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経営スキルを身につけるために、何から手を付ければ良いのか?

はじめに

「経営スキルを身につけるために、何から手を付ければ良いのか?」と問われると、一言で説明するのは難しいな…と思います。
なぜなら座学から始めようとすると、知識範囲が広い割に、カテゴライズがあまり統一されておらず、学ぶ上での入口も全体像も分かりづらい状況になっているためです。
結果として「とりあえずやってみる」という、実践に重きを置いた経営が多いように感じます。

守破離

以前書いた記事「なぜマネジメントを学ぶのか?&マネジメントで最初に読むべき本3選」でも言及しましたが、どんな学問でも(経営においても)、守破離が大事だと考えています。

守破離(しゅはり)は、日本茶道武道などの芸道芸術における師弟関係あり方の一つであり、それらの修業における過程を示したもの。
(中略)
修業に際して、まずは師匠から教わったを徹底的に「守る」ところから修業が始まる。師匠の教えに従って修業・鍛錬を積みその型を身につけた者は、師匠の型はもちろん他流派の型なども含めそれらと自分とを照らし合わせて研究することにより、自分に合ったより良いと思われる型を模索し試すことで既存の型を「破る」ことができるようになる。さらに鍛錬・修業を重ね、かつて教わった師匠の型と自分自身で見出した型の双方に精通しその上に立脚した個人は、自分自身とそのについてよく理解しているため既存の型に囚われることなく、言わば型から「離れ」て自在となることができる。このようにして新たな流派が生まれるのである。

守破離 - Wikipedia

つまり、まずは「守」。先達の教えを理解するところから始まります。マネジメントとは何か、戦略とは何か、ファイナンスとは何か。
過去どういった研究や経営がされてきて、どういう学びが得られたのか。こういった知識を、座学で学ぶところがスタートになります。

もちろん実践を軽視しているわけではありません。机上の空論だけで失敗をすべて回避することはできませんし、将来の答えをあらかじめ完全に導き出すこともできません。

ですが守破離の「守」ができていれば、自分の属する企業の業績が客観的に見てどういう状態なのか、競合他社の戦略は何であり、どう対策すべきか等はある程度推測できるようになります。

経営学の全体像

では、「守」から始めるとして

  • 経営の知識全体像はどういったものか?

  • 具体的に、何から学べば良いのか?

を考えていきます。
まず、「経営の知識全体像」を個人的にまとめた図が以下の通りです。

注意事項

```mermaid
 flowchart LR

 a1[経営学]-->h1[ヒト]
 h1-->h3[人材マネジメント]
 h3-->h9[マネジメント基礎]
 h3-->h6[人事システム]
 h3-->h7[組織構造]
 h3-->h8[組織文化]
 h1-->h2[リーダーシップ]
 h2-->h4[リーダーシップ論]
 h2-->h5[企業変革]
 a1-->s1[モノ]
 s1-->s2[経営戦略]
 s2-->s4[ミッション・ビジョン・バリュー]
 s2-->s5[環境分析]
 s2-->s6[競争戦略]
 s1-->s3[マーケティング]
 s3-->s7[STP・4P]
 s3-->s8[PLS, PPM]
 a1-->m1[カネ]
 m1-->m2[アカウンティング]
 m2-->m4[財務三表]
 m2-->m5[財務分析]
 m2-->m6[管理会計]
 m1-->m3[ファイナンス]
 m3-->m7[金銭の時間的価値]
 m3-->m8[経済学]
 a1-->t1[思考・倫理]
 t1-->t2[企業倫理・ガバナンス]
 t2-->t7[コーポレートガバナンス]
 t2-->t8[ESG]
 t1-->t3[思考]
 t3-->t4[トリプルシンキング]
 t3-->t5[統計学]
 t3-->t6[行動経済学]
 t3-->t9[イノベーション]
```

経営とは経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)をマネジメントすることであるため、各分野における知識が必要になります。それを簡単にまとめると上記のようになります。

何から学ぶか

全体図を見てわかる通り、範囲はかなり広いです。
では、その中において何か学ぶか?ですが、個人的には「マネジメント基礎」を推します。

具体的にはピーター・ドラッカーの「マネジメント」を指しますが、ドラッカーのマネジメントを分かりやすく学べる入口として、10年以上前にブームになった「もしドラ」を推します。

守破離の成り立ちは、茶道や武道でした。それらにおいてまず学ぶべきは小手先の技術よりも、心構えや考え方です。
そのため、経営においてもまずはここから入ることをおすすめします。

最後に

最初の一歩を踏み出した後について、手前味噌ですが以下記事を紹介します。

数十冊、数百冊と書籍を読み、それでも物足りなくなってきたら、中小企業診断士やMBA等、経営のプロとして学ぶ道に進んでみてはいかがでしょうか。

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