際、大学のオフィシャルグッズショップに立ち寄り、そこで買ったパーカーを現在も愛用しています。(かれこれ7年もの。)

大学が、街自体のブランドとなって機能している感じでした。

東京大学といえば日本の最高学府といわれ、世界的にも知名度のある大学で、海外の観光客も多く訪れるスポットでもあるので、そのようなブランドにしていける可能性があります。

現在も東京大学のロゴマークを冠したオフィシャルグッズはいくつか展開されていますが、GRAPHが提案したのは、それとまた別の新しい顔となるもの。

それが「UTokyo Go(ユートーキョー ゴー)」なのです。

University of Tokyoを表す「UTokyo」は、すでにさまざまなところで使われており、認知が広がっています。ここにさらに「Go」をつけて、新しいブランド名としました。

Goは、「行く」

これは、訪れるという意味でもあり、入学するという意味でもある、ダブルミーニングの名前です。さらに、「合格」のGoでもあります。


「すんなりと読めない」マークが意味すること

さてこのブランド名。商品をご覧になって、みなさん気になっているかと思うのですが・・・

「なんでG°? なんでoが小さいの?」

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▲私も初めて見たとき、「・・・・・・G度、かな? Gマルプラス、とかかな?」と思いました。


ここには次のような“ねらい”が。

ネーミングを考案した一成さんのお話によると……

「「UTokyo Go」ロゴマークは、最後の「o」を小さく配置し、まるで記号のような印象を与えるようにあえて設計しています。

これは、コミュニケーションにおける“フック”をつくるため。

私たちの脳は、“パターン認識”が得意。よく見知ったものや、予測がつけやすいもの、すなわち“流暢性の高いもの”はよく伝わり、認識スピードも高くなります。

その意味では、「o」を大きくしたほうが“すんなり読める”のは間違いないんです。

しかし、スムーズに読めるということは、記憶に残りにくい、ということでもあります。

「これはいった何だろう」と気に留めてもらい、より強く記憶に残るには、よく見知ったパターンからのズレが重要となるんです」


「G°」とすることで、コミュニケーション上の“引っかかり”をつくり、より記憶に留めてもらえるように設計している、というわけなのです。


それに、「U Tokyo Go」は、“東京大学へ行こう”という意味や、“合格”のGoの意味を重ねており、東京大学の学生をはじめ、受験生などに手にとってもらうことを想定していますが、「U Tokyo Go」とスムーズに読めてしまうと、少々ストレートすぎる表現となるので、手に取ることが少し恥ずかしいと感じる方もいるのではないかと考えました。

シンプルでクールな商品デザインに沿いつつも、ニュアンスを伝えるに最適な形は何かと考えて、記号的な表現にしています」

でも、読めなかったら・・・・・・? Goと読めず、「G度」なのかな、と思ってしまわないでしょうか??

そうした不安を解消するために、実はもうひとつ工夫がされています。

「「G°」という表記を、「ゴー」という音と一致させるために、「U Tokyo Go」のロゴマークは、常に近くに「THE UNIVERSITY OF TOKYO GO」の正式名称の表記も配置するようにしています。

消しゴムなら側面に、ノートなら背表紙にと、近くに「THE UNIVERSITY OF TOKYO GO」があることで、「ああ、ゴーと読むんだな」と、読み方を認知させるとともに、ロゴマークとのつながりを発見できるんです」

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▲商品には必ず「THE UNIVERSITY OF TOKYO GO」が一緒に表記されています。


こうしてできた第一弾商品が、ノートと消しゴム(2019年4月発売)です。

その後、鉛筆を商品化。昨年からボールペンも仲間に加わっています。

以前『週刊GRAPH』でも、デザイナーの加藤さんが関わっているプロジェクトとして少し紹介したことがあります。

次回の『週刊GRAPH』では、UTokyo Goの商品について詳しく紹介していきます。どうぞお楽しみに!

さらに、『日経クロストレンド』および『日経デザイン』にて好評を博している連載記事、「デザインの限界」の最新記事でも、UTokyo Goが取り上げられています。無料会員登録をしていただければどなたでもご覧いただけますので、こちらもぜひご覧になってみてください。


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