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【活動報告】茨木市次世代育成支援行動計画(第5期)案に対するパブリックコメントの提出(むかで)



 どうもウィークタイのむかでです。昨日2回に渡りパブコメ作成イベントを実施しました。※委細は下記ページ参照

 大阪府茨木市こども政策課が募集した「茨木市次世代育成支援行動計画(第5期)案」に対するパブリックコメントを提出(提出内容は下記参照)しました。

パブコメ作成で意識したこと

パブリックコメント作成における主観と客観

 私がパブリックコメントを提出するのは2回目です。
 前回に続き意識したこととして、主観的感情をぶつけないようにしました。
 逆に客観的事実をベースに矛盾点を指摘するようにこころがけました。

 パブコメは書くのに制限はありません。しかし怒りや悲しみの主観的な感情をぶつけても、冷たい行政対応が待っています。「本案に関係ないため回答を控えます。」との単文返答で終了です。

 なお語尾は大人の対応として「検討してください。」にしています。暴言はNGです。

大本の国の法令等まで読み込もう


 そもそもパブリックコメントでは、計画案のどこのページのどこの項目に対する意見なのかが要求されます。きちんと計画案を読み込み、内容を理解する必要があります。
 
 対象となる計画案だけでなく、前回との変更点も知る必要があり、前回分の計画案も読み込むべきです。また、たいていの計画は根拠法令、国や都道府県の計画を基にしていることが多くそれらを知る必要があります。その他市の他の計画(福祉、医療等)との関連もあります。
 裏をかえせば関連するそれらの計画との齟齬を見つけることが大事になります。
 たとえば大本となる根拠法で指摘している内容を踏襲していなかったりすれば、そこを指摘すればよいのです。
 今回のパブリックコメントではいくつかの法令とそれに基づく計画を読み込みました。

・次世代育成支援対策推進法
・こども基本法
・子ども若者育成支援推進法
・大阪府こども計画(素案)
・こども大綱

どれも名前がにていますが、内容は全く違うものですΣ(・□・;)
 こどもと一口にいっても、子育てやこどもの権利、こどもの貧困、ヤングケアラー、ひきこもりなど多岐にわたるからです。

 当団体の関連する「ひきこもり」に焦点を当てて今回は作成しました。

パブリックコメント提出内容(本文ママ)とその意図

 以下に私が提出パブリックコメントの内容をそのまま記載しております。その意図を説明します。

啓発イベントの実施の検討

 大阪府こども計画(素案)(大阪府福祉部子ども家庭局令和7年3月)p86,182で「ひきこもりに関するイベント(当事者会・女子会等)の実施や(中略)、子ども・若者への支援が効果的に行われるよう、市町村を支援します。」と記載されています。府と連携して、市がひきこもりに関するイベントを開催することを検討してください。

 府の計画(案)でひきこもりに関する啓発イベントを市町村が実施するように応援するとのことです。なので茨木市も応援をうけて実施してくださいという内容です。

※大阪府こども計画(素案)
https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/99966/01_kodomokeikaku_soan.pdf

ひきこもりガイドブックの作成検討


「茨木市次世代育成支援行動計画 別冊 ひきこもり支援ガイドブック」が第4期に作成されました。第5期案でも別冊で作成することを検討してください。

 茨木市は前期計画の別冊でひきこもりのガイドブックを作成しています。これを今期も作成するように要求しました。

こどもの年齢範囲の確認

 こども大綱(こども家庭庁令和5年 12 月 22 日)p3で「18歳や20歳といった年齢で必要なサポートが途切れないよう、こどもや若者がそれぞれの状況に応じて社会で幸せに暮らしていけるように支えていくことを示したものであり、こどもが、若者となり、おとなとして円滑な社会生活を送ることができるようになるまでの成長の過程にある者」、p47の注釈で「「青年期」(おおむね 18 歳以降からおおむね 30 歳未満。施策によってはポスト青年期の者も対象とする。)」と記載されています。
 本案における「こども」も同大綱と同じ年齢範囲を指すのでしょうか。

 「こども」という言葉の定義の確認をしました。
 通例では18歳までとイメージされることが多いですが、こども基本法に基づくこども大綱では区切ることはしていません。広い場合では40代まで指す場合もあるのだとか。
 市だけでなく、先述のように国のソースを持ち出すことで説得力を強くしました。
 ここでユースプラザ事業に対する若者打ち切りに対する言質(げんち※言葉による証拠、人質)をとります


子ども・若者自立支援センターとユースプラザとの連携


 本案p24で「茨木市子ども・若者自立支援センターとユースプラザ等の支援機関との連携をさらに強化していく必要があります」と記載されています。具体的な連携方法について言及することを検討してください。

 この文言は振り返ると抽象的でした。提出した理由としては、くろす(子ども若者自立支援センター)の影響力を低下させようとしている市の方針を明らかにさせたかったからです。


質と量の矛盾

 本案p23で「公共施設等の居場所では、さらなる利用者増に向けて周知していく(後略)」、p61で「1323ユースプラザの運営」の「行動目標」が「質的充実」と記載されています。居場所における利用者増という「量的」な必要性を記載している一方で、居場所であるユースプラザの行動目標が「質的」な充実となっており、矛盾していると考えます。合致した記載をすることを検討してください。

 一応矛盾点を指摘したつもりです。利用者が増えればいいという市の方針に批判的にコメントしました。

スタッフの配置基準の設置の検討

 本案p23で「 (前略) 全体的な支援の底上げに向け、今後も職員やスタッフの支援力向上を図っていく必要があります」と記載されています。利用者の立場から申し上げると、現状一部のユースプラザでは10~20代の大学生スタッフが利用者に強く関わり、30代以上に対応できる正職員は事務作業に従事し利用者と関与していません。結果として、近い年代の10代のこどもだけが対応され、20代以降の利用者が放置されている傾向がみられます。ユースプラザでは15歳~39歳を利用要件となっています。多様な利用者が利用できるようにするため、年代や性別の多様性を確保するようにスタッフの配置基準を設定することを検討してください。

 ここでスタッフの配置基準について提案しました。利用者の立場から提案することでリアリティをもたせています。

若者層の利用状況の課題提示

 「茨木市次世代育成支援に関するアンケート調査関連資料:(小学校高学年・中高生)」p57の「学校以外の市内の公共施設等の今後の利用意向」と「利用状況」《中学生・高校生のみ》を基に計算すると、「利用意向」に対する「利用状況」の割合が「ユースプラザ」で約23%です。
 同様に「茨木市次世代育成支援に関するニーズ調査 結果報告書 (19~39 歳)」p44を基に計算すると、「利用意向」に対する「利用状況」の割合が約5%です。
 両者の割合は以下の通りです。「中学生・高校生のみ」は約23%、「19~39 歳」で約5%です。
 同割合で、「19~39 歳」を 4.6 倍した値が「中学生・高校生のみ」となります。
 以上を踏まえると、同割合は、「中学生・高校生のみ」より「19~39 歳」の方が圧倒的に少ないといえます。つまり「利用意向」がある若者(19~39 歳)が多いも関わらず、「利用」に至っていないということです。
 こどもと若者の間の利用状況の違いを第5期計画の実施に向けた検討課題として、p32の「(6)生きづらさを抱えるこども・若者への支援の充実」に追記することを検討してください。

 この文言が一番時間がかかりました。しかし一番よくかけたと感じています。
 パブリックコメントを募集する際に当然に市民に有利となる先のベース資料は紹介されません。あくまで素案のみが開示されます。ベース資料は自分で探してくださいというスタンスです。
 もちろん私はしらみつぶしに調べました。その結果、統計データを出し、課題点を提示できました。このような数量そのものは開示されていても解析されたものはこちらから計算する必要があります。都合のよい統計はでても不都合なものは出してきません。なのでこちらがきちんと出してあげるのです

パブリックコメントを出す意義について

パブコメとは言質である。


 いろんな資料を読み漁り、たくさんパブコメを書きました。

 ここまで書いてもおそらく、市からの単文回答「検討いたします。」で終わります
 行政の「検討」はご存じと思いますが、=「やりません」です。おそらく私のパブコメもそのような返答で終わることが予想されます。でも出すんです。絶望してません。

 なぜならこのやりとりは確実に開示されるからです。
 もし私や保護者が血眼になって、窓口で押し問答しても、メールでやりとりしても、市の公式HPには載りません
 一方でパブリックコメントで提出することで私の文言と市の返答はきちんと残ります。公式に残るということは言質を取ることにつながります。

 市に公式に残れば、後々、議会で追及されることもあるのです。

パブコメは民主主義の根幹を守るための手段である

 公民の授業でパブリックコメントや情報開示請求があることは習います。しかしそれを行動に移すひとは数少ないです。
 多くの人にとって身近な民主主義とは選挙かと思います。もちろんそれはとても大事なものです。
 でも、それと同じくらい身近なものとしてパブリックコメントがあることを知ってもらえたら幸いです。

パブコメを身近なものに!


 私が書いたように、ソースを調べてロジックで提出しなくても構いません。
 冒頭と矛盾しますが、主観的なものでも構わないのです。名前は公開されません。(※行政側には原則実名で提出する必要があります。)1行の単文でも構いません

 是非行政へのパブリックコメントを提出してみてください。おすすめは市町村からかな?というか私はまだそこしか出したことがないので…募集は市政だよりに書いてあります。

それではまた次回!ご閲読ありがとうございましたm(__)m

(ライター:むかで)


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