見出し画像

飲食店の繁盛ダネ!その3 "QSCで勝ち残るための基本"〜Qについて〜

前回の記事では、飲食店が繁盛するためには、明確なテーマ・コンセプトが不可欠であり、それらを具体的に考えるための方法を伝授しました。

テーマ・コンセプトがしっかりと確立されていれば、内外装、商品、サービス、プライスの4つの要素を通じて、そのテーマを顧客に訴えかけることができます。

今回は、コンセプトがしっかりと出来上がった店が、次にやらなければいけない"飲食店の基本整備"について詳しく解説していきます。



1. QSCとは

基本整備を考えていくときに必ず出てくる言葉があります。それはQSCです。

QSCは、品質(Quality)、接客(Service)、清潔さ(Cleanliness)の頭文字を取ったもので、繁盛店を作るための基礎となる3つの要素を指します。

品質(Quality): 提供する料理や商品そのものの質。
接客(Service): お客様に対する対応やサービスの質。
清潔さ(Cleanliness): 店内の清潔さや衛生管理の質。

2. 「Q」の本質を見極める

今回はその中でも特に「Q」について取り上げます。

Qは商品(料理)クオリティのことで、商品の品質管理が主な意味ですが、最近は味はもとより料理の盛り付け、ボリューム、器のセンス、新食材の導入、提供方法、そして、メニューの構成、アイテム数の決定、また料理そのものの情報提供なども含めて考えなければなりません。

3. 美味しさだけでは不十分

まず、味については「美味しければ店が流行る」と思っている人が多いのですが、そもそも不味かったらお客様は来ません。今の時代美味しいのは当たり前です。食えないものなど誰も売っていません。

そんな店があってもあっという間になくなっています。ですから、美味しさの追求は必須事項であり、繁盛の切り札ではないのです。さらに、現代では「美味しい」という基準が多様化しています。

例えばヘルシー志向やヴィーガン対応、特定の文化に根ざした味わいなど、ターゲット顧客に合わせた美味しさが求められることも増えています。

4. 顧客が求めるのは「味」以外の価値

また、「美味しい、不味い、の二つに分ければどちら」という質問には答えられるけれど、どう美味しいのか、どのくらい美味しいのかの判定ができるお客様は、そう多くはないのも事実です。

食感研究所の調査でも、五味をほとんど正確に味分けられる人は4人に1人の割合でしかないそうです。料理の達人や鉄人の料理も、彼らが作っていることを知らずに食べれば、単純に美味しいと答える人が75%もいると、言っても過言ではありません。

ですから、味については"美味しさの追求は大事だが、それが決め手ではないし、ましてや全てではない"と結論づけてもいいのではないでしょうか。
つまり、多くのお客様は味以外の価値観を含めて美味しいと言っています。

コンセプトによる中心客層ごとに価値観が多少違いますが、それが盛り付けの素晴らしさ、珍しさであったり、ボリュームの量、器のセンス・珍しさ、そしてその料理の提供の仕方(氷やドライアイス、火を使用するなど)であったりするということです。

さらに、現代ではSNSの普及により、料理の見た目や提供方法がより一層重視されています。特にインスタグラムやTikTokといったプラットフォームでシェアされる料理の視覚的アピールは、顧客を惹きつける重要な要素となっています。

5. 情報提供と透明性が求められる時代

また、最近は料理に対する情報を求めるお客様も増えています。どのようにしてこの料理が出来上がってきたのか、とても知りたがっています。

これは、新食材の情報やサステナビリティに対する関心の高まりといった背景も影響しています。店が料理教室を開くと結構な人数が集まるという話はよく耳にしますが、そのことの表れだと言えます。

技術的なことやレシピの提供だけでなく、食材の産地や調理のプロセス、エシカルな取り組みなども情報提供の一部として求められています。

6. クオリティは総合的な価値の提供

このように、味以外の価値観を含めてクオリティの高さを追求していくことが、現代の飲食店のQSCのQです。

次回はメニューの構成と分析について伝授し、その後にSとCについて伝授します。


最後に

日本の飲食店は、テクノロジーの急速な進化、消費者行動の変化、原価や人件費の高騰といった課題に直面しています。

弊社では、実績豊富な飲食店コンサルタント 石田義昭によるオンライン相談(初回無料)を通じて、そのような課題の解決をサポートいたします。

詳しくはこちら↓

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

いいなと思ったら応援しよう!