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理科のおさらい(5)湿度が高いとベタっとするのはなぜ?

雨が降っている日や夏の湿度が高い日に、ベタつく感じがあるのはなぜなのか?ということが常々疑問でした。

というのも、ポールダンスやエアリアルパフォーマンスは湿度が高い日のほうが「やりやすい」から。

どちらもポールや布(ティシュー)との摩擦力を使ってポージングをしたり上ったりできるのですが、湿度が高い日はパフォーマンスがやりやすいんです。

カラカラに乾燥している日、たとえば湿度30%くらいのときは滑りやすくて握ることすら気を抜くと滑り落ちてしまう。

湿度の変化は摩擦力に影響するのかな?という疑問があったので、例によって「学研パーフェクトコース 中学理科」を手に勉強し直しました!


★モノとモノが「くっつく」要因は何か?

「湿度が高い日は、ベタつく。なぜなら湿気があるから」という感覚で止まっていました。

でも、よくよく考えると、湿気と「くっつく」ことの関係性は全然分かっていませんでした。

湿度に限らず、たとえば真新しいビニール袋を開こうとすると、乾燥していてうまく開けないときとか指をちょっと湿らせたりしますよね?
あとは、テーブルに落ちたシャーペンの芯を取ろうとするときも、指にうまくつかないと指先を舐めて湿らませんか?
ノートのページをめくる、お札を数える、とか、何かしら経験のあるひとも多いと思います。

なぜ湿らせると取りやすいのか?
水に「くっつく力」があるから?
それはなぜなのでしょうか。

★湿度とはそもそも何を表わすか?

ここで、湿度について簡単におさらい。

空気の乾燥度合いを示す湿度は、
一定の体積の空気中に含むことができる最大限の水蒸気量(=飽和水蒸気量)と、そのときの空気中の水蒸気量の比較で算出されます。

式で示すとこうなる。

湿度(%)=1立法メートル中の水蒸気量(g)➗飽和水蒸気量(g/立法メートル)☓100

そして、分母にあたる飽和水蒸気量は、温度によってその量が変わります。

こちらはテキストの表を引用しますね。
(学研パーフェクトコース 中学理科より引用)


なぜ温度によって空気中の水蒸気量は変わるのか?
それは「空気を冷やしていくと水蒸気の一部が凝結して水滴になる」という性質があるからです。
つまり、空気中の水蒸気は温度が下がると水滴に変化するため、結果として、一定の体積に含まれる水蒸気の量は減るということになります。

では、空気が冷やされると水蒸気はなぜ凝結してしまうのでしょうか?
この疑問の答えを見つけるには、中学理科の範囲を超えて、どうやら高校の熱力学の分野になるようです。

ネットで調べた限りなのでちゃんとした出典元がないのですが、そもそも温度というのは、分子1個あたりの運動エネルギーを意味するらしいのです。温度が下がるということは、分子速度が低くなって圧力が下がる。その結果、分子の外からの圧力が大きくなることで体積が小さくなり、水蒸気が凝結して水滴になる、ということのようです。
(詳しい方いたら、ぜひ教えて下さい!!)


★空気中の水蒸気は表面張力によって凝着力を持つ

「湿度が高い」ことは空気中に含まれる水蒸気の量が多い、という状態。

そして、この水蒸気は目には見えないけれど、小さな水滴の状態です。
小さな水滴が丸くなろうとする力を表面張力といい、物体をくっつける力(=凝着力)がはたらくのだそうです。

図示するとこういうイメージ。

水滴の表面張力が、水滴が触れている部分の表面を引っ張り、物体をくっつけようとする。

ちなみになぜ水滴は丸くなるのか、というのは、水滴内部の分子は四方八方に引っ張られるのに対し、表面の分子は内部の液体に触れていないため、内側に引っ張られてもぐりこむような形状になるので球体に近くなるのだそうです。


ということで、空気中の水蒸気には、モノとモノをくっつける凝着力がある。湿度が高い日は空気中の水蒸気量が多いので、凝着力も高いということになります。


★凝着力は摩擦力にどのように影響する?

湿度が高い日にベタつく感じは、空気中にある水蒸気の表面張力による凝着力で説明がつきそうです。

では、冒頭に少し触れましたが、ポールダンスやエアリアルパフォーマンスはポールや布との摩擦力を使っていますが、凝着力はその摩擦力にどんな影響があるのでしょうか。


凝着力は、モノとモノがくっつく力。
運動時にはたらく摩擦力は、物質と物質の間の相互運動を妨げる力。

両者は別ものです。

こちらの疑問の答えも、中学理科の範囲を少し超えているようなのでネットで検索してこちらのページを確認しました。


簡単にいうと、摩擦力は外から物質に加えられる力(=垂直荷重)に比例するようです。物質と物質が触れている面積には関係しない。

つまり、物質に外から加わる力が同じ場合、物質に接触している面積が小さくても大きくても同じ。

ちょっと不思議ですよね、摩擦というと、接触している面積も関係しそうなイメージです。でも、この「接触面積には関係しない」ということの証明に、凝着力が作用しているということが説明されています。

すごく簡単に要約すると、垂直荷重がはたらいている物質の接触している面積を小さくしても、凝着力がはたらく面積はほとんど変わらない。
この結果、摩擦力に対して凝着力は作用している(はたらく)といえる。
つまり、凝着力が高くなると摩擦力も高くなるということのようです。


やっと、スッキリしました!
湿度が高いときのほうがなぜパフォーマンスをしやすいのか。

湿度が高いと水蒸気量のもつ表面張力によって「くっつく力(凝着力)」がはたらく。そして凝着力は摩擦力に作用するのでパフォーマンスがやりやすく感じる。という結論になりました。


湿度、表面張力、凝着力、摩擦力・・単語だけ見るとちょっと難しそうですが、一つひとつ理解していくと、それぞれのつながりが分かって面白いです。



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