最終列車
世の中の事情に合わせて終電時刻が切り上げられる。
そんな前代未聞を簡単に引き起こしてしまう時代だ。
終電始発を頼りに生活している身分なのでやや困る。
大きく支障が出るほどのことではないが影響はある。
そこで最近は少しばかり課金して時間を買っている。
別路線を利用することで「今まで通り」でいられる。
しかし乗り換えやらなんやら不慣れなので失敗する。
どの車両に乗ってどう乗り継ぐのか事前に調べても
東京の主要駅は油断するとすぐ迷子になってしまう。
結局お金と時間を両方無駄にしたりして本末転倒だ。
変化に柔軟になれない自分の鈍臭さに悶々としつつ
長い年月で染み付いてしまった生活について考える。
変わってゆくこと。変わらないこと。
その変化に全く気づけていなかった。
スマホの中の広々とした世界に圧倒されているうち
現実世界が移ろいでいることをすっかり忘れていた。
もっと自分の五感で世界を捉えないと取り残される。
毎日を好奇心でいっぱいにしたい。もっと。もっと。
こんなことを書いていたら五駅乗り越してしまった。
そういうところ。そういう人なんだよなあ。ため息。