日記6 子供の論理的思考力?
個別指導塾でアルバイトをしている。個別指導塾というのは傾向として、学力の低い子が多いように思うし、実際そうだと思う。勉強できる子は集団塾に行ったり、そもそも塾に行く必要がないので、それはそうなのだけど。
それで、子供の解き方を見ていると、論理的に考えられるというのはそれだけで貴重な能力なのだなと思う。例えば移行とかがわかりやすいのだけど、
2x - 3 = 5
という一次方程式があって、これを解こうとすると
2x = 5 + 3
が移行なんだけど、これを全く理解しないで
2x = 5 - 3
なんてしちゃう生徒も結構いる。
移行の操作っていうのは
A = B
だから
A + C = B + C
という操作に基づくものなんだけど、この理屈をわからずに移行で躓くようだ。
割合の問題とかは論理的思考の典型パターンだと思う。
たとえば時速4 km/hで、x 時間歩いた時に歩く道のりがわからない子とかいる。また、計算できたとしても「みはじ」に当てはめるだけの子もいる。
これは1 時間で4 km歩くということなので、x時間歩くというのは「1時間で4km」をxセット繰り返すという操作と同じである。当然 4x km というのが答えになる。2時間歩いたら4km/h × 2h = 8 km (実際はこんな単位計算は書かないことの方が多いけど)、3時間なら12 km ということが直感的にわかる子でも、x がでてくると急にわからない子とかがいる。
僕は発達心理学に関してはド素人も良いところなので、子供の思考能力のことはまるで分らない。
発達に関して言えるのは自分の経験に基づくことのみだ。
僕は「みはじ」を使わずにこういう問題を解くことができていたから、このような子供たちの考えていることがわからないけど、どうやって向き合っていったらいいんだろう? 常に正しい手法・情報を与え続けることが正解なのだろうか?
逆に、個別指導をしていて論理的に思考できる子供を見るととても感動する。この前担当した小学生はなかなか考え方が理にかなっていたので、試しに下のような問題を出してみた。
三桁の自然数abc,cccが次のひっ算を満たすときa,b,c(自然数)は?
abc
+abc
+abc
------
ccc
これはyoutuberの川端先生のこの動画から引っ張ってきた。
その子は、ちゃんと一の位の条件から当てはまる数を制約していき、見事にこたえを出すことができた。
その子の考えを聞きながら僕は感動した。彼は考えることのできる人間だと思った。
選民思想のような言葉になってしまったが、実際論理的に考えられる人と、そうでない人はこの先選別されていくと思う。
近年ではAIに仕事を奪われる、といった言説が巷で流行っているらしいけど、それに関連して新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』という本がヒットしたのもこういうことだと思う。
アマゾンであらすじをみると「東ロボくん(受験用人工知能)は東大には落ちるもののMARCHには合格する実力を持っていた」みたいなことが書いてある。
東大とMARCHの入試問題って、大きく違うのは問題形式なんだよね。前者は記述式が基本。後者はマークシート。
ロボットっていうのは基本的に、類似した問題とその答えを学習させて、「こうならこう」「こういうのがきたらこれ」っていうパターン分けを行っているわけ(詳しくないので、間違ってたらごめんなさい)であるから、そんなに論理的な思考をしなくても解けちゃう。
しかし、東大の問題は記述式なのでパターン分けで答えを記述するのは難しい。問題に応じて答えを考えなければいけない。
論理的思考っていうのはこういったシーンで必要なのだろう。
この本の目的は「論理的思考の苦手な機械vs近年の子供達」といった対立構造を煽り、そこから最近の子供達は読解力や論理思考能力が低い。っていう流れだと思う。読んでないから何とも言えないのだけど。
論理的に考えられない子供達はこれから先の人生が心配になってしまう。だから、僕はそういう子が一人でも多く考えられるように、そういう教え方をしているつもりだ。
今日やったこと
自分の研究の関連分野の勉強会があったので参加してきました。偉い先生たちの発表はどれもアイデアに満ちていて良かったのですが、話が難しくて、質問したいのに浮かんでこないという状況に陥りました。
塾長にハーゲンダッツのバニラをおごってもらいました。
個人的に牧場しぼりのバニラだいすきなので、どちらが美味しいか比べたいと思います。
今日の格言
頑張りが実るまでがんばれ!それでもだめならあきらめて別の道を往け!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?