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水曜日
2024年11月8日 00:44
「また来たの?」図書館の窓際で本を読んでいると、いつものように黒猫が顔を覗かせた。私は窓を少し開け、猫を中に入れる。「今日は何を読もうか」黒猫は本棚の前で立ち止まり、尻尾でノンフィクションの棚を指す。「へぇ、今日は難しいのがいい気分?」図書館に猫が来ることを、司書の山田さんは黙認してくれていた。誰にも迷惑をかけないし、本を傷つけることもない。ただ、私の隣で本を読むだけ。「あ