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【FVP政治観察記】(第7回)有罪率99.9%の是非
【どんぐり】
ドラマのタイトルにあるということもあり、よく知られている「日本の有罪率は全体の裁判数の99.9%」という言葉があるが、なぜそのような事態になっているのだろうか。
一見この言葉だけを聞くと、数値が高すぎるように聞こえる。
まず、日本の刑事裁判では有罪か無罪かを判断するものであるが、そもそも初めの時点で被告人が罪を認めていた場合、量刑を争う量刑裁判となる。よって、被告人が罪を認めていた場合有罪を前提とした裁判になり日本の場合、量刑裁判が全体の90%を占める。
残りの10%が無罪か有罪を争う否認事件は残りの10%であり、その中での無罪率は2.34%となっている。
つまり、そもそも量刑裁判が多数を占めているためこのような高い有罪率になっているのだ。
この数値は世界の中で高いのだろうか?無罪率が日本が0.1%に対して、アメリカが0.4%、フランスは6.4%、イタリアは20.7%と日本は特に低いということが分かる。
なぜ、こんなに日本は有罪率が高いのだろうか
まず、考えられるのは検察は誤認をしないよう有罪の証拠が揃った事件しか起訴しないということだ。
また、有罪か無罪かを争うより有罪を早く認めて執行猶予付きの判決を貰いに行くケースが多い。
アメリカでは裁判所に判断の重きが置かれているのに対して、日本では有罪にできるかを検察が判断し裁判所が認める形になっていることも影響しているだろう。
しかし、そのままでいいのだろうか。
中には逮捕後に最大23日の拘束を受ける中での取り調べで、この生活が何年も続くぐらいなら今認めて楽になろうという人もいるかもしれない。
圧迫的な取り調べを防ぐために、取り調べの様子をカメラに記録しておくことを義務化する法が出来たが、起用される事件は検察庁の取り調べでは90%以上に上るが、警察が被疑者を逮捕した全事件に占める録音、録画の割合は20%にも及ばない。
また、世界では取り調べに弁護士か立ち会うことは常識となっている中で日本では認められていない。
私はこのような問題が残っている中での有罪率99.9%は司法の優秀さだけの数値とは思えない。よって、冤罪を防ぎ被告人の人権が尊重される方法をより柔軟に考えていく必要があると考える。
※「FVP政治観察記」ではそれぞれのメンバーが活動を通して感じたことや政治への思いを書いています。賛同できる意見もできない意見もあると思いますが、ぜひご一読いただき、また、皆さんの意見を発信していただければ幸いです。
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