【解説】rTMS治療について
こんにちは、Wenです。
今回は、コロナ後遺症(ワクチン長期副反応)で気になっている方も多いかと思いますので、「rTMS」治療について解説したいと思います。
よかったらご参考にされてください!
結論
コロナ後遺症(ワクチン長期副反応)の方には、オススメしないです。
理由は後述しますが、効果を感じられなかったのが一番の理由です。
rTMSとは
rTMSとは、repetitive Transcranial Magnetic Stimulationの略で、日本語では反復経頭蓋磁気刺激(はんぷくけいずがいじきしげき)と言います。 rTMS療法は、頭に密着させた専用の器具から磁場を発生させ、特定部位の神経細胞を繰り返し刺激して、鬱病による症状を改善させる治療法です。現在はコロナ後遺症にも効果が期待されるとして、都内を中心に少しづつ導入する病院が増えてきました。
治療法詳細
期待する効果
鬱症状(気分の落ち込みや意欲の低下)の改善
刺激する部位
背外側前頭前野(dorsolateral profrontal cortex: 通称DLPFC)
スイミングキャップを着用するケースが多い (初回に狙う箇所の計測を行う)
費用
自由診療の場所がほとんどのため、1クールで10万〜30万くらいが相場。
入院が必要な場合もある。
治療時間
10分〜40分 / 回 ※1時間ほど空ければ1日最大2回まで可能。
治療回数
1クール 20〜30回としているところがほとんど (私も20回受けきりました)
鬱病の方の脳では、左側DLPFCの機能低下によって、ワーキングメモリー・ネットワークの活性が低下し、意欲や判断力が低下します。一方で、休息時や、心がさまよい雑念が次々に浮かんでくるような時に活性化するデフォルトモード・ネットワークが過剰に活性化する結果、過度に内省的になり、否定的なぐるぐる思考が起こりやすくなると考えられています。
脳の前頭前野の中でも、左側の領域はポジティブな感情に関与し、右側はネガティブな感情に関与すると考えられています(Grimm et al., Biol Psychiatry 2007)。
そのため、rTMS治療では左側のDLPFCを活性化(また右側は抑制)することで、ポジティブな感情選択や思考が再び可能になる、と期待されている治療法です。
受けてみて
この治療はいくつか難点があります。
治療費が高い
効果が読めない / まだまだ症例数が少ない
通院が大変
トータルで短期期間ではあるが、時間がかかる
施術者の技量に影響を受ける(不慣れ)
まず治療費が高いですよね。これは結構ネックです。コロナ後遺症の患者さん方の多くが働けず、また働いていても時短勤務という状況でしょうから、正直受けやすい金額帯ではないなと感じています。
そしてその割に効果が未知数。(コロナ後遺症に限っては)まだあまり改善している報告を目にしません。
さらに地方だと通院も大変だったりします。設備を導入している場所が限られているので、毎回辺鄙な場所まで通院となると結構大変です。
そして意外にも時間がかかるという点。1日に2回受けたりする場合は、1時間空けないといけないわけですから、結構な待ち時間が発生します。
極めつけは、施術者の技量でその効果にも大きな影響があるという点。実際、私の場合は主治医+看護師2名のサポートで行っていたのですが、ベテラン看護師さんの場合はセッティングにも時間がかかった挙句、全く刺激が入らない(場所がズレる)というケースが多かったです。これも結構ストレスだったりします。
一方で、もちろんメリットもあります。
副作用がほとんどない
難治性の鬱病にも効果が見られる
短期で改善可能(トータルで1ヶ月ほどで受け切ることができる)
特に難治性の鬱病にも効果が見られること、短期で改善可能である点などは、とても辛い毎日を過ごす患者さんにとっては大きな希望ではないかと思います。(実際、私自身もそこに期待していました)
まあ色々と言ってきましたが、あくまでも経験者の一意見としてご参考にして頂ければ幸いです。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、rTMS治療について解説してみました。
個人的には、コロナ後遺症(及びワクチン長期副反応)の患者さん方には、
あまりオススメしませんが、まずはどういう治療なのか、本記事が全体感やイメージだけでも掴むきっかけになれたなら幸いです。
最後までご覧くださりありがとうございました。
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