実家暮らし・子ども部屋おじさんの何が悪いの? 後編
子ども部屋おじさん。
縮めて、「こどおじ」
成人後も実家で両親と暮らす独身を指し、社会問題としてワイドショーなどで取り上げられています。
俺は、noteを読んだテレビ局からX(Twitter)のDMを受け取り、電話取材を受けたほどの一流(?)の「子ども部屋おじさん」です。
前編では
この2点を解説していきました。
本記事は後編として、子ども部屋おじさんとしての意見を述べていきたいと思います。
前提① 実力不足は否めない
まず前提として、実家暮らしの子ども部屋おじさんには、いささか何らかの「実力不足」の印象を与えてしまうのは事実であります。
新卒の頃から実家暮らしの「子ども部屋おじさん」で生活をしていくために多額の年収が要りません。最悪バイトや派遣で食いつなげるし、加えて副業をやれば若手の正社員よりも年収が高く、ライフワークバランスが保てます。
良くも悪くもブラック企業の正社員にしがみつかず、適当に決めたり、すぐ辞めたりしました。もう年齢や職歴に限界が来て、独立開業するくらいしか、方法が無くなってしまったのです。
気軽に物が買えなかったり、必要な投資がなかなかできなかったりします。
そこは自分の実力と不徳のいたすところかなと。
前提② 一人暮らしにも意義はある
少なくとも俺は、一人暮らしを否定していません。
大学時代は一人暮らしをしていましたが、 一人暮らしをしているだけで自立とは思いませんし、偉いとか立派とも思いません。
ですが、可能であれば人生で一度くらいは一人暮らしを経験してみてもいいかもしれません。
どうしても実家で暮らせない事情があり、一人暮らしの方が快適に感じる人もいます。働きたい会社や仕事を求めて、一人暮らしを選んだ人は尊敬します。
それってあなたの嫉妬ですよね?
これから色々と意見を述べていきますが、結論を先に書いておきますね。
「子ども部屋おじさん」が叩かれる理由は
結局のところ、嫉妬だと思っています。
家族と不仲で実家に暮らせないとか、実家から通える範囲の職場へ転職ができないとかで、仕方なくクソ高い家賃や月極の駐車場代、光熱費などを払いながら寂しく一人暮らしを続けている「一人暮らしおじさん」がいます。
自分の意思に反して、マイホームを持つことになってしまい、バカ高い住宅ローンや固定資産税を払っていき、家族まで養う「マイホームおじさん」もいます。
彼らが、苦しい思いをして会社にしがみついて、必死にお金を貯めて、なんとか生活費を捻出しているのに対し
子ども部屋おじさんは、お金と時間に余裕はあるし、条件と工夫次第では非正規雇用でも年間50~100万円くらいの貯金をしながら、悠々と暮らしていけます。
「俺がこんなに苦労して生活しているのに、気にくわねえ!やーい!子ども部屋おじさん!自立できてない!親に甘えんな!お、俺の方が偉いんだからな!?(震え声)」
と叩かれていくのです。
人間が「嫉妬」「貧困」という感情を心の奥底に封印し、「苦労して大変な思いをすればするほど人として正しい」という考え方を捨てない以上は、「子ども部屋おじさん」は永久に叩かれていくでしょう。
生活費を払っていればOK
実家に生活費として、お金を入れていれば実家暮らしで良いのではないでしょうか。
一人暮らしをしているよりは、だいぶ安く抑えられるはずです。
入れている金額は3~5万円ほどの人が多いです。
40代以降や年収が1000万円ほどの方であれば、7~10万円を入れている人もいます。
もちろん実家から払わなくていい、貯金しておけと言われることもあります。
家事スキルがあり、手伝っていればOK
ここでいう家事スキルとは
・料理、洗濯
・部屋やお風呂の掃除
・朝のゴミ出し
・スーパーなどへの買い物
・町内会などの活動
・役所への手続き、納税
・保険の加入、解約などの手続き
これらを指しています。
子ども部屋おじさんが懸念される点は、これらの家事を全て親に任せきりで、自分は一切手伝わないし、能力的にできないから、なのです。
親が亡くなってしまうと生活ができなくなるのです。親を亡くしても葬儀屋などの相談窓口を探して、手続きをして・・・そういうことができず、孤独死や自決するという人もいます。
一人暮らしの経験があったり、子どもの頃から積極的に「お母さんのお手伝い」をしていた人であれば、そんじょそこらの一人暮らしおじさんよりも家事スキルがあるため、問題ありません。
むしろ足腰が弱くなった家族の代わりに掃除や洗濯をしたり、免許を返納した親の代わりにスーパーまで買い物に行ったり、立派ではないでしょうか。
見栄や世間体より、お金を持っているほうが立派
一人暮らしよりも生活費が抑えられますし、家事に費やす時間も労力も大幅に減ります。
近年では「コスパ」「タイパ」を大事にしていくことを是とする世の中に変わったのに、明らかにコスパとタイパが抜群に良いはずの「実家暮らし」が未だにダメなのは、なぜでしょうか。
一人暮らしのための費用が月に14万円で、実家暮らしのための費用は月に9万円くらいだとします。
差額の5万円、年間60万円です。
数年間も貯金すれば車は買えますし、好きな人との結婚式も気軽に挙げられます。
あくまでシュミレーションでの理論値ですし、変動もあります。金額と利回りが高いほど、安泰な運用益が期待できます。
定年退職時に退職金とは別で1億7000万円以上のお金を得られます。
逆に一人暮らしおじさんは、数千万円のお金を家賃や月極駐車料金などの無駄な支出という形で捨てているのと同じです。
見栄や世間体のためにもカツカツで一人暮らしをするよりも、実家暮らしでもお金を残している方が本来は評価されるべきなのです。
子ども部屋おじさんを叩くような人とは結婚しなくて正解
前回でも触れましたが、新卒の若手や特段の理由がある人を除いて「子ども部屋おじさん」は女性受けが悪いです。
経済力や家事スキルに乏しいため、円満な結婚生活をイメージできないとか、女性が最も嫌う「マザコン」である可能性があります。
しかし、実家暮らしをしているだけの「子ども部屋おじさん」というだけで、頭ごなしに拒絶・嫌悪感を抱くような女性とは、結婚しなくていいと思います。
子ども部屋おじさんは「自律」できている
一人暮らしになったことで自由の身となり、何か自制心・自律が効かなくなり、徹底的に自堕落になってしまう人もいます。
実家暮らしなら、家族のためにもと重い腰が上がり、炊事も洗濯も家族と一緒にやるんですけどね。
・昼夜逆転した生活になって体調を崩す。
・外に出るのが面倒くさくなってしまって支払いを滞納したり、ゴミ屋敷のような部屋になったりする。
・消費者金融や闇バイトに電話をしてしまったり、怪しい副業に手を出して余計に損をしたりする。
・生活保護や自己破産などの制度を安易に頼る。
こういう「一人暮らしおじさん」もいます。
それでも一人暮らしをしているから、自立していて偉い!と言えますでしょうか?
むしろ家族の目や存在が自分を律する理由となって、ある程度規則正しい生活を送り、適度に掃除や食事をし、健全なプライベートを楽しんでいる「子ども部屋おじさん」もいます。
家族と共同生活なので、「自律」や「協調性」は高いと言えます。
叩く理由は、消費拡大のためかな?
「子ども部屋おじさん」を叩くのは、不動産会社の陰謀、ステルスマーケティングとよく言われています。
一人暮らしの人口を増やして、空き部屋を減らして効率よく利益を上げようとする不動産会社や大家は一定数いるからです。
お菓子メーカーが、お菓子を爆発的に売れる機会を作りたいということで、それっぽい理由を作り、流行らせたのが「バレンタインデー」「ホワイトデー」「ハロウィーン」などと言われています。
それと同じような理由が考えられています。
一人暮らしおじさんが一人増えるということは、世帯が1つ増えるということです。
・・・小泉構文じゃないですよ?
人が生活をしていくためには、テレビ、洗濯機、布団、冷蔵庫、エアコン、掃除機、食器棚、コタツ、一通りの家具が必要になります。
一人暮らしおじさんが一人増えるときには、一通りの家具・家電が購入されるため、売り上げがその分増え、最終的には経済が回ることに繋がっていきます。
消費者から更にお金を巻き上げたい経営者や資本家が流行らせているようにも・・・感じます。
まとめ 「子ども部屋おじさん」は感情論を抜きにすれば最強である。
いかがだったでしょうか。
本記事では、子ども部屋おじさんもいいことばかりだし、それを叩く人たちが正しいとも限らない、ということが伝わるように書きました。
一番大事なのは、
・家族に迷惑をかけず、家族の一員としての責任を果たしていること。
・その上で自分の人生を楽しんで、お金を貯めていること。
これが出来ていれば子ども部屋おじさんは別に悪いことではないと思っています。結局叩かれる理由の多くは、嫉妬なのですから。
法律違反やマナー違反でもありません。
胸を張っていきましょう。
ただ、1つだけ気をつけることがあります。
そんな最強の「子ども部屋おじさん」ですが、多くはいずれ破綻します。
実家が建て直し・売却になり、次の家には自分の「子ども部屋」がない。小さな家、アパートに定年後の両親「だけ」で暮らしたいので、それを機に一人暮らしをしろとか言われることもあるでしょう。
死亡や転職に伴う転居などで家族と世帯収入が減り、少額の生活費を入れるだけで悠々自適に暮らしていける「子ども部屋おじさん」として生活することができなくなり、転職のために「一人暮らしおじさん」もしくは相続して「マイホームおじさん」になってしまうこともあります。
結婚するために、前向きに「子ども部屋おじさん」を卒業して、「マイホームおじさん」になる人もいます。
色々と理由はありますが、「子ども部屋おじさん」は端的に言うと「太い実家と両親」を多少なりともアテにするライフスタイルです。
充分な収入・貯金・職がないままの独身「子ども部屋おじさん」がその家や両親を失ってしまうと、「子ども部屋おじさん」の多くは、いずれ破綻し、終了を意味します。
いつまでもあると思うな親と金、とはよく言ったモノです。
今後の「子ども部屋おじさん」はレベルアップが求められていきます。
お金に対して充分な知識を身につけ不安を取り除いたり、資格やスキルを磨いて自分自身で実家を維持できるほどの高い経済力を身につけるなど、工夫が必要です。
正社員や公務員、既婚者ならともかく、そうでないのなら20代のうちからでも将来に備えた行動をしておかないと、大変なことになります。
まずはFP3級の勉強やnote執筆、資産運用、週末に掛け持ちアルバイトなどから始めて積極的にお金を求めていってはいかがでしょうか。