#58 ネット検索でいい、を改めた
前回、ことばの感度について書きました。そして、思うことがありまして、翌日に広辞苑を買いました。
広辞苑は普通の辞書と比べると、分厚いし重いし金額は通常の辞書の3倍。実はウジウジと3日間くらい悩んでいたのですが、前回のコラムを書いたことで”あること”に気づき、購入しました。
”あること”とは、わたしの場合は「ネット検索だけを続けていると分かった気になりやすい」ということ。
わたしはこれまで文章を書いているとき、表現の使い方に多少気になった部分があったとしても、調べずに済ませてしまうことが時々あったように思います。
なぜ調べないのか?
Googleを開いて、ちゃちゃっと検索すればすぐ済むはずなのになぜそれをやらないときがあったのか。これまであまり深く考えていませんでした。
いま思い返してみると、正しい情報を見つけるのに時間がかかるし、そもそも何が正しいのかを判断するのに時間がかかるから、という理由が、心のどこかにあったのだと思います。
単なることばの意味や使用している漢字が正しいかだけを調べるのであれば、ネット検索でもすぐにわかるので足ります。ですが、関連する用語や使い方についてまで調べるとなると、本来の使われ方を見つけるまでに時間がかかる。そもそも、世の中で使われている用例はこうだ、と判断できるほどの見極める力はあるのか?
そういう状態でした。
なので、よほど気になったこと以外はたいして調べもせずに分かった気になっていました。
目の前に、物体として広辞苑があればマメに調べる気にもなる。そう思い、購入に至ったわけです。
購入後、さっそく気になっていた表現をいくつか調べてみると、これまでの自分の使っていた表現は、世の中で使われている用例と違っていることが結構ありました。
思い返してみると、きちんとした情報を届けたいと思って調べてきたことはだいたいその分野の専門の事典やアプリを購入しています。
たとえば体に関すること。
どの筋肉がどういうふうにつながっていて、どんな動きをするのか。お客さんとの会話でわかりやすく伝えるにはどうしたらいいか。
そういうことを考えたときにはやっぱり行き着く先は、きちんとお金を払って得た情報なんですね。あぁ、そういえば中学生向けの理科のテキストだって購入してるし。
そう考えると、教養を身につけるスタイルは学生時代となんら変わりがない。
むしろ、調べるものによってはネット検索で正しい情報に辿りつくのはめちゃくちゃ非効率ではないか!と思うこの頃です。
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