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うみなり

夜の海に一人たたずみ
朝がくるまで波の音きいてた
彼方にみえる灯台の灯が
夜の深さをおしえてくれる

 さっきまで降っていた雨も
 こころ濡らすのをあきらめて
 どこかへいってしまった
 今までそこにいた船のように

  夢のなかできみをみた
  そんな気がしたんだ
  遠い遠いうみなりのように
  きみの優しい声が響きわたる

おもいうちあけられず一人うみへ
夜のかもめはなにをもとめて
かなしくせつなくないているのか
やるせない心あざわらうように

 火のついたまま煙草なげると
 まるではかない愛のように
 オレンジ色の線をえがいて
 よどむ波間におちていく

  夢のなかできみをみた
  かすかにふれたんだ
  黒い黒いうねりのように
  こころはげしく乱れたまま

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