2008年をピークに、日本の総人口は急降下を始めた。現在約1億2500万人の人口は、2100年には6000万人を下回り、半分以下となる見込みだ。人口増加を前提とした現行の社会保障…
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【特集】昭和を引きずる社会保障 崩壊防ぐ復活の処方箋[Introduction]
編集部(川崎隆司)
「失われた30年」
〝平成〟という時代を総括するときにしばしば用いられるこの言葉にはどこか、〝昭和〟という時代を礼賛する響きがある。
たしかに、敗戦後の焼け跡から国を再興し、経済面では、世界首位の米国に肉薄した輝かしい時代だった。そして、バブル崩壊によりその輝きが手からすり抜ける悔しさを味わった時代でもあった。
高度経済成長期の幻想を追い求め続けた「平成」が終わり、
「医療」から「介護」への転換期 〝高コスト体質〟からの脱却を|【特集】昭和を引きずる社会保障 崩壊防ぐ復活の処方箋[PART-3]
土居丈朗(慶應義塾大学経済学部教授)
政府が2018年5月に公表した将来見通しによれば、18年度の時点で年間約122兆円(国民1人当たり約96万円)にのぼる社会保障給付費が、25年度には約140兆円(国民1人当たり約114万円)に達するという。さらに、わが国で高齢者人口がピークを迎えるとされる40年度には約190兆円にまで跳ね上がることも示されている。
この社会保障給付費の将来見通しは、人