闇バイトについて思うこと 法律とお金を学べば避けられる
関東を中心に殺人、強盗、強盗致死などの凶悪犯罪が相次いでいます。
しかも、バイトにやらせているわけですよ。
裏バイトとか鉄砲玉とか、似たような言葉は昔からありましたが、近年では顕著です。
「ホワイト案件」「簡単な仕事で日給数万~数十万円」「未経験者可・年齢不問」というワードで求人(?)を出して、10~30代くらいの若年層を中心に、宝石店の強盗や、違法薬物、偽札などの運搬、詐欺の受け子、掛け子、出し子…。
金持ちというほどでもない普通の家すらも襲撃し、数万円を盗んだ挙げ句、殴り殺してしまうのだとか。
犯人たちとは、大体同世代から一回り年上くらいなのですが、その地頭でよくやってこれたな、という感じで呆れています。
たとえ騙されて脅されてやったとしても、やってしまったことが重罪中の重罪なので、裁判でも厳しい結果となるでしょう。
求人に応募という最初の入り口に踏み込んだのは君だ、欲で頭がボケてるからそんなことになるんだ、という風に感じています。
あまりにも法律やお金、副業に対してポンコツで情報弱者だなと感じています。日給15万円の仕事なんて、弁護士・医者・パイロット・政治家・競馬騎手などでも上位にいる人でないと実現できない金額です。それだけの大仕事に、なぜ自分が都合良く就けると思ったのでしょうか。
とりあえず国や社会が悪い!とは言いませんが、もう少しこう・・・他にあっただろうって。
俺も人のこと言えないけど、人生を上手に過ごせ、って思います。
法律をもっと勉強してくれ
闇バイトの内容は殺人や強盗、強盗で負傷させれば強盗致傷、死亡させれば強盗致死になりますが、どれも刑法の中でも特に重い重罪であります。
この頃は、この強盗致死がやたら多いのです。
「この条文を読む限り、殺人か強盗で捕まったとしても5年間の懲役刑で済む」
「上手な立ち振る舞いができれば、不起訴処分にもなるし、言われた通りの仕事をしただけだから無罪もワンチャンある」
「無期懲役と言っても実際は15年くらい」
といったように変なところで前向きに捉えていたり、勘違いの知識を持っているそうです。
接見した弁護士は「5年くらいで出られますか?」と事の重大さが分かっていない強盗致傷・致死の犯人(依頼人)から聞かれて、困惑しているのだとか。
騙された、脅されたという事情があるとはいえ、人を強盗した上で殺したからには、良くて無期懲役という感覚がなぜ分からないのでしょうか。
こう考える背景には、自分が少し困った時にも警察が動いてくれなかった経験や、裁判のニュースを見ても被害者や一般人にとっては軽すぎる判決だと感じた事件が多かったなどで「どうせ警察は動かないし軽く済むんだろ?」と思っているのか…な?
行政書士の自分には、刑事事件は扱えません。刑法や刑事訴訟法は得意としていませんが少年の頃から法律や士業の世界に憧れ、無意識に事あるごとに法的にはどうなるのかとニュースを見る癖がついていました。
それなりに法律と向き合ってきた自分にとっては、闇バイトで捕まる同世代の犯人を見る度に「普通の若者はこんなもんなのかなぁ、みんな法律を知らなさすぎないか?無礼るなよ」と思うことばかりです。
知識というより、感覚の問題かなと感じています。これをやったら捕まるとか、前科がついた後の生活がどれほどのものになるとか、そういった合法と非合法のライン引きが自力でできていないといいますか。
なにも弁護士・司法書士・行政書士などの試験に合格してプロになれとはいいません。しかし警察の世話になることなく、自分の身を守ったり、専門家の助言や書籍、ネットの内容を正しく理解できる程度には、法律をもっと身近な教養として身につけてほしいと思います。
初学者にはこのシリーズの入門書がおすすめです。
お金に困らないための投資や節約をしてみろ
そもそも闇バイトをする連中というのは、頭が良いとか悪いとかそれ以前の問題で、相当お金に困っていて余裕がなく、仕事なんか選んでられないという感じの状況に置かれています。
貧して鈍している状態とでもいう感じでしょうか。
最近の事件では、税金滞納者や競艇につぎ込んでいたとかいいますね。
切羽詰まっている状況に、採用のハードルもかなり低く、気軽にすぐ、大金が楽して入るという闇バイトの求人内容は、確かに魅力的に見えてしまうのかもしれません。多少違法性を感じていても、背に腹はかえられないし、バイトらしいから責任も負わないだろうという感覚に陥るのだと思います。
スマホは格安SIMでいいし、金ないなら無理しないでエントリーモデルで我慢すればいいです。生命保険は保険で充分だし、車の保険はJAが安いです。原付は安くて燃費良くて最高です。少し出費がかさむ時はタイミーとか短期バイトをやればいいし、今は男でも料理ができなきゃ話になりませんわ、自炊は安いですよ。
背伸びしないで、実家暮らしで金を貯めればいいし、これらの節約を試しても本当に無理なら親を頼りましょう。
無名の会社で、聞いたこともないような仕事内容と給料を提示するような、怪しい求人に応募してみようかなって発想になるほうが凄いですよね。
郵便局の仕分けとかファミレスのホールみたいな確かなところで働いた方がずっと健全です。
闇バイト応募者のホワイトな企業、仕事を切実に求めている気持ちは分かる
闇バイトは断固として許されるものではなく、騙された側にも同情の余地はありません。
そして指示役以上のポジションを担当するならず者は、これ以上社会に悪影響が出ないうちに、早いとこ消えてもらいたいです。
ただ、闇バイトに応募するほどに、切実にできるだけ楽してお金が欲しい気持ちや、働きやすく条件の良いホワイトな会社で働きたいという彼らの気持ちは痛いほど分かります。
ブラック企業で泣かされてしまい、社会や働くことに絶望しているのかもと思うと同情します。ブラック企業やパワハラ上司は、遠慮無く、断固として潰すべきであると感じていますし、闇バイトに負けず劣らず、似たりよったりな求人内容を掲載する裏ではあるが、闇ではないブラックバイトの存在も許せません。
「闇バイトに応募して、殺人や強盗をするほどの度胸や行動力があるなら、資格試験や副業にでも挑戦して人生逆転を狙えばよかったのに」っていうのが、正直な感想です。
資格がどこまで自分を助けてくれるかは人によりますが、宅建士や行政書士ぐらいまでの難易度(偏差値に換算できるのならば60前後)なら、地頭や経歴に自信のない一般人でも正しい努力を積み重ねれば、なんとか手が届くはずなんです。
雇ってくれないなら、自分で作った会社に入る。
ホワイト企業、ホワイト案件を自分で作ってみる。
それぐらいの気概を持ちましょう。
また、闇バイトに手を伸ばす気にならないように学校で法律を教えたり、闇バイトに応募するほどお金に困ることのないように投資や節約、副業を学ぶ機会や興味を持たせるような教育をすべきであると感じました。
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